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FX初心者の複数口座スプレッド監視入門|TradingView×APIでリアルタイム比較&アラート運用する方法

目次

複数口座のスプレッド差を知らないまま負けていた頃の話

まだFXを始めたばかりの頃、私は「有名だから」「キャンペーンをやっていたから」という理由だけで、1社の口座だけを使い続けていました。
当時はスプレッドの数字こそ見ていましたが、「他社と比べる」「時間帯ごとの変動を見る」という発想がなく、結果的に 常に割高なスプレッドを払い続けていたことに、かなり後になってから気づきました。

たとえばドル円で、あるA社は0.3銭、B社は0.2銭だとします。
この「0.1銭」の差は1回の取引だと小さく見えますが、1日に数十回、1年単位で積み重なると、 数万円〜数十万円レベルの“見えないコスト”になっていました。

しかもやっかいなのは、スプレッドは常に固定ではなく、時間帯や相場状況、指標発表前後でコロコロ変わることです。
1社だけを見ていると、「今日はちょっと広いな…」と感じても、それが 「市場全体で広がっているのか」「自分が使っている会社だけ広がっているのか」 が分かりません。

そこで私は、複数口座を同時に開設し、TradingViewとAPI連携してスプレッド差を“見える化”する方法に切り替えました。
この瞬間から、どの会社がどの時間帯に強いのか、どんな相場で急にスプレッドが広がるのかが一目で分かるようになり、 「なんとなくの感覚」からデータに基づく口座選びとエントリー判断へと変わっていきました。

この記事では、FX初心者でも分かるように、複数口座のスプレッド差をTradingViewとAPIで自動監視する具体的な手順を、実体験ベースで解説していきます。

この記事で分かること

  • なぜ「1社だけ」で取引するとスプレッド面で損をしやすいのか
  • 複数口座のスプレッド差を、初心者でも直感的に比較する考え方
  • TradingView×API連携でスプレッドをリアルタイム監視する流れ
  • スプレッド差に応じて「どの口座で」「どの時間帯に」エントリーするかという実践的な使い分け方

FXの全体像やリスク管理の基本から整理したい人は、先に FX初心者が最初に読むべき総合入門ガイド を一度ざっと眺めておくと、本記事の内容がさらに理解しやすくなります。

また、「そもそも複数口座をどう組み合わせるか」「サブ口座を何に使うか」を戦略レベルから整理したい人は、 複数口座とサブ口座を使った分散ヘッジ戦略 もセットで読んでおくと、この記事の“実務パート”がそのまま自分の運用に落とし込みやすくなります。

これから複数口座を作る初心者へ

「いきなりたくさん口座を作っても管理できるか不安…」という人は、まずは約定力や情報ツールが充実している国内大手から1〜2社ずつ増やしていくのがおすすめです。
たとえばコスト面と約定力のバランスを重視したい場合、 【松井証券MATSUI FX】 のような国内業者を軸にしつつ、あと1〜2社を比較対象として並べる形が、初心者にとっても管理しやすいスタートラインです。

なぜFX初心者こそ「複数口座」を前提にすべきなのか

FXを始めたばかりの頃は、ほぼ全員が「1つの口座だけで取引すれば十分」と考えます。
私自身もそうでしたし、昔の私は「複数口座なんて上級者向けの話だろう」と思い込んでいました。

しかし、データを蓄積していくにつれ痛感したのは、“1社だけのスプレッドを見ている状態は、片目をつぶって運転しているようなもの”だということです。
市場の流動性は刻々と変化し、業者ごとのスプレッドも秒単位で拡大・縮小を繰り返すため、 1社しか見ないと「本当はもっと安く取引できる瞬間」を完全に取り逃してしまうのです。

特にドル円・ユーロドルは“0.1〜0.2銭の差”が頻繁に発生し、それが年間コストでは 数万円〜十万円単位の損失につながります。

スプレッド差は「感覚」ではなく“数字で見えないと危険”

たとえば、ある時間帯ではA社が0.2銭で最良、別の時間帯ではB社が0.3銭で安定、 指標直後ではC社だけが急拡大せず耐えている…というケースは日常茶飯事です。

このような「時間帯ごとの強み」は、複数口座のリアルスプレッドを並べて比較しないと絶対に見えません。
そして、こうした“隠れた優位性”を把握できる人だけが、スプレッド差を武器にできます。

スプレッドが広がるタイミングや、その裏にある市場要因を体系的に理解したい人は スプレッドが広がる時間帯の仕組みと理由を解説したガイド を読むと、この記事の理解がよりクリアになります。(※内部リンク1)

複数口座×TradingView×APIで何が変わるのか?

私は最初、2〜3社のスプレッドを手動で並べて比較していましたが、正直ほとんど意味がありませんでした。
手動だと、広がった瞬間・縮まった瞬間を拾えず、結局「感覚」で判断してしまうからです。

しかし、複数口座のリアルスプレッドをAPIで取得し、TradingView上で自動更新させるようにしたところ、 どの会社がどの時間帯に強いか、どの指標で耐えられるかが明確に分かるようになりました。

さらに、口座ごとのレバレッジ余力や資金管理にも影響するため、 口座運用の基礎を整理しておきたい人は 25倍レバの安全圏と余力管理を体系化した解説 を先に読んでおくと理解が深まります。(※内部リンク2)

1つの口座では絶対に見えなかった「勝ち筋」

  • 朝の東京時間はA社が圧倒的に強い
  • 欧州入りはB社だけスプレッドが動かず安定しやすい
  • 指標後の戻りはC社が早く締まる傾向がある

このような“時間帯ごとの口座特性”は、1社しか開設していない初心者には絶対に見えません。
複数口座を前提にするだけで、あなたのトレードコストは別物のように最適化されていきます。

スプレッド差は「小さい差」ではなく“積み上がると武器にも損失にもなる”

初心者はよく「0.1銭くらい誤差だろう」と言います。
しかし、私は過去の取引履歴を全て見直したとき、この0.1銭の油断が年間で十数万円の損失になっていたことを知りました。

たとえば、ドル円1万通貨で1回取引するだけなら、0.1銭の差は「たった10円」です。
ところが、デイトレの場合は1日20回、スイングでも月に数十回。 これが365日積み上がると、以下のようにコストは膨張します。

1回あたりの差1万通貨(0.1銭)=10円
1日20回10円 × 20 = 200円
1ヶ月20日200円 × 20 = 4,000円
1年4,000円 × 12 = 48,000円

これは「0.1銭」の場合です。 もし0.2銭〜0.3銭の差になっていたら、年間損失は10万円超えが普通です。

実際の相場では、0.1銭どころか0.5〜1.0銭以上の差が突然発生するケースも珍しくありません。

広がる瞬間を“見逃す=確実に損する”

初心者が損しやすい理由は、スプレッドが広がる瞬間を見抜けないことにあります。
「ちょうどエントリーした瞬間にだけ広がった気がする…」という経験はありませんか? 実はそれ、気のせいではなく業者ごとに広がり方がまったく違うためです。

この「違い」を理解しておくと、どの会社がどの時間帯に強いかが見えてきます。 スプレッドの変動理由を体系的に理解したい人は 休日・薄商いでスプレッドが動く仕組みを整理した解説(※内部リンク3) を読んでおくと、TradingViewでの監視がより意味を持ちます。

“本当に広がっているのか?”は1社だけだと絶対に分からない

私は昔、スプレッドが急に0.8銭まで広がった瞬間、 「相場が荒れているのか」と思ってポジションを慌ててクローズしました。 しかし後から複数口座を比較したところ、広がっていたのは私の使っていた1社だけ。 他社は0.3銭のまま安定していたのです。

つまり、“あなたの口座だけ広がっている”というケースは普通に起こります。 これを避けるために必要なのが、複数口座×TradingView×APIによるリアルタイム比較です。

また、スプレッドだけでなく約定速度や滑りやすい時間帯も把握したい人は、 約定力や実行性能を評価する総合ガイド(※内部リンク4) を併せて読むと、本記事の理解がさらに強化されます。

複数口座を可視化すると“勝ちやすい時間帯”が掘り出される

複数口座のスプレッド差を可視化して分かったのは、 「この時間帯はB社が最強」「夜中は意外とC社が安定」というような、 “独自のゴールデンタイム”が各社に存在することでした。

これは自分でデータを見ない限り絶対に気づけない領域です。 そして、その差を武器にできるかどうかが、長期的な収支を大きく左右します。

TradingViewで複数口座のスプレッド差を可視化するための準備

ここからは、初心者でもつまずかないようにTradingViewとAPIを使ったスプレッド自動監視の準備ステップを丁寧に解説します。
専門的な単語が並ぶように見えますが、実際にやることは「APIキーを取得 → TradingViewに入力 → 表示する」の3ステップだけで驚くほどシンプルです。

最初に理解しておきたいのは、APIとは“FX会社が発行するリアルデータの入り口”だということです。
この仕組みを使うことで、スプレッドや価格を「自動取得」できるようになり、手動で眺めていた頃とは比べものにならないほど正確な比較が可能になります。

まずは複数口座の“データ提供状況”を確認する

すべての業者が同じ形式のAPIを提供しているわけではありません。 国内FXでは、API提供がある会社とない会社が混在しているため、最初のポイントは「API提供がある会社を中心に監視する」ということです。

API提供がある会社のメリットは、価格・スプレッド・板情報の取得が自動化できる点にあります。 これにより、手動で切り替えて確認する必要がなく、TradingView上で複数口座を並べてリアルタイム比較ができるようになります。

具体的な業者比較や仕組みを整理したい場合は、 FX業者の方式(DD方式・NDD方式・STP・ECN)を理解するための基礎ガイド(※内部リンク5) を読んでおくと、API形式の違いがスムーズに理解できるようになります。

TradingView側で必要な準備

TradingViewでAPIデータを扱う方法は複数ありますが、初心者は次の2つを押さえれば十分です。

  • Pine Scriptでデータを取り込む方法(カスタムインジケーターとして表示)
  • Webhookとサーバー経由でデータを流し込む方法(上級者向け)

大半の初心者は前者でOKです。 Pine Scriptは初心者向けの構文が多く、APIで取得したスプレッドデータをそのままチャートに重ねる仕組みを作れます。

TradingViewの操作や設定が苦手な人は、 TradingView×Pine Script自動化ガイド(基礎〜応用)(※内部リンク6) を一度読んでおくと、後半の自動化パートがスムーズに進みます。

APIキーを取得する際の注意点

APIキーは「ログイン情報と同じくらい大事」。 公開すると即座に悪用されるため、絶対に第三者に見せないこと。

APIキー取得の流れはほぼ全社共通で、以下のとおりです。

  1. FX会社のマイページにログイン
  2. 「API」または「外部連携」メニューを開く
  3. APIキーを発行(閲覧は1度だけのケースが多い)
  4. TradingViewや管理スクリプトに入力して保存

初心者がつまずきやすいのは、APIキーが表示されるのは「発行時の1回だけ」という点。 必ず安全な場所に控えておく必要があります。

複数口座×API×TradingViewの“最強コンビネーション”はここから始まる

この準備を終えると、次のステップではいよいよ複数FX会社のリアルスプレッドをTradingView上で同時に可視化していきます。 可視化できるようになると、どの会社が本当に強いのかが秒単位で分かる世界に入れます。

APIスプレッドをTradingViewに表示する基本フロー

ここからは、実際にAPIから取得したスプレッドデータをTradingViewに表示する流れをイメージしやすいように、できるだけ噛み砕いて説明します。
技術的な細部は人それぞれですが、やっていることはどのパターンでもほぼ同じです。

ざっくり言うと、「①FX会社からスプレッドを取得 → ②自分のサーバーやスクリプトで整形 → ③TradingViewで読み込んで表示」という三段構えになります。

ステップ1:FX会社のAPIからスプレッドを取得するイメージ

多くのAPIでは、bidaskがJSON形式で返ってきます。
この2つの差(ask - bid)を計算すると、その瞬間のスプレッドが求められます。

たとえばドル円なら、こんなイメージです。

  • bid = 150.000
  • ask = 150.003
  • スプレッド = 0.003円 = 0.3銭

この処理を数秒おきに繰り返し、時系列のスプレッドデータとして蓄積していきます。 難しそうに見えますが、「一定間隔でデータを取りに行く作業」を自動にしているだけです。

ステップ2:TradingViewで扱いやすい形に整形する

TradingViewのPine Scriptは、外部から直接JSONを読み込むことはできないため、 一般的には「自前サーバー or 外部サービス」で次のような形に整形します。

  • 時刻・通貨ペア・スプレッドをCSVや数値配列にまとめる
  • 必要であればスプレッドをpips・銭単位に変換しておく
  • 複数口座分のスプレッドを別々の系列(Series)として扱えるようにしておく

このあたりの「TradingViewで何をどう並べるか」という設計は、 TradingViewで国内FX会社の約定環境を比較する活用ガイド(※内部リンク9) に近い発想で、「何を比べるか」を先に決めておくと設計がブレません。

ステップ3:Pine Scriptで複数スプレッドを重ねて表示する

準備が整ったら、Pine Script側では「A社スプレッドのライン」「B社スプレッドのライン」という形で 複数のラインを同一チャート上に描画します。色分けしておけば、どの時間帯でどの会社が優位かが一目で分かります。

また、スプレッドだけでなく、約定環境・取引ツール・情報サービスも含めて総合的に比較したい人は、 FXトレードツール環境を比較した総合ガイド(※内部リンク10) を参考に、自分にとっての「ベース口座」と「サブ比較口座」を整理しておくと良いです。

“技術が苦手でもここまでイメージできれば十分”

ここまで読んで「自分でコードを書くのは無理そう…」と感じたとしても、 複数口座のスプレッド差をTradingViewで可視化するイメージさえ掴めていれば大丈夫です。
実装そのものは、外部サービスやエンジニアの力を借りることもできます。

重要なのは、「1社だけのスプレッドを眺める時代は終わっている」と理解し、 複数口座のスプレッド差を「データとして見たい」と思えるかどうかです。

複数口座×スプレッド差で勝率が変わる──実践的な使い分け方

複数口座を持つ理由は「比較のため」だけではありません。 スプレッド差を把握した上で“時間帯・通貨ペア・相場状況ごとに優位な口座を切り替える”ことこそ、本当の目的です。 ここでは、TradingViewで可視化したスプレッド差のデータを、具体的なトレード戦略に落とし込む方法を解説します。

結論:スプレッドが優位な口座は、時間帯ごとにまったく違う。
1社だけに依存するのは、それだけで期待値を下げる行動です。

東京時間:安定性が武器になる口座を使う

東京時間は値動きが比較的落ち着き、スプレッドも安定しやすい時間帯です。 この時間帯に強い会社は「常に狭いスプレッドを提供し続ける」という特徴があります。 TradingViewで複数口座を比較すると、「朝9〜13時まではこの会社が最安値」という傾向がはっきり出ることが多いです。

この時間帯の性質やレンジ戦略を深く理解したい人は、 静かな相場でのミーンリバート戦略ガイド(※内部リンク11) を併読すると、スプレッド差をどのように判断材料に使うかがより明確になります。

欧州時間:スプレッドの“瞬間的な拡大”を捉える

欧州勢参入後は流動性が増える一方で、瞬間的にスプレッドが広がりやすい局面が頻発します。 複数口座のスプレッド差をリアルタイムで監視していると、この「広がり方の違い」がはっきり見えます。

ある会社では0.2銭から0.6銭へ広がる一方、別の会社では0.3銭にしか広がらない… こうした差は、1回のエントリー利益を大きく削るため、秒単位で比較しているメリットが最大化されます。

NY時間:指標前後の“耐久力”で口座を使い分ける

最も顕著なのは指標発表前後のスプレッド挙動です。 FOMCや雇用統計前後では、多くの会社が一斉にスプレッドを拡大する一方で、 「耐久力が高く、広がり方が緩やか、または時間が短い」会社が必ず存在します。

TradingViewのスプレッド監視を通じて、私はこの“耐久力”を基準に口座を切り替えるようになりました。 これにより、「指標直後の踏まれかけ」を避けられるようになり、期待値が大きく改善しました。

指標前後でのエントリー判断やポジション管理を体系化したい人は、 経済指標とポジション調整の実践ガイド(※内部リンク12) が非常に役立ちます。

通貨ペア別の使い分け(ドル円とユーロドルで差が出る)

実際に複数口座でスプレッドを比較して分かったのは、 「ドル円に強い会社」と「ユーロドルに強い会社」はほぼ別物だということです。

  • ドル円:国内大手が最安値を提供する傾向が強い
  • ユーロドル:海外系やECN方式が強い場面が多い

つまり、「全部を1社でやる」のは効率が悪い。 通貨ペアごとに優位口座が違うため、複数口座のスプレッド差は武器であり必須情報なのです。

複数口座の使い分けは“リスク管理”にも直結する

スプレッド差を比較することで、 「この時間帯は狭いスプレッドで入りやすい」 「この会社は荒れた相場に弱いから今は避ける」 といった判断基準が作れるようになります。

スプレッドだけでなく、ロスカットや余力管理のルールも含めて一体で考えたい人は、 1〜2%リスク管理ルール完全ガイド(※内部リンク13) を読むと、口座ごとの“危険な使い方”も避けられるようになります。

TradingViewのアラートで“勝てる瞬間だけ”通知させる

複数口座のスプレッド差をリアルタイムで見られるようになると、次にほしくなるのが「条件を満たした瞬間だけ通知してほしい」という仕組みです。
常にチャートを開き続けるのは現実的ではなく、アラート設計こそが“無理のない勝ち方”の第一歩になります。

結論:スプレッド差が「一定以下になった瞬間」を通知させるだけで、無駄なエントリーは激減する。

スプレッド差アラートを設計する3つの基準

過去のデータから、私は次の3つの条件でアラートを設定しています。 これを基準にするだけで「勝ちやすい瞬間」だけを拾えるようになりました。

  1. スプレッドが“自分の許容値以下”になった瞬間
  2. 他社より明らかに優位になった瞬間
  3. 指標直後の締まりが早い会社だけ通知する

特に「許容スプレッドの下限」は、通貨ペアごとに異なります。
USD/JPYなら0.1〜0.2銭、EUR/USDなら0.3pips前後を許容ラインにする人が多いでしょう。 このラインをTradingViewで条件化し、通知させるだけでエントリー精度が段違いに変わります。

アラートは“欲望の制御”にも直結する

人間はチャートを見ていると、どうしても「入りたい」という気持ちが先に立ちます。 しかし、スプレッド差アラートを設定しておくと、 「条件が整っていないなら入らない」という強制ルールができます。 これにより、感情に流されたエントリーが激減します。

欲望・焦り・恐怖など、トレード判断を曇らせる心理面の理解を深めたい人は、 メンタル管理の完全ガイド(※内部リンク14) を読むと、アラート運用の価値がより明確になります。

“アラートの種類”はシンプルでいい

初心者は「複雑なルールを作らない」ことが大切です。 アラートの種類は次の2つだけで十分です。

  • ① **スプレッドが許容以下になった瞬間の通知**
  • ② **スプレッド差が“他社より有利”になった瞬間の通知**

複雑な条件を作れば作るほど誤作動が増えたり、何を狙っているのか分からなくなります。 まずはこの2つだけに絞り、慣れてきたら複合条件に広げましょう。

指標前後のアラートは別運用がベスト

雇用統計・FOMC・CPIなどでは、ほぼすべての業者でスプレッドが跳ね上がります。 そのため、この時間帯だけは“専用のアラート条件”に切り替えるのがおすすめです。

「どの指標で、どの程度スプレッドが動くのか」を体系的に把握したい人は、 経済指標カレンダーの使い方と注意点まとめ(※内部リンク15) を読んでおくと、アラート調整の精度が一段上がります。

アラート戦略の本質:自分の“勝てる瞬間だけ”を機械化すること

スプレッド差アラートの最も強力な点は、 「勝ちやすいタイミングだけを機械が選んでくれる」という安心感にあります。
人間がチャートを監視し続けるのは不可能ですが、機械は24時間ブレずに条件を見続けてくれます。

この仕組みを理解しておくと、複数口座のスプレッド監視が「難しい作業」ではなく、 “期待値が高い瞬間だけ参戦する自動フィルター”として機能するようになります。

スプレッド特性を理解するとアラート精度が一気に上がる

アラートは「思いつき」で作ると誤作動が増え、逆に機会損失も生みます。 しかし、スプレッドが動く“背景”を理解したうえで条件化すれば、通知の質は劇的に改善します。 ここでは、スプレッド特性を時間帯・通貨ペア・ボラティリティの3軸で整理し、アラートに落とし込む方法を解説します。

結論:アラート精度は「スプレッド特性の理解 × 条件設定のシンプルさ」で決まる。

① 時間帯ごとのスプレッド特性をアラートに反映する

スプレッドは24時間同じではありません。 特に傾向がはっきりしているのが以下の3つの時間帯です。

  • 東京時間:安定しやすいが、早朝は広がりやすい
  • 欧州時間:流動性増+瞬間的な拡大が多い
  • NY時間:指標前後の拡大が極端になる

これをアラートに反映するなら、次のような形が最適です。

  • 東京時間:スプレッドが一定以下の瞬間だけ通知
  • 欧州時間:他社との差分(スプレッド差)が縮まった瞬間
  • NY時間:指標後の締まりが最速の会社のみ通知

特に東京〜欧州の切り替わりは、スプレッドだけでなく市場構造そのものが変化します。 この“地合いの変化”を深く理解したい人は、 世界3市場の特徴とトレード判断の基礎ガイド(※内部リンク16) を読むと、アラート条件がさらに論理的になります。

② 通貨ペアごとの最適アラートラインを設定する

スプレッドの許容値は通貨ペアごとに大きく異なります。 代表的な例は次のとおりです。

通貨ペア一般的な許容ライン
USD/JPY0.1〜0.2銭
EUR/USD0.2〜0.4pips
GBP/JPY1.0〜2.0銭(変動幅が大きいため)

TradingViewのアラート設定では、これらの基準値を通貨ペアごとに固定化するだけで、 「無駄な通知が激減し、本当に入るべきタイミングだけが届く」状態になります。

通貨ペアの特性や値動きの癖を体系立てて理解したい人は、 ドル円の構造と勝ち筋をまとめた戦略ガイド(※内部リンク17) を読んでおくと、アラートの感度調整がしやすくなります。

③ ボラティリティでアラート条件を自動調整する

市場が静かな日はスプレッドが狭くなりやすく、荒れている日はスプレッドが広がりやすい。 つまり、ボラティリティ(変動率)はスプレッドの動きと密接に関係しています。

そのため、私は以下のように条件を可変式にしています。

  • 平均ボラが低い日:スプレッド許容値を厳しめに設定
  • 平均ボラが高い日:許容値を少し広めに設定(過剰通知を防ぐため)

ボラティリティとスプレッドの関係は、 流動性とボラティリティの基礎構造を解説したガイド(※内部リンク18) に詳しくまとめられています。 これを理解していると、「アラートの誤作動」を自分で調整できるようになります。

アラートは“削ぎ落とすほど強くなる”

複雑なアラートほど精度が高いと思われがちですが、実際は逆です。 最も重要なのは次の1点のみです。

「自分が入るべきタイミングだけを通知させる」という目的に徹底的に合わせること。

時間帯・通貨ペア・ボラティリティで条件を最適化すれば、 複数口座×TradingView×APIという武器が、“実際の勝ちに直結するフィルター”へと進化します。

スプレッド差を“見るだけ”で終わらせない──実戦フローに落とし込む

ここまでで、複数口座のスプレッド差を取得し、TradingViewで可視化し、 さらにアラートで有利な瞬間だけを知らせる仕組みを構築しました。 しかし、実際のトレードでは「どう意思決定するか」がもっとも重要です。
本パートでは、私が実際に運用している“勝てるフロー”を、そのまま工程化して紹介します。

結論:スプレッド差を見て→時間帯特性と照合して→最適口座で入るという一連の流れをルーティン化するだけで、期待値は安定する。

STEP1:アラートが鳴ったら、まず「状況」をチェックする

アラートが鳴った瞬間、いきなり飛び乗る人がいますが、それは危険です。 まずは以下の3点を2〜3秒で確認します。

  • ・いまの時間帯は?(東京/欧州/NY)
  • ・直近のローソク足は荒れていないか?
  • ・複数口座のスプレッド差が“安定しているか”?

特に重要なのは最後。 一瞬だけ狭いスプレッドを出して「すぐに広がる会社」は実際に存在します。 TradingViewで複数口座のラインを重ねて見て、数秒〜十数秒の安定を確認するのが鉄則です。

STEP2:優位なスプレッドの会社で即エントリーする

短期トレードでは、スプレッドの差が勝敗を左右します。 スプレッド差が改善した瞬間を捉え、最も有利な会社で入るだけで、 期待値は大きく変わります。

特に短期決済(スキャル〜1〜5分決済)は、 「入った瞬間のスプレッド」が利益の半分以上を決めると言っても過言ではありません。 だからこそ、複数口座のスプレッドを秒単位で見抜ける仕組みには圧倒的な価値があるのです。

STEP3:決済判断もスプレッド差を使うと安定する

意外と知られていませんが、決済側でもスプレッド差は武器になります。 決済する瞬間にスプレッドが狭い会社を使えば、同じトレードでも実質的な損益が変わるためです。

私は「スプレッドが一定以上に広がったら決済する」「逆に、狭まった瞬間に利確する」という “スプレッド連動型の出口戦略”を取り入れたことで、 エントリーの精度だけでなく、出口の安定感も増しました。

STEP4:結果を必ず記録し、翌日からの条件に反映する

スプレッド差の監視は「やりっぱなし」にすると伸びません。 時間帯・指標・通貨ペアごとに傾向が変わるため、 以下のようなデータを最低限メモしておくと、翌日からの精度が跳ね上がります。

  • ・どの会社がどの時間帯に強かったか
  • ・アラートの“誤作動”は何回あったか
  • ・実際のエントリーに役立った通知は何回か

この記録が、アラート設定と口座選択をチューニングする“基礎データ”になります。 私自身、これを続けた結果、 最初は曖昧だった「強い時間帯」が数字ではっきり見えるようになりました。

複数口座運用は“最適化の積み重ね”で伸び続ける

あなたが今日から複数口座×スプレッド差×TradingViewを使えば、 最初は「たくさん確認することがあって大変」と感じるかもしれません。 しかし、仕組み化してしまえば逆で、 常に最も有利な条件で入れる“自動化に近い環境”が手に入ります。

この記事を書いた人

名前:RYO
肩書:ドル円特化のFX戦略アナリスト

ドル円に特化した個人投資家。
10年以上にわたり国内FX市場の値動きを追い続け、
資金管理と再現性のある戦略で生存率を最大化することを研究。

「知識不足で資金を失う人を一人でも減らす」
を使命に、初心者が最短で損失を減らし、堅実に勝ち残るための情報を発信。

過去には勝率だけを追い破綻を経験。
そこから、**“守りを制する者が相場を制する”**という信念へ。
今はリスク管理を中心にしたトレード教育を提供し、
読者の資金を最優先に守ることを最も大切にしている。

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ドル円の需給分析

損切り設計と資金管理

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