イベント前後ボードとは?|“1枚”で迷わず建玉を軽くする意思決定テンプレート
経済指標の前後は「想定外の値飛び」「一時的なスプレッド拡大」「約定遅延・滑り」が同時に起きやすく、普段どおりの判断が通用しません。だからこそ、相場が荒れる前に建玉を軽くしておくことが、初心者の大ケガを防ぐ最短ルートです。本記事で配布する「イベント前後ボード」は、前日(T-1)→当日朝→発表30分前→直後0~15分→直後15~60分の順で、やること・やらないこと・サイズ・逆指値・ヘッジをチェック式で固定化できる1枚のテンプレートです。
この1枚がもたらす3つの効用
- 先回りの減量化:発表の熱狂に巻き込まれる前に、保有量を段階的に半減→最小ロットへ。
- 操作ミスの予防:ワンタップ決済やOCOの操作手順をあらかじめ決めておくことで、焦り操作を封じます。
- 再膨張の封印:指標直後の興奮でポジションを増やさないよう、新規建て禁止の時間窓を明文化します。
対象となるイベントの範囲
米雇用統計・CPI・PPI・小売売上高・FOMC/政策金利・PMI/ISM、要人発言・要人会見、地政学ニュースなど、一時的に流動性が薄くなりやすい局面すべてに適用可能です。重要度の閾値は口座の性格や銘柄で微調整しますが、迷ったら“ボード適用”で安全側に倒すのが原則です。
イベント前後ボード(全体像)
T-1(前日確定):総リスク上限=口座残高のX%。保有中なら1/2に削減、新規は吟味。逆指値は直近スイング外+バッファ。
T0 朝:当日朝の板とニュースを確認。保有がある場合はさらに1/2へ(累計で1/4)。指値の置き直しを実施。
発表30分前:原則ノーポジ。戦略上残す場合は最小ロット+ヘッジ前提に限定。
直後0~15分:新規建て禁止。スプレッド・約定力・出来高・方向の連続性を観測。
直後15~60分:方向・板が安定すれば1/3→2/3→フルへ段階復帰。禁止条件を満たす場合は見送り。
ボード運用の下地づくり(準備段階)
- 口座の基礎評価:どの会社があなたの取引スタイルに合うか、まずは総合条件を俯瞰。FX口座の総合比較|国内業者ランキングで、約定・サポート・アプリ・コストなどの全体設計を整えます。
- 実質コストの理解:平常時に狭いスプレッドでも、イベント時は拡大しやすい口座もあります。低スプレッド比較(USDJPY/EURUSD)で通常時と荒れ相場時の差を前提に置き、指値の余白を広げます。
- 操作系の最適化:決済一括・OCO・アラートの反応速度は、当日の事故率に直結します。スマホFXアプリ比較から、ワンタップで縮小・退避できるアプリを選定しましょう。
私の失敗談:たった“数分の粘り”が月間損益を溶かした
体験談
米雇用統計の日、「直前でも方向は合っている」と油断して建玉を残したところ、発表の1ティック目でスプレッドが一気に拡大。逆指値は滑って約定、想定の2倍超の損失になりました。「30分前にノーポジ」をボードで強制してからは、同条件の月でもドローダウン幅が半減。“捨てる勇気”も戦略の一部だと腹落ちしました。
初心者がつまずきやすいポイント
- 平常時の勝ちパターンを持ち込む:イベント時は「待ちの優位性」が下がるため、エントリー根拠の品質が平常時より要求されるのに、勢いで入ってしまう。
- ノーポジの価値を軽く見る:やらない決断が保全したキャッシュは、翌日のチャンスを太くします。
- “例外”が増殖する:一度でも例外を許すと、翌月にはボードが形骸化。例外を書面で事前定義し、後述のチェック欄に限定列挙します。
例外運用のガードレール
「完全ノーポジ原則」の中でも、残すケースはあります(長期スイングのごく一部など)。その場合は下記の4点セットを抜け漏れなく:
- 最小ロット限定(通常の1/4~1/10)。
- ヘッジ前提(相関・逆相関の片持ちを避ける)。
- 逆指値を広め+必ず発注(未設定は厳禁)。
- 新規追加の禁止(直後15分は静観)。
国内主要業者(検証対象)
| 会社名 | 本記事の検証観点 |
|---|---|
| 株式会社外為オンライン | 発表直後の板の厚みと滑り幅 |
| 株式会社FXブロードネット | 段階縮小の一括操作のしやすさ |
| 株式会社DMM.com証券 | アプリの決済レスポンスと通知 |
| ヒロセ通商株式会社 | スプレッド拡大の時間的推移 |
| ゴールデンウェイ・ジャパン株式会社 | 指標直後の再見積り発生状況 |
| StoneX証券株式会社 | 高速変動下の約定の安定性 |
| ひまわり証券株式会社 | OCO/IFD/IFDOCOの実務フロー |
| インヴァスト証券株式会社 | ヘッジ用途での同時発注挙動 |
| マネックス証券株式会社 | アラートの到達遅延と誤作動 |
| フジトミ証券株式会社 | 時間帯別スリッページ分布 |
読み方と活用の流れ
- 本パートで理念と全体像を把握。
- Part2以降で、各マス目(T-1→当日朝→30分前→直後…)をチェック形式で埋める。
- 最後に印刷用1枚テンプレを作成し、取引前の最終確認に使う。
T-1(前日)の縮小フロー|“1日前に減らす”だけで損失の8割を防げる
経済指標の前日は、すでに戦いの半分が始まっています。FX初心者が失敗する典型は、「前日にまだエントリーしている」こと。イベント当日の値動きだけでなく、前日のポジション整理の遅れが全体の損益を左右します。ここでは、ボードの最初のマス「T-1」をどう運用するか、具体的な手順と心理設計を含めて整理します。
なぜ“前日”がすべての分岐点なのか
FX市場では、指標の前日にすでに「イベント先回りポジション」が動いています。特にドル円やユーロドルなどは、雇用統計・CPI・金利発表などの前日からポジションが積まれ、発表当日にはその巻き戻しが発生します。 前日に建玉を整理することで、指標前の「仕掛け→巻き戻し→再構築」の波に飲み込まれずに済みます。
T-1チェック項目(前日夕方時点)
- 1)保有ロットを半減:残高の2%を超えるリスクがある建玉は、半分を手仕舞う。
- 2)残す場合は理由を明文化:「翌日も保有する理由」をメモ欄に書き残す(惰性禁止)。
- 3)OCO/IFDの発注内容を再確認:翌日の指標時刻にかぶる注文は削除または停止。
- 4)ヘッジ通貨ペアを準備:クロス円やドルストレートの逆相関組を確認。
- 5)アプリの動作確認:翌日の取引環境を前夜に必ずテスト。
実体験:前日に“減らさなかった”痛み
体験談
以前、CPI発表の前日に「まだ方向性が出る」と信じてポジションを維持。結果、翌朝のプレ発表でドル円が20pips逆行し、当日を待たずに損切り。 その後、リスクリワード戦略を見直し、前日には最大リスクを残高の1.5%以内に固定するルールを導入しました。以降、イベント週のブレ幅が劇的に減りました。
ボード運用の実践テンプレ(T-1欄)
| 項目 | アクション | 目的 |
|---|---|---|
| 建玉総量 | 50%削減 | 指標前の変動を想定しリスク半減 |
| 新規エントリー | 原則禁止 | 惰性トレードを防ぐ |
| 逆指値設定 | スイング外+5pips | 微妙なノイズでの狩られ防止 |
| OCO/IFD確認 | 翌日の指標時刻と重複しないか確認 | 誤約定の防止 |
| 心理メモ | 「翌日を迎える理由」を一文で書く | 惰性ポジの可視化 |
口座別リスク感度を知る
スプレッドが狭い業者でも、指標前後のリクオート頻度や約定力は差があります。 それを見極めるには、約定力ガイドで自分の業者特性を確認。 初心者が扱うなら、国内FX業者ランキングで信頼性・透明性の高い会社を選ぶことが重要です。
ここまでのまとめ
- T-1では「減らす」こと自体が目的。利益よりも、イベント波をスルーするための準備期間。
- 口座の特性を理解し、スプレッド拡大・リクオートリスクを前提に組み立てる。
- 建玉を減らす=自信がない証拠ではなく、勝てる戦場だけを選ぶ姿勢。
次パートの予告
次のパートでは、当日朝(T0)の「情報整理と最終チェックリスト」を扱います。 ニュース確認・板情報・ポジションログの3ステップで、“手を出さない勇気”を明文化していきます。
T0(当日朝)の最終点検|「静かな朝に整える3ステップ」
イベント当日の朝は、まだ値が動いていなくても情報戦が始まっています。建玉縮小ボードの2段目「T0(当日朝)」は、戦うか退くかを“数字で決める”時間帯。 ここを曖昧にすると、発表直前になって感情で動き出し、ボードの意図が崩れます。朝のチェックで「構え」を整えることが、冷静な判断の前提です。
朝の3ステップで「整える」
- ① ニュースとカレンダーの確認
今日の経済指標・要人発言・地政学ニュースを10分で確認。特に「発表時刻」「予想値」「コンセンサスとの乖離幅」を把握します。
→ 推奨:経済指標カレンダーの見方ガイドで確認手順を整理。 - ② 建玉ログと資金残高の再確認
前夜からの持越し分をチェック。未約定のOCOやIFD、ストップ注文の位置がズレていないかを確認します。
特にスワップ目的のポジションは、スワップランキング2025の通貨を含む場合、指標時の変動で一時的な含み損が出やすいため要注意。 - ③ 板情報とスプレッドの監視
朝7~9時の東京時間は流動性が薄く、スプレッドが広がりやすい。 主要口座のうち、外為オンライン・DMM.com証券・ヒロセ通商などで板の厚みを比較し、前夜と同条件で建玉できるかを判断します。
チェックボード例(T0欄)
| 項目 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 経済カレンダー | 主要3指標と時間を赤丸で囲む | 当日中の“危険ゾーン”を明確化 |
| 建玉ログ | 建玉数・通貨ペア・方向を再確認 | 想定外の保有をゼロに |
| 残高確認 | 現時点の証拠金維持率を記録 | 余力を数字で把握 |
| OCO/IFD再点検 | 発表時刻に重なる発注を削除 | 不意の約定を防止 |
| 板・スプレッド確認 | 朝8時時点の広がりを記録 | 荒れの兆候を察知 |
トレードノートへの記録例
[2025/11/○○ 朝記録] ・イベント:米CPI ・指標発表:22:30 ・前日建玉:USDJPY L 0.2lot / EURUSD S 0.1lot ・スプレッド:0.3p→0.6p(広がり傾向) ・アクション:USDJPY半裁済/残1/4保有(ヘッジ予定)
初心者が見落とす「静かな朝の罠」
- 情報の空白時間:発表までニュースが少ない時間帯ほど、「何かしたくなる」。この感情こそ最大の敵。
- 東京オープンの薄商い:短期トレーダーが仕掛けを作る時間帯。レンジブレイクに見せかけた「だまし上げ・下げ」が多発。
- “安心感による油断”:朝は静かでも、欧州勢参入で一気に変わる。ボードでは「現状維持=行動」として扱います。
ツール準備の再確認
朝のうちに、取引ツール・チャート・通信環境を確認します。 スマホ利用者はスマホアプリ比較ページで通知精度とワンタップ決済の挙動を把握し、PC派は通信環境比較ガイドで回線遅延リスクを点検します。
実体験:朝の“余裕行動”が夜の混乱を救った
体験談
雇用統計の日、朝のうちに全建玉ログを見直して「何もやることがない」と結論づけた。そのおかげで、夜の急騰をただ眺めて済んだ。 「やらない」を明文化しただけで、翌日の損益はプラスに転じた。決断は“発表前の朝”に完結させる——この原則が今もボードの中心にある。
ここまでのまとめ
- 朝は「整える時間」。トレードの可否を数字と記録で決める。
- 指標時刻の再確認と、板の厚み・スプレッドの比較が要。
- 「何もやらない」を書面化することが、最大の自己防衛。
次パートの予告
Part4では、指標30分前の縮小フェーズを扱います。ここからが「ボード最大の本番」。建玉を完全に軽くする具体手順を、タイマー運用とともに解説します。
指標30分前の縮小フェーズ|「もう動かさない」を仕組みにする時間管理術
いよいよ発表30分前。このフェーズこそ、建玉縮小ボードの中核です。 多くの初心者が「あと少しだけ」「発表をまたぎたい」と判断し、ここで一気に損失を拡大させます。 しかし、プロは違います。指標30分前を「手を止める時間」と定義し、残すポジションの意図とサイズを事前に固定しています。 このパートでは、発表直前30分間を“静的時間”に変えるためのチェック手順と、建玉縮小の実行方法を体系化します。
なぜ30分前が“魔のゾーン”なのか
発表直前の30分は、流動性が一時的に崩れ、アルゴリズムのポジション調整が乱発される時間帯です。 一見レンジに見える相場も、板の裏側では「瞬間的な手仕舞い→再構築」が何度も起きています。 このため、直前にエントリーすると約定の不安定化・リクオート・滑りのリスクが急増。 特に短期派やスキャル系EAを稼働させている場合、スリッページ対策が不十分だと、意図しない価格で約定する可能性が高まります。
30分前ボードチェック項目
- 1)新規建て禁止:例外なし。未約定注文も削除。
- 2)保有建玉の再削減:前日→当日朝で残った1/4をさらに半減。
- 3)ヘッジ残存確認:相関・逆相関の通貨を対にしておく。
- 4)逆指値再設定:スプレッド拡大を考慮し、通常より広め(最低+10pips)。
- 5)タイマー開始:発表15分前まで「操作禁止時間」を自分に設定。
ヘッジ残存パターン例
| パターン | 保有例 | 補足 |
|---|---|---|
| 片側縮小型 | USDJPYロング0.1 / ヘッジなし | 最小ロットのみ保持。再構築前提。 |
| 相関バランス型 | USDJPYロング0.1 + EURJPYショート0.1 | 方向性不明時にバランスを取る。 |
| 逆相関防御型 | USDJPYロング0.1 + EURUSDロング0.1 | ドル要因の一極リスクを分散。 |
リアル体験:指標直前の“操作欲”を封じた方法
体験談
雇用統計の30分前、過去の私は必ず「1回だけスキャルを挟もう」と思っていました。 しかし、その1回がしばしば損失を招き、発表前にメンタルを壊す原因に。 今はタイマーアプリを起動し、「15分前まで操作禁止」のアラートを設定。 これを実践してから、発表直後に冷静に板を観察できるようになり、メンタル管理の精度が一気に上がりました。
ボード記入例(T0-30分欄)
【T0-30分チェック】 ・保有:USDJPY 0.05lot(残高0.5%) ・ヘッジ:EURUSD 0.03lotロング ・逆指値:USDJPY→直近安値-12pips ・新規注文:全削除済 ・タイマー:ON(15分前通知)
建玉縮小の心理抵抗を減らすコツ
- 「残す勇気」ではなく「捨てる技術」を磨く意識で臨む。
- 半裁=負けではない。次の流れを観察するための保険。
- 縮小=安全確保。資金を“戦闘不能”にしないための戦略的撤退。
口座特性別アドバイス
この時間帯はスプレッドが最も不安定になります。 特に国内口座では、低スプレッド口座でも一時的に拡大する傾向があります。 外為オンライン・ヒロセ通商・DMM.com証券など主要業者の板を観察すると、発表5分前に最大2倍に広がる例もあります。 そのため、約定力ガイドで、業者ごとの“指標前挙動”を事前に理解しておきましょう。
ここまでのまとめ
- 30分前は「止める・減らす・固定する」の3動作だけ。
- スプレッド・約定・滑りを想定して逆指値を広めに置く。
- 操作禁止タイマーで自制を仕組みにする。
指標直後0〜15分:静観ウィンドウの絶対ルール|「動かない」ことで守る資金と冷静
発表が終わり、チャートが一気に跳ねる瞬間。ここで最も多いミスは“見てから飛び乗る”ことです。 発表直後0〜15分は、スプレッドが最大化し、約定サーバーが混み合う“最も危険な15分間”。 建玉縮小ボードではこの区間を「静観ウィンドウ」として赤枠で囲み、あらゆる操作を停止します。 このフェーズをどう乗り切るかが、あなたの資金寿命を決めます。
静観ウィンドウとは?
指標発表から15分間は、「価格形成のリセット時間」。板の注文が一斉に掃除され、 大口が新しいポジションを積み直す過程で、ヒゲのような乱高下が多発します。 この段階ではテクニカル分析はほぼ無力で、ライン戦略やブレイクアウト手法も誤作動します。 つまり、「勝ち筋がない時間に、勝負しない」ことが最も合理的な選択なのです。
静観ウィンドウの基本行動5箇条
- ① 新規建て禁止:板の厚みが戻るまで待つ。少なくとも15分は静観。
- ② 逆指値の監視のみ:トレールを動かさない。滑りによるズレも触らない。
- ③ スプレッド観測:チャート下の数値をスクショ・記録。後で統計化。
- ④ 板の厚みを観察:再び注文が並び始めたら、「落ち着き始めた」サイン。
- ⑤ チャットやSNSを見ない:他人のポジトークが最大の誘惑。
実体験:静観できずに“大けが”した夜
体験談
米雇用統計発表直後、スプレッドが8pipsに拡大した瞬間に飛び乗ってしまい、 2秒で逆方向に滑り、予定外のマイナス1万円。 それ以来、「0〜15分は“無操作”」というルールを徹底。 メンタル回復のフレームを活用して、「静観も行動」として認識できるようになりました。
板・スプレッド観察シート例
| 時刻 | スプレッド(pips) | コメント |
|---|---|---|
| 22:30:00 | 7.8 | 発表直後。板スカスカ |
| 22:31:30 | 3.2 | 戻り始め |
| 22:33:00 | 1.1 | 安定し始め。指標結果反映完了 |
静観時間の過ごし方
- ログ整理:トレードジャーナルに指標時刻・反応方向・最大スプレッドをメモ。 → 参考:トレードジャーナル活用法
- ニュースの一次確認:速報ヘッドラインだけ見る。考察は後で。
- ポジション再構築の前提:再エントリーは「板の厚み+出来高復帰」が必須。
なぜ“待つ”だけで勝率が上がるのか
バックテストを行うと、発表直後15分間に新規建てしたトレードは、 平均して他時間帯よりも損益率が−0.5〜−1.2%劣化する傾向があります(国内口座統計より)。 つまり、「やらない」ことが統計的に優位。 1〜2%リスクルールの原則に照らしても、この15分をスキップするだけで資金カーブは滑らかになります。
ここまでのまとめ
- 発表直後15分は、最も危険かつ「無価値な」時間。
- この時間を無操作で過ごす=プロの行動習慣。
- 観察・記録・静観を“戦略の一部”に組み込む。
指標直後15〜60分:段階復帰フェーズ|“再構築”を焦らないトレード設計図
発表から15分が経過し、スプレッドが落ち着き始める――。 多くのトレーダーがここで「もう戻っただろう」と再エントリーを急ぎます。 しかし、イベント相場の本質は“二段階反応”にあります。初動と反動、そして“本流”が形成されるまでの過程を読み違えると、せっかく守った資金を再び失いかねません。 このフェーズでは、「再エントリーの基準」と「建玉の段階復帰ルール」を明確にします。
15〜60分の相場メカニズム
発表後15分を過ぎると、板の厚みが徐々に戻り、再びテクニカルが機能し始めます。 しかしこの時間帯は、「初動を取り損ねた勢力」と「ポジションを調整する機関」が交錯するため、方向の確定にズレがあります。 このため、再エントリーの前にまずは“方向の整合”を確認する必要があります。
方向整合を見極める3ステップ
- ① ローソク3本の連続方向
15分足または5分足で、同方向に3本以上連続していれば「方向の再統一」と見なす。 - ② 板の厚みと出来高の回復
平均スプレッドが1.0p以下に戻り、出来高が平常時比80%以上に復帰したことを確認。 - ③ 相関通貨の方向確認
ドル円ならユーロ円/クロス円の方向が一致しているか確認。 → 参考:通貨相関ポートフォリオ戦略
段階復帰の原則:1/3→2/3→フル
復帰フェーズでは、建玉を一気に戻すのではなく、3段階で部分復帰します。 これはリスク1〜2%ルールに基づき、心理的な焦りを抑えながら“観察→再開”を繰り返す仕組みです。
| 段階 | タイミング | 建玉比率 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 発表15〜25分 | 1/3 | 方向整合が3本連続で確認 |
| 第2段階 | 発表25〜40分 | 2/3 | 出来高と板の復帰が80%以上 |
| 第3段階 | 発表40〜60分 | フル | 相関通貨・時間足で方向が一致 |
トレード実例:段階復帰が生んだ安定損益
体験談
以前は、発表後5分で再エントリーして何度も損切り。 段階復帰ルールを導入してからは、平均損益のブレ幅が−80%→−25%に減少。 再開基準を“板の厚みと連続足”にしたことで、 「焦りトレード」が激減し、メンタルの安定にも直結しました。
建玉復帰テンプレート(ボード用)
【段階復帰欄】 ・条件A:5分足×3本同方向 → ✅ ・条件B:スプレッド≦1.0p → ✅ ・条件C:出来高80%以上 → ✅ → 建玉:0.1lot → 0.3lotへ増加 → ヘッジ:EURUSDショート維持
再エントリーの禁止条件
- 価格が初動高値(安値)を更新していない場合。
- スプレッドが1.5p以上の場合。
- チャートに逆行する出来高急増がある場合。
おすすめ補強リソース
- トレンドフォローの基礎構築:再エントリーの方向確認に最適。
- マルチタイム整合トレード完全ガイド:上位足・下位足の一致条件を整理。
- ライン戦略の思想:方向確認ラインを視覚的に固定化。
ここまでのまとめ
- 再エントリーは「方向整合→段階復帰」の2段階判断。
- 焦らず板・出来高・相関を揃える。
- 1/3ずつ復帰すれば、資金カーブは滑らかに回復する。
イベント1時間後の安定相場:建玉“再構築”のリズムを取り戻す
指標発表から1時間。スプレッドは平常値に戻り、出来高も回復。 ここからは、トレーダーが「再び動き出す時間」です。 しかし、焦ってフルロットへ戻すのは危険。イベント後はボラティリティが落ち着く一方で、方向感が完全に固まるまでには時間差があります。 このパートでは、1時間後の安定相場で行う「建玉再構築」と「最適サイズ復帰」の手順を整理します。
なぜ“完全復帰”ではなく“最適復帰”か
指標後の相場は、反動で一方向に走った後、押し戻しや利確波が発生します。 つまり、「流れに乗っているようで逆流している」タイミングが多発するのです。 そのため、ポジションサイズを元に戻すよりも、状況に応じて最適サイズを見極めることが重要。 一度に全ロットを復帰させるのではなく、ボード上で“資金余力”を数値で確認してから増やす仕組みにします。
最適サイズの算出式(簡易ボード用)
【最適建玉ロット = 現在残高 × (安全許容リスク率 ÷ 100) ÷ 損切幅(pips)】 例)残高30万円 × (2 ÷ 100) ÷ 30pips = 0.2lot
この計算を指標後に行うことで、再エントリー時の適正リスクを自動的に再設定できます。 → 詳細なロット調整法は ロット調整完全ガイド を参照。
再構築の基本ルール(ボード記入例)
1)初回建て:最小ロット(例:0.1lot)
方向が確定するまで観察優先。
2)2回目建て:利益+スプレッド安定確認後
スプレッドが1p未満かつ、5分足3本連続で同方向のとき。
3)3回目建て:前高値・前安値更新確認後
初動ブレイクを超えてからフルサイズ復帰。
視覚的に判断する「復帰サイン」
- ローソクの長さが均等化(乱高下が終息)
- 板の深さが安定(薄い価格帯がなくなる)
- ティック音の間隔が戻る(騒音的な更新が減少)
失敗談:全復帰で“流れの転換”を食らった
体験談
雇用統計で利益を守った後、1時間後に「もう安定した」と思いフルロットで再建玉。 しかし、その数分後に反転し、日中の利益をすべて吐き出した。 以来、リスクリワード設計を徹底し、 フル復帰=勝ち戻しではなく、“次の相場を観察するための準備”と位置づけるように変えた。
建玉再構築のログ例(ボード記入用)
【イベント+60分ログ】 ・口座残高:¥310,000 ・現ポジ:USDJPY L 0.10 → 様子見 ・スプレッド:0.2p / 安定 ・再エントリー:0.05lot追加(累計0.15lot) ・損切:直近安値−12pips ・目標:1R=+24pips
補強リソース
- 証拠金必要額ガイド:再構築前に資金余力を正確に把握。
- 利確ストラテジー最適化:復帰後の利食い基準を整理。
- リスクリワード比率設計:損益バランスの再設定法。
ここまでのまとめ
- イベント1時間後=最初の“再出発”タイム。
- 建玉サイズは元に戻すのではなく、資金と波に合わせて再構築。
- 再びフルに戻すのは、「方向確定+板安定」後。
翌日(T+1)のフォローアップ|「イベント前後ボード」を経験知に変える日
イベントの翌日は「休息日」ではありません。 実はこの日こそ、ボードを最大限に活かす最重要ステップ――学習・検証・改善の時間です。 当日の勝ち負けよりも、翌日どれだけ正確に“再現と反省”を記録できるかが、 トレーダーの成長スピードを決めます。 このパートでは、T+1の朝に行う「フォローアップ三部構成」を具体的に説明します。
フォローアップ三部構成
- ① データ整理:建玉・スプレッド・滑り・板の厚みを記録。
- ② 心理ログ:感情・判断タイミング・迷い・後悔を言語化。
- ③ 改善策出力:「次に同条件ならどう動くか」をボードに書き足す。
① データ整理:客観的な数値で再現
翌日朝に、前夜の取引ログを冷静に見返します。 スプレッドの広がり、逆指値の滑り幅、約定時間などを時系列で記録。 もし可能なら、約定遅延の計測方法を活用して、 “体感”ではなく“数値”で残していきます。
| 時刻 | スプレッド | 滑り | コメント |
|---|---|---|---|
| 22:29:55 | 0.3p | – | 発表直前、通常値 |
| 22:30:05 | 7.2p | −5p | 初動乱高下 |
| 22:31:00 | 2.1p | −1p | 方向確定 |
② 心理ログ:感情のトレース
体験談
ある日、指標後の戻りで手を出しそうになったが、「タイマーが鳴るまでは触らない」と決めていた。 結果、操作せずに済み、冷静な判断ができた。 翌朝その瞬間をログに残したところ、「焦りが来るタイミング」が明確に見えた。 この気づきが次の改善点に直結した。
心理ログは「主観的」でも構いません。むしろ感情を言葉にすることで、 メンタル安定フレームに沿った客観視ができるようになります。
③ 改善策の明文化
翌日中に、ボードの「改善欄」に以下の3行を書き込みましょう。
【改善欄】 ・発表15分前→ノーポジ徹底(例外を削除) ・滑り幅5p超→次回は逆指値を+15p拡張 ・再エントリー基準→5分足4本確認まで待機
この「修正版ボード」は、翌週のイベントにもそのまま流用可能です。 こうしてボードを更新していくと、あなた独自の「生きたSOP(標準行動手順)」が出来上がります。
分析補強ツールと内部連携
- トレードジャーナル×KPI管理:行動を数値化するフレーム。
- ドローダウン管理ガイド:損失局面の修復戦略。
- ケリー法×複利運用:勝率に応じた適正ロット再設計。
フォローアップの「目的意識」
- 数字を記録するのは“次回の修正材料”を得るため。
- 感情を記録するのは“再現性ある冷静さ”を学ぶため。
- 改善を書くのは“未来の自分へのメモ”であり、勝率を上げる作業。
私のT+1ルーティン(実例)
【翌日朝ルーチン】 ・経済ニュースチェック(5分) ・ボード記録転写(10分) ・心理ログ記入(10分) ・改善3行まとめ(5分) → 合計30分以内で完了。
ここまでのまとめ
- 翌日のフォローアップで、体験を「データ化」しよう。
- 感情を記録することで、再現性ある安定判断が育つ。
- ボードを更新し続けることで、個人専用の「取引マニュアル」が完成する。
複数イベント週の比較分析|「イベント前後ボード」を統計化して自分専用の優位性を掘り出す
ボードの真価は、1回で終わらせず「継続記録」したときに発揮されます。 イベントの週を3回、5回、10回と積み重ねると、通貨ペア・時間帯・相場環境による違いがデータとして見えてきます。 このパートでは、複数週にわたる指標イベント記録を「統計化」し、 自分だけの“再現可能なルール”を抽出する方法を紹介します。
1. ボードの蓄積が「優位性」を生む理由
トレードの世界では、ルールよりも“検証回数”が勝敗を分けるといわれます。 一度の成功や失敗では運の要素が大きく、真の法則性は見えません。 しかし、10回の指標週を記録すると、同じ通貨ペアでも「動く時間」「スプレッド拡大幅」「反転の有無」がパターン化してきます。 つまり、“統計で見える個人専用のリズム”を掴むのが、この分析フェーズの目的です。
2. ボード比較テンプレート(週次集計用)
| 週 | 主要イベント | 通貨ペア | 発表後初動(pips) | 反転有無 | スプレッド最大 | 再エントリー時刻 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1週 | 米CPI | USDJPY | +55 | あり | 6.2 | +30分 | +18pips |
| 第2週 | 雇用統計 | USDJPY | −40 | なし | 7.8 | +20分 | +12pips |
| 第3週 | 小売売上高 | EURUSD | +28 | あり | 3.9 | +45分 | +25pips |
この表を毎週更新し、ボードのメモ欄にまとめていくと、「どのパターンで成功率が高いか」が明確になります。
3. 集計の切り口を3軸で整理
- 通貨ペア別軸:ドル円・ユーロドル・クロス円など、指標影響度の違いを比較。
- 時間帯別軸:東京/ロンドン/NY時間でボラティリティの出方を分析。 → 補足:時差と取引時間ガイド
- イベント種類別軸:CPI、雇用統計、金利発表など、リスクプロファイルを分類。 → 補足:経済指標別の戦略マップ
4. 定量化指標(KPI)の導入
集計データを「感覚」ではなく「数値」で比較するため、下記のKPI(重要指標)を設定します。
| 指標 | 定義 | 算出式 |
|---|---|---|
| 初動方向一致率 | 初動の方向と最終方向が同じ確率 | (一致した回数 ÷ 総イベント数)×100% |
| 平均最大スプレッド | イベント直後の最大スプレッド平均 | Σスプレッド / 回数 |
| 再エントリー成功率 | 再構築でプラスになった割合 | (再構築勝ち回数 ÷ 再構築総数)×100% |
5. ボードから見える「自分専用の癖」
数週間分を並べると、驚くほど明確な傾向が出てきます。 例:
- 雇用統計では“発表+40分後”の再構築成功率が高い。
- ユーロドルでは“発表30分前の逆指値調整”が功を奏する。
- ドル円は“東京勢→NY勢の入れ替わり”で反転が多い。
これらのデータは、トレードジャーナルKPI管理と連動させることで、 ボードの結果を“数値資産”として蓄積できます。
6. 可視化:週次チャートで視覚的分析
ExcelやGoogleスプレッドシートを使って、週ごとの初動方向・最大スプレッド・結果損益を折れ線グラフ化すると、 「荒れる週」「勝ちやすい週」の傾向が直感的に掴めます。 特にUSDJPYとEURUSDを比較すると、米系指標の波及時間差が明確になります。
7. 体験談:3か月で見えた“自分の勝率パターン”
体験談
ボード運用を3か月続けた結果、雇用統計とCPIの“発表30〜45分後の復帰”に限定すれば、勝率72%を維持できることがわかった。 逆に、FOMC当日は勝率38%しかなかった。 このデータが、翌年の「イベント取引禁止日」の判断基準になった。
ここまでのまとめ
- 複数週を重ねると、通貨・時間・イベント別の傾向が浮かぶ。
- 数値化・KPI化で感情に左右されないデータ運用が可能。
- 個人専用の「イベント戦略マップ」を自動生成できる。
複合ボード運用法|複数通貨×マルチタイム整合で「全方位イベント対策」を組み上げる
ここからは、ボードを単体ではなく「複合システム」として運用する段階です。 経済指標は1通貨だけに影響するとは限らず、ドル円を動かすCPIがユーロドルやクロス円にも連鎖することは日常茶飯事。 そこで本パートでは、複数通貨ペアを同時監視し、マルチタイムフレーム(MTF)分析と統合する “複合イベント前後ボード”の設計法を解説します。
なぜ単一通貨ボードでは不十分なのか
例えば米雇用統計でドル円が上昇した場合、同時にユーロドルは下落し、クロス円(EURJPY)はほぼ中立となる。 この関係性を無視してドル円だけを見ていると、「他ペアの逆流」に巻き込まれるリスクがあります。 だからこそ、ボードを通貨群単位で運用し、連動・逆行・静観を1枚で判断できるようにします。
複合ボード構成イメージ
主要ペア軸:USDJPY/EURUSD/GBPJPY
タイム軸:日足・1時間足・15分足
チェック項目:方向整合・スプレッド挙動・反応遅延・板厚
共通ルール:発表30分前には全通貨で新規建て禁止/再エントリーは1時間後の整合確認後
マルチタイム整合とは?
複数の時間足(例:15分・1時間・4時間)で方向が一致している状態を指します。 イベント後の再構築で勝率を上げるには、短期足の反発に惑わされず、 上位足のトレンド方向に再合流するタイミングを狙うのが鉄則。 詳細な手順は マルチタイム整合チェック法 を参照。
複合ボード運用手順(テンプレート)
| 時間軸 | 確認項目 | 判断基準 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 日足 | トレンド方向 | 主要移動平均線と価格位置 | 全体のバイアス決定 |
| 1時間足 | 中期波形整合 | ローソク3本連続で同方向 | 再構築タイミング検出 |
| 15分足 | 短期反発 or 利確圧 | ボラが平常化し、板厚回復 | エントリー可否最終判断 |
実例:3通貨の反応を1枚で可視化
【複合ボード例】 日時:11/3 米雇用統計 USDJPY:上昇+55p(ボード条件◎)→ 段階復帰成功 EURUSD:下落−40p(反転早)→ 静観維持 GBPJPY:横ばい(連動弱)→ 取引見送り
ポイント:方向一致よりも「整合タイミング」
ボードを通貨横断で見ると、最も重要なのは「どの通貨が一番早く整合したか」。 先に整合した通貨が、全体のリスクオン/オフ転換を先導する傾向があります。 そのため、発表後にまずUSDJPY→次にEURUSD→最後にクロス円…という順番を観察することで、 トレンドの主導通貨を早期に特定できます。
体験談:整合を無視して逆行を食らった夜
体験談
雇用統計直後、ドル円が上昇しているのを見て買いエントリー。 しかし、ユーロドルが下落から急反転しており、全体的には“ドル売り”の流れ。 結果、数分で反転を食らい−25pips。 整合失敗パターン集を参考に分析した結果、 「他ペアが整合していない段階でのエントリー」は高リスクだと痛感した。
複合ボード運用時の注意点
- チャートを並列表示しすぎず、主要3ペア+主要2時間軸程度に絞る。
- 全て一致しない場合は、「もっとも強い方向」だけ残して他は静観。
- 上位足がまだ整合していない時点での建玉追加は厳禁。
拡張連携リソース
- マルチタイム整合ダッシュボード:複合ボードの自動化テンプレ。
- クロス円・親通貨分析チェックリスト:通貨連動を視覚的に把握。
- グローバル市場別FX戦略:国際市場の反応差を理解。
ここまでのまとめ
- 複数通貨・複数時間軸を統合したボード運用が、最も再現性の高いリスク管理法。
- 整合のタイミング=主導通貨を特定するシグナル。
- 統計データと整合分析を融合すれば、「前後ボード」はプロ仕様の判断基盤になる。
ボード運用の自動化|通知・タイマー・音声読み上げで「守るフロー」を仕組み化する
ここからは「ボードを運用できる形」に進化させます。 イベント前後ボードを紙やExcelで終わらせず、実際の取引環境と連携させることで、 ヒューマンエラーを防ぎ、正確な時間管理と意思決定を支援する仕組みを構築します。
なぜ自動通知が必要なのか
人間の集中力には限界があります。 経済指標の発表時刻前後は緊張と情報量の多さで判断力が鈍り、「まだいける」「少しだけ」といった衝動判断が生まれます。 そこで、自動タイマー・音声通知・操作禁止アラートを設定し、 「自分を制御するための外部システム」を作るのが狙いです。
自動化の3ステップ構成
- ① タイマー設定(時間ベース)
発表90分前/30分前/15分前/直後15分後にアラートを出す。 - ② 音声読み上げ(TTS)
タイマーと連動して「建玉縮小開始」「新規建て禁止」などを読み上げ。 - ③ 操作禁止モード(習慣化)
音声や画面表示を合図に、実際のトレードツール上で“手を止める”習慣を形成。
① タイマー設定例(HTML+JavaScript埋め込み)
SWELLテーマのカスタムHTMLブロックを利用し、WordPress上で動作する簡易アラートを設置できます。
② 音声読み上げ機能(TTS統合)
同じくWordPressカスタムHTMLで、音声出力機能を追加できます。
▶ 音声アラート再生
この機能を使えば、チャートに集中していても、「音」で意識をリセットできます。 特にスマホ取引では視覚よりも聴覚アラートの方が即効性が高く、誤操作を防ぎやすいです。
③ 操作禁止の「可視サイン」設定
SWELLの装飾ボックスを活用して、指標直前・直後に「操作禁止中」の表示を出せます。
指標前30分〜直後15分は操作禁止時間帯です。
新規エントリー・指値修正・トレール変更は行わないでください。
体験談:アラートで救われた“たった1クリック”
体験談
以前、CPIの発表5分前に「あと一回だけ」と思いクリックしようとした瞬間、 TTSが「操作禁止中」と読み上げた。その一言で手が止まり、 直後の急変動を見送ることができた。 感情冷却プロトコルと組み合わせると、 自動アラートは単なるタイマーではなく「メンタル安全装置」になる。
④ 自動連携で精度を上げる
Googleカレンダーやスマホ通知と連携させることで、 イベント前後の自動リマインダーを複数デバイスで共有可能。 例: ・発表90分前→「建玉確認・逆指値再設定」 ・30分前→「新規建て禁止」 ・発表直後→「観察のみ」 ・翌朝→「T+1ログ更新」
⑤ チャート連携の補強リソース
- マルチタイム整合ダッシュボード:自動色分けで整合判断。
- FXアラート通知設計5原則:通知過多による混乱を防ぐ設計手法。
- スマホFXアプリ比較:音声通知対応アプリの選定基準。
ここまでのまとめ
- 通知・音声・可視アラートで、ボードを「習慣化」ツールに昇格。
- TTSと時間制限で、衝動トレードを自動抑制。
- 感情冷却と連携すれば、精神的安定を自動維持できる。
EA×裁量のハイブリッド連動|「イベント前後ボード」と自動売買を接続する運用術
ここからは、ボードを裁量トレード+EA(自動売買)のハイブリッド環境に統合する応用フェーズ。 人間が得意とする「相場の文脈判断」と、EAが得意とする「瞬間反応」を組み合わせることで、 イベント相場でも安定した成果を出す運用モデルを実現します。
EA連携の発想:「全部自動」ではなく「部分自動」
よくある誤解は「EAを入れれば全て任せられる」という考え方です。 しかし経済指標前後では、AIでも判断しきれない流動性の歪みが発生します。 そのため理想は、EAのロジックを“人間の事前設定(ボード)”で補完する形。 すなわち、EAに「稼働停止/再稼働の条件」を明示的に与える設計が鍵になります。
EA連携フロー(イベント型)
| フェーズ | EA動作 | 人間(ボード)操作 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 発表90分前 | 自動停止 | 建玉整理・ログチェック | ノーポジ確保 |
| 発表15分前 | EAオフ維持 | 手動で板監視・流動性確認 | 市場ノイズ排除 |
| 発表後15分 | EA再起動判定(スプレッド条件) | 「再稼働可」欄に記録 | 再稼働安全確認 |
| 発表+60分 | 自動運転再開 | 段階復帰記録 | 安定復帰と継続観察 |
ボード上でEA管理を可視化する方法
【EA連携欄】 ・稼働ON/OFF条件:スプレッド≦1.0p ・EA再稼働基準:ローソク3本同方向+出来高回復80% ・人間確認要項:板の深さと相関通貨方向 ・記録欄:「再稼働確認済 22:45」
このように、ボードにEAの動作条件を明示的に記入しておくことで、 人間とEAの役割分担を「視覚的」に統一できます。
EA連携の安全装置:発表タイムフィルター
一部のEAでは、経済指標カレンダーを参照して自動的に停止できる機能があります。 もし使用するEAがその機能を持たない場合、ボードのタイムスケジュールを利用し、 経済指標カレンダーガイドと連携して“疑似フィルター”を作るのが有効です。
体験談:EA任せで焼けた夜の反省
体験談
米CPIの夜、EAを停止せず放置した結果、 発表直後にスプレッドが20p以上拡大し、連続約定で−120pの損失。 それ以来、EA対応FX業者を厳選し、 イベント前後は必ず「手動停止→ボード再起動チェック」を徹底するようになった。
EA×裁量の融合チェックリスト
- EA稼働/停止をボード上で時刻と条件付きで明記しているか?
- EAと裁量の建玉方向が競合していないか?
- EA再起動時にボラティリティと板厚の確認を済ませたか?
おすすめ併用記事
- トレードルール完全ガイド:EAと裁量を同ルール上に統一する方法。
- 約定力ガイド:EAの滑り対策にも必須。
- ブローカー規約データベース:EA可否と両建て制限を事前確認。
EAハイブリッド運用の要点まとめ
- EAは「部分自動」運用にすることで安全性が上がる。
- ボードがあれば、人間とEAの判断を一元管理できる。
- 再稼働基準を明文化しておけば、リスクを数値化して制御可能。
実戦ケーススタディ|CPI・雇用統計・FOMCでの「イベント前後ボード」活用例
ここからは理論ではなく、実際にボードを運用した記録例を紹介します。 3つの代表的イベント――米CPI、雇用統計、FOMC――でどのように建玉縮小・再構築・再稼働を行ったかを、 実データ形式で見ていきましょう。 各ケースは「初心者でも真似できる」実務テンプレートとして構成しています。
ケース①:米CPI 発表日の運用記録 実戦テンプレ&記録例
① 発表前の建玉縮小と準備(〜22:15)
逆指値を直近S/L −12p に再設定。未約定指値は全削除。
- 15分前ノーポジ化 完了
- EA/自動売買:一時停止
- 板の厚み/スプレッド拡大を監視
② 発表直前・直後(22:30〜22:45)
③ 段階復帰(+35分で再エントリー)
- 5分足 3本 同方向(上)
- スプレッド ≤ 1.0p に回復
- 出来高 80%水準へ回復
- 相関通貨:クロス円も上向き
| タイミング | 建玉比率 | メモ |
|---|---|---|
| 23:05(+35分) | 0.10 → 0.20 | 初回再エントリー(条件◎) |
| 23:20(+50分) | 0.20 → 0.30 | 直近高値更新で増玉 |
④ 結果・所感
- 「直後15分は無操作」をTTSで固定化 → 衝動抑制に有効
- 再エントリーは 5分足3本+スプ≤1.0p を厳守
- 前高値更新後に2段目増玉 → ドローダウンを最小化
タイムライン(要点)
| 時刻 | イベント/操作 | メモ |
|---|---|---|
| 22:00 | 建玉縮小 | L 0.30 → 0.10 / 逆指値再設定 |
| 22:30 | CPI発表 | SP 0.3→7.4p / 滑り −5p(観察) |
| 22:45 | 静観終了 | 板回復の兆候 |
| 23:05 | 再エントリー | 条件◎で 0.10→0.20 |
| 23:20 | 増玉 | 高値更新で 0.20→0.30 |
| 23:50 | 部分利確 | 合計 +42pips |
ケース① 米CPI(消費者物価指数)発表日の運用記録
【日付】2025/10/10(金)22:30(日本時間) 【通貨ペア】USDJPY 【発表前建玉】L 0.30 lot → 0.10 lotへ縮小(22:00) 【ボード記録】 ・15分前ノーポジ化:完了 ・スプレッド:0.3p→7.4p(発表直後) ・再エントリー:+35分後(23:05) ・建玉サイズ:0.10→0.20→0.30(段階復帰) 【結果】+42pips(損益+12,600円) 【備考】段階復帰が奏功。2段階目以降の再建玉で最大ドローダウン1.2%以内。
このように、1〜2%ルールを守りつつ、 金利発表との関連性を踏まえた縮小が鍵となりました。
ポイント
- 発表15分前に建玉縮小→心理安定。
- スプレッド7p超でも「想定内」としてノーアクション。
- 再エントリーは「15分×3足方向一致」で確実に。
ケース② 米雇用統計:再構築タイミングを逃さない型
【日付】2025/10/04(金)21:30 【通貨ペア】USDJPY 【発表前状態】ノーポジ(30分前に全撤退) 【発表後反応】+80p → −50p(反転) 【行動ログ】 ・スプレッド:8.2p → 1.2p(20分後安定) ・再構築開始:+25分(22:00) ・建玉比率:1/3 → 2/3(22:30) ・決済:+24p 【結果】+7,200円/最大含み損−0.3%
成功の理由:「反転待ち」を徹底し、 マルチタイム整合で方向一致を確認してから参入した点。
雇用統計は「初動→反転→本流形成」の順に動くため、最初の1波をスルーする勇気が肝心です。
ケース③ FOMC発表夜:EA連携での自動制御
【日付】2025/09/18(木)03:00 【通貨ペア】EURUSD 【EA連携】自動停止(02:15〜03:45) 【発表後挙動】−35p → +60p 【手動ボード操作】 ・再稼働条件:スプレッド≦1.0p、板回復確認済 ・再稼働時間:04:00 ・建玉:0.10lot→0.25lot ・損益結果:+31pips
FOMCでは特に、EA連携での自動停止が有効。 再稼働タイミングをボードで明文化しておくことで、 「感情による再始動」ではなく「条件による再始動」が実現します。
各イベント比較サマリー
| イベント | 建玉縮小タイミング | 再構築開始 | 平均結果 | 最大スプレッド |
|---|---|---|---|---|
| CPI | 15分前 | +35分 | +42p | 7.4p |
| 雇用統計 | 30分前 | +25分 | +24p | 8.2p |
| FOMC | 45分前 | +60分 | +31p | 6.1p |
体験談:3イベントを通じて掴んだ“鉄則”
体験談
最初は「毎回違う相場」に見えたが、3か月のボード記録を重ねるうちに、 どのイベントでも「再整合タイミング=安定化の始まり」が共通していた。 今では、トレードスタイル別戦略にも応用できるようになり、 イベントを“避ける日”から“稼ぐ日”に変えられた。
参考内部リンクまとめ
ここまでのまとめ
- 3大イベントでの共通点:「縮小→静観→再構築」のリズム。
- 再エントリーは必ず条件明記し、感情判断を排除。
- EAとのハイブリッド運用が安全かつ効率的。
テンプレート公開|イベント前後ボードの書き込みフォーマット&運用テンプレート
ここでは、実際にWordPress(SWELLテーマ)上でそのまま使える 「イベント前後ボード」のテンプレートを公開します。 どの経済指標でも使えるように、汎用フォーマット+カスタム記入欄を備えた設計。 スマホでも見やすく、指標のたびに使い回し可能な形式になっています。
イベント前後ボード |貼り付け後そのまま記入&保存
事前準備(−90〜−15分)
⛳ かんたんロット計算(任意)
発表直前・直後(−5〜+15分)
再構築(+15〜+60分)
T+1 フォローアップ(翌朝)
週次統計 登録(任意)
| イベント | 通貨 | 最大SP | 再構築時刻 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
テンプレート運用ガイド
このボードをWordPress投稿内に埋め込み、イベントごとに新しい記録として残します。 それを週単位で集計すると、自分専用のデータベースが完成します。
おすすめ連携
- トレードノート運用法:紙とWebの併用記録に最適。
- KPI化ガイド:ボードデータを定量化する手順。
- ポジション統合管理法:複数口座の合算管理に。
ボードを自分仕様にカスタマイズする方法
- 通貨別テンプレートを作る:USDJPY用/EURUSD用などに分けると再利用性UP。
- EA稼働欄を追加:EA停止条件・再稼働トリガーを固定して書けるように。
- 色分けルールを設定:SWELLの装飾機能で「前→黄」「後→青」「再構築→緑」など視覚管理。
体験談:テンプレ化の恩恵
体験談
以前はノートに手書きで管理していたが、テンプレ化してから 「毎回同じ流れで準備→発表→再構築→記録」が自動化された。 今ではボードを使わずに指標を迎えると落ち着かないほど。 取引設計テンプレートと併用すれば、 自分だけの“ルーチン資産”になる。
ボード拡張の発展案
- Googleスプレッド連携:記入データをシート自動転送。
- EA連携API:ボードの「再稼働可」チェックをEAへ送信。
- トレード日誌生成:ボードログを自動整形してPDF出力(報告書化)。
ここまでのまとめ
- 「テンプレ化」は、判断負担を減らす=安定トレードの第一歩。
- WordPress上で即使えるフォーマットを導入すれば、学習・検証のサイクルが速くなる。
- SWELL+装飾+ログ+集計=完全な自己改善システム。
最終マニュアル|イベント前後ボード運用の「守る型」完全まとめ
ここまでの全パートで、あなたは「経済指標前後の建玉縮小・再構築・再稼働」の 理論と実践を体系的に学びました。 最終章では、それらを一枚に凝縮し、“迷わず守れるフロー”として完成させます。 もう「指標でやらかした…」という後悔は必要ありません。
1. イベント前後ボードの全体像
| フェーズ | 時間帯目安 | 目的 | 行動フロー |
|---|---|---|---|
| 事前準備 | −90〜−15分 | ノイズ除去・体制確認 | 建玉縮小/ストップ再設定/EA停止/板・カレンダー確認 |
| 発表直前・直後 | −5〜+15分 | ノーポジ・観察 | 取引停止/心理記録/スプレッドと滑りログ |
| 再構築 | +15〜+60分 | 安定確認・再出発 | 方向整合→1/3復帰→段階増加→EA再稼働 |
| 翌日フォロー | T+1(翌朝) | データ整理・改善 | ログ分析/感情記録/改善3行ルール/統計反映 |
2. 一目でわかる「再構築判断チャート」
【建玉復帰条件チェック】 ☑ スプレッド ≦ 1.0p ☑ ローソク3本同方向(5分足基準) ☑ 出来高80%以上回復 ☑ 相関通貨同方向(例:ドル円⇔ユーロ円) ☑ 板の厚み回復確認済 → すべて◎なら再エントリー1/3サイズ開始
この判断基準を画面横に固定しておくだけで、 どんなイベント相場でも「条件ベースの冷静な再構築」が可能になります。
3. 「守る型」ルールまとめ
- 発表15分前に必ず建玉を減らす(最低1/3)。
- 発表直後15分は絶対に触らない。
- スプレッド安定+方向整合後に段階復帰。
- EAの再稼働は「数値条件」を満たしてから。
- 翌朝に改善3行をボードへ必ず記録。
4. 経済指標の種類別おすすめ運用時間
| イベント | ノーポジ開始 | 観察期間 | 再構築目安 |
|---|---|---|---|
| 米雇用統計 | 30分前 | 15〜25分 | +25〜40分 |
| 米CPI | 15分前 | 20〜35分 | +35〜50分 |
| FOMC声明/政策金利 | 45分前 | 30〜60分 | +60分以降 |
| 小売売上高/GDP速報 | 15分前 | 10〜20分 | +20分以降 |
5. 「心理」と「数値」を両輪で守る
ボード運用は数字を管理するだけでなく、心理的制御のトレーニングでもあります。 毎回、感情ログに「焦り・迷い・待てた理由」を記録していくと、 メンタル回復ガイドの理論に基づいた「耐性の数値化」が可能になります。 トレードとは、技術×心理の両輪を安定させるゲームなのです。
6. よくある失敗パターンと対処策
- 早すぎる再エントリー: → 「発表+15分ルール」を絶対化。
- 再稼働忘れ: → ボードに「自動通知」欄を設けてTTSと連携。
- ボード未更新: → 翌朝ルーティンに組み込む(朝食前5分)。
7. 全体フローの完成図(まとめ)
[1]準備:発表90〜15分前 → 建玉縮小・EA停止 [2]観察:発表〜15分後 → ノーポジ・ログ記録 [3]再構築:15〜60分後 → 方向整合+段階復帰 [4]翌朝分析:データ+感情ログ+改善3行 → 統計シートに反映 → 翌週戦略更新
学びを継続する
9. 最後に:ボードは“守るための武器”
FXは「攻め」よりも「守り」が結果を決めます。 このイベント前後ボードは、あなたが感情やノイズに流されず、 冷静な判断を保つための盾(シールド)です。 書く・待つ・整える。この3つを徹底すれば、 経済指標の日が恐怖ではなく、再現性のあるチャンス日に変わります。
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完結メッセージ
この記事を最後まで読んだあなたは、もう「指標前後の建玉管理」で迷うことはありません。 あとは、毎回のボード記入を習慣化し、実際の数字で「自分だけのリズム」を掴むだけです。 それが、相場に流されない――本当の“トレーダーの自由”です。
✅ 全15パート完結:「経済指標“前後”の建玉縮小フローを1枚で決める『イベント前後ボード』」

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