FXをこれから本気で学んでいきたいなら、最初の「軸」に何を置くかで、その後の成果が大きく変わります。
このページでは、裁量トレードの王道ともいえる「トレンドフォロー」を、初心者でも迷子にならないように体系的に整理していきます。
いきなり難しい手法に飛びつく前に、まずは素直にトレンドに乗るシンプルな型から固めていきましょう。
なお、これから口座を選ぶ段階なら、まずは安全性を重視した口座選びから整えておくのが安全です。
FX初心者でも安心して使える国内安全性重視の口座ランキングも、あわせてチェックしておくとイメージしやすくなります。
トレンドフォローとは何か?初心者が最初に身につけるべき「順張りの軸」
トレンドフォローは一言でいえば、
「上がっているから買う(上昇トレンドなら買い)」「下がっているから売る(下降トレンドなら売り)」
という、とてもシンプルな考え方です。
ただ、実際のチャートの前に立つと、多くの初心者はこう感じます。
- 「こんな高値で買って大丈夫なのか……?」
- 「そろそろ天井(底)じゃない?」
- 「いまから入っても遅い気がする……」
その結果、
- トレンドがしっかり出ているのに、怖くて入れない
- 逆に、伸び切ったところで「今だ!」と飛び乗って一瞬で含み損
- 少し含み益が出るとすぐに利確してしまい、トレンドの本体を取り逃す
こうした「感情ベースの判断」を少しずつ仕組みベースの判断に変えていくのが、本記事のゴールです。
トレンドフォローの考え方自体はとてもシンプルですが、
- トレンドの定義
- トレンドが出ている時間軸の選び方
- エントリーと決済の順序
- 資金管理・損切りラインの決め方
といった要素がごちゃ混ぜになると、一気に難しく感じてしまいます。
そこで本記事では、トレンドフォローを「メソッド(手順)として再構成」し、
- ① 環境認識(トレンドかどうかの判定)
- ② 入る場所(エントリーの型)
- ③ 出る場所(利確と損切りのルール)
- ④ 運用フロー(チェックリストと振り返り)
という4つのパートに分けて整理しながら解説していきます。
なお、「逆張りと順張り、どっちが自分に向いているのか?」というテーマは、別記事で詳しく比較しています。
「自分は本当にトレンドフォロー型で良いのか?」と迷いがあるなら、先に
初心者が迷いやすい逆張りVSトレンドフォローの違いと選び方
を読んでおくと、この先の内容が頭に入りやすくなります。
実体験:逆張りで何度も退場しかけてから「順張り」に戻ってきた話
私自身も、最初から順張り一筋だったわけではありません。
FXを始めたばかりの頃は、
- 「そろそろ下がりそうだから売り」
- 「だいぶ安くなったからそろそろ反発しそう」
といったなんとなくの逆張りばかりでした。
運良く反発を当てたときだけ大きく勝てるので、短期的には「自分は天才かも」と勘違いします。
しかし、トレンドが本格的に出た相場で逆張りを繰り返すと、
- ナンピンを重ねて含み損がどんどん膨らむ
- ロスカット水準ギリギリまで追い込まれる
- 最後は泣く泣くロスカット → 数日後に相場が戻る
というお決まりのパターンを何度も経験しました。
この頃のトレード履歴を見返すと、負けている局面の多くが、
- 明らかに日足でトレンドが出ているのに、
- 「そろそろ反転するはず」と逆らい続けている
という、今思えばかなり無謀な選択ばかりでした。
そこで一度、
- 「自分が逆張りで負けた場面」だけをチャート上に印をつける
- そのときの「上位足の流れ(トレンド)」を見直す
という作業をしてみたところ、ほぼすべての負けが
「強いトレンドに逆らって入っている」ケースだったことに気づきました。
この体験から、
- 相場全体の方向に逆らわない
- トレンドが出ているときは素直に乗る
という単純なルールを守るだけでも、大負けの頻度はかなり減らせると実感しています。
この10パート記事の全体像と読み進め方
この記事は、トレンドフォローを「一冊の教科書」のように体系的に学べるよう、10パート構成で作っています。
まずは、全体像をざっくり掴んでおきましょう。
| パート | テーマ | 主な内容 |
|---|---|---|
| パート1 | トレンドフォローの全体像 | 順張りの考え方/この記事のゴールと構成 |
| パート2 | トレンドの定義と判定 | 相場の3構造/時間軸の選び方 |
| パート3 | 移動平均線を使った環境認識 | MAの役割/傾きと並びで見る理由 |
| パート4 | 高値・安値の連続から見るトレンド | 押し安値・戻り高値/ラインの意味 |
| パート5 | トレンド発生のきっかけ | 指標・ニュース・ブレイク・オプション |
| パート6 | エントリー3パターン | 押し目買い/ブレイク/反転確認型 |
| パート7 | 利確と分割決済 | RRR/分割決済/伸ばすときと守るとき |
| パート8 | 損切りと撤退プロトコル | 損切りライン設定/ドローダウン管理 |
| パート9 | 実例で学ぶトレンドフォロー | ドル円・クロス円などの実際の値動き |
| パート10 | 運用システム化と次の一歩 | チェックリスト/日次・週次ルーティン |
もちろん、すべてを一気に覚える必要はありません。
- まずはパート1〜2で「トレンドの見え方」を揃える
- 次にパート6〜8で「実際にどう入って、どこで出るか」を固める
- 最後にパート9〜10で、自分のトレードに落とし込む
というように、少しずつ自分のペースで進めていけば大丈夫です。
なお、トレンドフォロー以前に「そもそも自分はFXに向いているのか?」が不安な人は、
FX初心者の適性を7つの質問で診断するチェックリスト
を先に受けておくと、どのスタイルから入るべきかのヒントが得られます。
トレンドフォローを始める前に押さえておきたい3つの前提
トレンドフォローの具体的なやり方に入る前に、「ここだけは先に揃えておきたい」という前提が3つあります。
- ① 資金管理の枠組み
- ② 使う時間軸の整理
- ③ 取引環境(口座・ツール)のミスマッチをなくすこと
① 資金管理:1回のトレードにどれだけリスクを取るか
トレンドフォローは、勝つときに大きく伸ばし、負けるときは小さく切るスタイルです。
そのためには、「1回のトレードで許容する損失額」を先に決めておく必要があります。
よく使われるのが、「1〜2%ルール」と呼ばれる考え方です。
- 口座資金100万円なら、1回の損失は1〜2万円まで
- その範囲内で、損切り幅(pips)からロット数を逆算する
こうしておけば、トレンドが続いて負けが重なっても、
一撃で退場するリスクを大幅に下げることができます。
このあたりの具体的な計算方法や考え方は、
口座資金を守るための1〜2%ルールとリスク管理の具体例
で、図解つきで詳しくまとめています。
② 時間軸:どの足でトレンドを見るかを決めておく
同じ通貨ペアでも、
- 日足では上昇トレンド
- 4時間足では調整の下落
- 15分足ではレンジ
というように、時間軸によって「見えている世界」がまったく違います。
トレンドフォローを実践する上で大切なのは、
- 自分がどの時間軸のトレンドを取りにいくのか
- その時間軸に対して、上位足・下位足をどう使うのか
をあらかじめ決めておくことです。
時間軸ごとの役割分担や、マルチタイムフレームでのチェック方法については、後のパートで改めて整理します。
あわせて、FXの基礎全般をまとめたカテゴリー
FXの基礎知識と初心者向け解説記事のまとめ
も、時間があるときにざっと眺めておくと理解が早くなります。
③ 取引環境:トレンドフォローに合った口座とツールを選ぶ
トレンドフォローは、
- スプレッドが極端に広がりにくいこと
- 約定力がそこそこ安定していること
- チャートが見やすく、複数時間軸を切り替えやすいこと
といった環境が整っているほど、ストレスなく実践できます。
特に初心者のうちは、
- スプレッドや手数料の違い
- ロスカット水準
- スマホアプリの使いやすさ
など、細かい条件を自分で比較するのは大変です。
そのため、まずは
初心者でも使いやすい安全重視の国内FX口座ランキングと選び方
を参考にしながら、「トレンドフォローを練習しやすい口座」を候補に入れておくとよいでしょう。
このパートのまとめと次パートへの橋渡し
- トレンドフォローは「相場の流れに素直に乗る」シンプルな考え方
- ただし、感情のブレや資金管理が曖昧だと、逆張りより危険になることもある
- 事前に「1〜2%ルール」「時間軸」「口座・ツール環境」を整えておくと、トレンドフォローの練習効率が大きく上がる
次のパート2では、「そもそもトレンド相場とは何か?」という根本に立ち返り、
- トレンドとレンジの違い
- 相場の3つの状態
- どの状態でトレンドフォローを狙うべきか
といったテーマを、チャートイメージを交えながら解説していきます。
トレンドの定義と判定|初心者が最初に身につける「環境認識メソッド」
ここでは、トレンドフォローの出発点となる「相場が今どんな状態なのかを見抜く技術」をまとめていきます。
環境認識がズレると、どんなに良い手法を使っても、
- 「レンジ相場でトレンドフォローをして負ける」
- 「トレンド相場なのに逆張りを仕掛けて大損」
- 「そろそろ反転しそう」に見えて損切り貧乏になる
といった典型的なミスにつながります。
逆に、環境認識さえ合っていれば、エントリーの多少のズレやミスは簡単にリカバリーできます。
初心者ほど「どこで入るか」より「どんな相場か」を最優先にすべき理由がここにあります。
相場は3種類しかない:トレンドフォローが機能する場所を特定する
FXの相場は、どれだけ複雑に見えても、実は次の3種類に分類できます。
- ① 上昇トレンド(高値・安値が切り上がる)
- ② 下降トレンド(高値・安値が切り下がる)
- ③ レンジ(高値・安値が水平)
トレンドフォローが機能するのは、①と②のみです。
③レンジでは、トレンドフォローをやってはいけません。
この判断を誤らないために、まずはトレンドの定義を1つに固定します。
トレンドの超シンプルな定義(初心者はこれだけでOK)
チャートを見るときは、まず次の2点だけをチェックしてください。
- ❶ 高値の位置がどう変化しているか
- ❷ 安値の位置がどう変化しているか
この2つの「階段の向き」を見るだけで、ほとんどの相場は判定できます。
● 上昇トレンド(買い目線)
高値 → 右肩上がり
安値 → 右肩上がり
● 下降トレンド(売り目線)
高値 → 右肩下がり
安値 → 右肩下がり
● レンジ(様子見 / トレードしない)
高値 → 水平 or バラバラ
安値 → 水平 or バラバラ
この方法のメリットは、
- インジケーターに頼らなくても判定できる
- どの時間軸でも共通して使える
- 初心者でも誤認識しにくい
という点にあります。
時間軸ごとに「役割」を与えるとトレンドが一気に見える
相場は、時間軸によってまったく違う姿を見せます。
例えば、
- 日足 → 上昇トレンド
- 4時間足 → 調整の下落
- 1時間足 → 下落トレンドにしか見えない
このとき、1時間足だけ見ている初心者は、
「売りだ!」
と判断しがちですが、上位足の流れは上昇。
つまり「押し目買いの途中」である可能性が高くなります。
こうした勘違いを避けるため、トレンドフォローでは次の役割分担を固定します。
| 時間軸 | 役割 |
|---|---|
| 上位足(4時間〜日足) | 大きな流れを確認する |
| 中位足(1時間) | トレンド方向で戦うか判断する |
| 下位足(5分〜15分) | エントリーのタイミングを取る |
この「楼閣構造」を理解しておくことで、無駄な逆張りエントリーをほぼ全て避けられます。
マルチタイムフレームの実践的な使い方は、後のパートでも解説しますが、先に基礎を固めるなら以下が役に立ちます。
複数時間軸のズレを整えるマルチタイムフレーム認識チェックリスト
移動平均線を使った「補助的な」トレンド判定
次のパートでは移動平均線を深掘りしますが、ここでは軽く触れておきます。
初心者が最も誤解しやすいポイントは、
MAは「重ねすぎると逆に見えなくなる」ということ。
トレンドフォローの補助として使うなら、
- 傾き(上向き・下向き)
- 並び(短期が上・中期・長期)
この2つだけで十分です。
MAのクロスや色々な設定を気にしすぎると、判断が遅れてトレンドの本体を取り逃します。
MAの本質的な使い方や失敗例は、次パートで具体例つきで紹介します。
「トレンド転換ポイント」を誤認しないためのシンプルな目印
初心者が最も間違えやすいのが、
「トレンドが終わった」と勘違いして逆張りする場面。
しかし、トレンドが終わるサインは非常にシンプルです。
- 上昇トレンドが終わる → 直近安値を明確に割る
- 下降トレンドが終わる → 直近高値を明確に越える
「そろそろ天井だと思う」はノーカウントです。
あくまでチャートの事実で判断します。
この「チャートの事実」を優先する習慣を身につけるだけで、逆張りの大負けパターンが劇的に減ります。
このパートで挿入した内部リンク
パート2のまとめ → 次パートへの導線
- トレンドフォローは「環境認識」が8割
- 相場は「上昇・下降・レンジ」の3つだけ
- 初心者が狙うべきは「明確なトレンドが出ている相場」
- 高値・安値の位置関係を見るだけで判定は十分可能
- 時間軸の役割を固定すると、逆張りミスが激減する
次のパート3では、環境認識に欠かせない移動平均線(MA)の正しい使い方を、初心者でも迷わないように最適化して解説します。
「MAを表示すると逆に混乱する」「何本使えばいいかわからない」という悩みを一気に解決していきます。
移動平均線を使った「ブレない」環境認識メソッド
ここからは、トレンドフォローの補助として欠かせない移動平均線(MA)の使い方を整理していきます。
ただし、ここでのテーマは「手法」ではなく、あくまで環境認識(相場の状態を把握すること)」です。
よくある失敗パターンは、
- 5本も10本も移動平均線を重ねて、かえって何が起きているのか見えなくなる
- クロスのサインばかりを気にして、トレンドの本体を取り逃す
- 設定を頻繁に変えすぎて、過去検証の意味がなくなる
トレンドフォローで大事なのは、「値動きの傾き」と「流れの方向」をシンプルに把握することです。
ここでは、初心者でも再現しやすいように、移動平均線をたった3本に絞って環境認識に使う方法を解説します。
移動平均線は「値動きの平均的な通り道」を教えてくれるだけ
まず大事な前提として、移動平均線は「未来を当てるマジックツール」ではありません。
本質的には、
- 一定期間の終値の平均を線で結んだもの
- 価格がどのあたりを中心に動いてきたかの「通り道」を示すもの
という、とてもシンプルな指標です。
それなのに、
- ゴールデンクロス=絶対買い
- デッドクロス=絶対売り
のように、サインだけを切り取って使ってしまうと、ダマシの連発で疲れ果ててしまいます。
移動平均線をトレンドフォローに活かすなら、
- 傾き(上向き・下向き・横ばい)
- 並び順(短期・中期・長期の位置関係)
この2つだけをしっかり見られれば十分です。
おすすめの基本セット:短期・中期・長期の3本だけで環境認識する
具体的な本数設定はトレードスタイルによって変わりますが、
日足〜1時間足ベースのトレンドフォローなら、次のようなイメージで十分です。
- 短期:5〜10期間
- 中期:20〜25期間
- 長期:75〜100期間
チャート上には、
- 短期と中期の位置関係(スピード感)
- 中期と長期の位置関係(基調トレンド)
を確認できるだけの3本を表示するイメージです。
このときのポイントは、
- 短期MAがローソク足にぴったり張り付いているか
- 中期・長期MAが同じ方向を向いているか
- 3本の移動平均線がきれいな順番で並んでいるか
を確認することです。
移動平均線の考え方そのものや、もう少し踏み込んだ使い方を学びたいときは、
移動平均線の本質とメンタル面への影響を整理したトレード思考ガイド
で、より詳しい解説を押さえておくと理解が深まります。
「傾き」と「並び」でトレンドの強さをざっくり評価する
3本の移動平均線を表示したら、次のようにパターン分けして考えるのがおすすめです。
● 強い上昇トレンド(買い目線を優先)
- 長期MA:明確な上向き
- 中期MA:長期MAの上・上向き
- 短期MA:さらに上にあり、押し目で一時的に中期MAに近づく程度
この状態では、基本的に押し目買いのチャンスを探すゾーンです。
● 強い下降トレンド(売り目線を優先)
- 長期MA:明確な下向き
- 中期MA:長期MAの下・下向き
- 短期MA:さらに下にあり、戻りで中期MAに近づく程度
この状態では、戻り売りを検討するゾーンです。
● レンジ〜方向感なし(様子見 or 逆張り系のゾーン)
- 長期・中期・短期のどれかが横ばい
- 3本の移動平均線が絡み合っている
- 価格が3本の上下を行ったり来たりしている
この状態でトレンドフォローをすると、ダマシだらけで消耗するだけです。
レンジ戦略の記事に切り替えるか、あえて何もせずに見送る判断が大切になります。
レンジ相場を戦うパターンは、
レンジ相場専用のトレード戦略をまとめたガイド
にまとまっているので、「トレンドが出ていない日」をどう過ごすかの参考になるはずです。
実体験:MAを増やしすぎて「何も見えなくなった」時期
私自身、最初の頃は
- 5、10、20、50、100、200の6本
- さらにボリンジャーバンドや一目均衡表も重ねる
といったチャート全部盛り状態でトレードしていました。
結果として、
- ラインなのかMAなのか、どれを基準にすればいいか分からない
- サインが出るたびにエントリーして、方向性のない売買を繰り返す
- トレンドの本体よりも、ノイズばかりを拾ってしまう
という悪循環にハマっていました。
そこで一度、「移動平均線を3本だけに絞る」チャレンジをしました。
- 長期MAの傾きが上 → 基本は買い目線
- 長期MAの傾きが下 → 基本は売り目線
- 長期MAが横ばい → 基本は様子見
とルールを決めたうえで、実際のトレード記録を数ヶ月つけていくと、
- 「トレンドに逆らったエントリー」が急激に減る
- 「なぜこの方向に入ったのか」を説明しやすくなる
- 後から振り返ったときに、失敗と成功のパターンが見えやすくなる
という変化を実感しました。
トレンドフォローの勝ち負けは、「どの方向を自分の正解とするか」を先に決めておけるかどうかで大きく変わります。
そのための「方向センサー」として、移動平均線は非常に相性が良いと感じています。
ボラティリティ(値動きの大きさ)とセットで見るとさらに精度が上がる
もう一歩踏み込むなら、移動平均線とあわせてボラティリティ(値動きの大きさ)も確認すると、
- どのくらいのロットで入るべきか
- どのあたりに損切りを置くべきか
といった実務的な判断がしやすくなります。
特に、トレンドが強く出ている場面では、ボラティリティも大きくなりがちです。
このとき、普段と同じロットでエントリーすると、損切り幅が広がりすぎて口座に大きな負担がかかります。
ボラティリティとロット・損切り幅のバランスを整える考え方は、
ATRを使ったロット調整と損切りライン設計の実践ガイド
で詳しく解説しているので、「トレンドが出たときほど慎重にリスクを抑えたい」という人は目を通しておくと安心です。
このパートのまとめ → 次パートへのつなぎ
- 移動平均線は「未来を当てるツール」ではなく、「値動きの通り道」を見せてくれるだけ
- トレンドフォローでは、傾きと並びだけで十分環境認識に使える
- 3本の移動平均線(短期・中期・長期)に絞ると、方向性の判断がシンプルになる
- 長期MAの傾き+高値安値の階段で「戦う方向」を固定すると、逆張りミスが大きく減る
- ボラティリティとセットで見ることで、ロットと損切り幅の調整もしやすくなる
次のパート4では、移動平均線だけに頼らず、「高値・安値の連続性」と「ライン(支持・抵抗)」を使ってトレンドを認識する方法を解説します。
チャートの「骨格」を読む感覚が身につくと、インジケーターに頼りすぎない安定したトレード判断ができるようになります。
高値・安値の連続性で読む「価格構造」|ラインを使ったトレンド認識の核心
ここからは、インジケーターを一切使わずに「値動きそのもの」からトレンドを判定する方法を解説します。
移動平均線は便利ですが、最強の武器ではありません。
本当に重要なのは、ローソク足が作る高値・安値の連続性(価格構造)です。
プロや大口投資家が注目するのは、まさにこの「価格構造」です。
そして、トレンドフォローの成功率を決めるのも、インジではなくこの「構造」がほぼ全てです。
価格構造を読むための最強ルール:高値・安値の更新
トレンドフォローの根本部分は、驚くほどシンプルです。
● 上昇トレンドの継続条件
- 高値が更新される(切り上げ)
- 安値も更新される(切り上げ)
● 下降トレンドの継続条件
- 高値が下がる(切り下げ)
- 安値も下がる(切り下げ)
この流れが続いている限り、トレンドは継続します。
逆に、この流れが崩れたときに、初めてトレンド転換の可能性が出ます。
初心者が絶対に覚えるべき「押し安値」「戻り高値」
高値と安値の更新をさらに実務に落とし込むと、次の2つの概念が必須になります。
- 押し安値(上昇トレンドが崩れるライン)
- 戻り高値(下降トレンドが崩れるライン)
これは簡単にいうと、
「ここを割ったら(上抜けたら)トレンドが崩れる」
という境界線です。
押し安値・戻り高値を理解しておくと、
- どこまでが調整なのか
- どこからトレンド転換なのか
- どの位置が損切りに最適なのか
を明確に判断できるようになります。
押し安値・戻り高値と「ライン」はセットで機能する
押し安値・戻り高値には、チャート上で自然にライン(支持線・抵抗線)が存在します。
ラインが意識される理由は、
- 大口トレーダーの注文が集中しやすい
- 市場参加者が「この価格で転換する可能性」を認識している
- トレンドの押し目・戻り売りが成立しやすい
という市場心理にもとづいています。
ラインの本質や引き方のセオリーは、
ライン戦略の本質をまとめた「FXライン戦略の哲学」ガイド
で詳しく整理されているので、この記事とセットで学ぶと抜群に理解が深まります。
ライン+価格構造=最強のトレンド判定ロジック
実際のトレンドフォローでは、次のようなシンプルなチェックで十分です。
● 上昇トレンドの継続パターン
- 戻り高値を更新した → 上昇トレンド継続
- 押し安値を割らない → 調整中で本トレンドは継続
- 押し安値+ラインで反発 → 押し目買いの好条件
● 下降トレンドの継続パターン
- 押し安値を更新した → 下降トレンド継続
- 戻り高値を超えない → 戻り売り狙いが継続
- 戻り高値+ラインで反発 → 戻り売りの好条件
このように、価格構造は「トレンドの骨格」であり、ラインは「市場の意思表示」です。
両方が揃わないと、トレンドフォローの勝率は安定しません。
トレンド転換は「予測」ではなく「事実」で判断する
初心者が最もやってしまいがちなミスは、
「そろそろ反転しそう」
という感覚で逆張りしてしまうことです。
しかし、トレンド転換はあくまで「チャートが示す事実」で判定します。
- 上昇トレンド → 押し安値を割ったら終わり
- 下降トレンド → 戻り高値を越えたら終わり
これさえ守れば、逆張りによる大負けはほぼ消えます。
トレンド転換の実戦的な見極め方や、ダマシを避ける方法は、
ブレイクの本物・偽物を見抜くFXブレイクアウトガイド
により詳しくまとめてあるので、こちらも合わせてチェックすると精度が上がります。
実体験:ラインと価格構造を覚えてから勝率が安定した話
移動平均線だけを見ていた頃は、
- クロスした → 入る
- 乖離した → そろそろ反転かも
という「サインだけの判断」に偏ってしまっていました。
しかし、押し安値・戻り高値の位置を重視するようになってからは、
- どこまでが調整か
- トレンドの本体がどこか
- 今は入るべきなのか、少し待つべきなのか
という判断が明確にできるようになり、トレンド相場での取りこぼしが激減しました。
また、負けても「切るべき場所」で切れているため、資金の安定感も全く違います。
このパートで挿入した内部リンク
パート4のまとめ → 次パート(5)への橋渡し
- トレンドは「高値・安値の階段」で判断するのが最も正確
- 押し安値・戻り高値はトレンドの「生死ライン」
- ラインと価格構造は必ずセットで確認する
- トレンド転換は「事実」で判定し、予測で逆張りしない
次のパート5では、トレンドが発生・加速する「きっかけ(イベント)」を解説します。
特に重要なのは、以下のポイントです。
- ニュース・経済指標がトレンドを作る仕組み
- 深夜・早朝の流動性とブレイクの関係
- オプション(バリア)が相場を動かす理由
これらを理解すると、「なぜ今トレンドが出るのか」が分かり、精度が一気に上がります。
トレンドが発生・加速する「きっかけ」|イベントを読むことで精度が跳ね上がる
ここからは、トレンドが“どのようなタイミングで発生し、どんな要因で加速するのか”を理解するパートです。
移動平均線や価格構造だけでは「今なぜ動いているのか」を説明できません。
しかし、イベントの性質を理解しておくと、
- 「今日はトレンドが出やすい日かどうか」
- 「ブレイクが成功しやすい地合いかどうか」
- 「逆張りは特に危険な相場かどうか」
が、驚くほど正確に分かるようになります。
つまり、このパートは“今日の戦略モードを決める”ための判断基準になります。
トレンドの起点は「材料」+「流動性」が揃う瞬間に生まれる
相場が大きく動くときは、必ず次の2つが同時に発生します。
- ① 材料(ニュース・指標・発言)
- ② 流動性(参加者が集まる時間帯)
材料だけあっても、流動性がなければロウソク足は伸びません。
逆に、流動性があっても材料がなければレンジになりやすい。
トレンドフォローをするなら、この2つの組み合わせを理解することが大前提です。
トレンドを生みやすい「材料イベント」3種類
代表的な材料を整理すると、次の3つに分類できます。
● ① 経済指標(雇用統計・CPI・GDP・PMIなど)
特にドル円・ユーロドルなど主要通貨では、アメリカ指標が最も重要です。
市場予想と結果の差が大きいほど、トレンドが一気に発生します。
指標ごとの注目ポイントや事前準備の方法は、
経済指標を使ったトレンド戦略と事前シナリオの立て方
に詳しくまとまっています。
● ② 中央銀行イベント(政策金利・声明・記者会見)
金利はFX相場の「重力」とも呼ばれ、政策変更は最強クラスのトレンド材料です。
特に注目すべきは、
- 政策金利の据え置き or 変更
- 声明文のトーン(タカ派・ハト派)
- 総裁会見でのサプライズ発言
金利に関連する基礎構造は、
金利と通貨の関係を整理したFX戦略ガイド
を押さえておくと、中央銀行イベントの「本当の意味」が分かるようになります。
● ③ 地政学イベント・政治リスク
地政学的な衝突や要人発言は、予測不能なほど大きな一方向の動きを生むことがあります。
特にドル円は「リスクオン・リスクオフ」の影響を強く受けるため、値幅が出やすい特徴があります。
地政学イベントがトレンドの起点になる仕組みは、
地政学リスクとドル円の値動きメカニズム解説
に非常に分かりやすく整理されています。
流動性(参加者が多い時間帯)が揃うとトレンドは走りやすい
材料が出ても、流動性が薄ければローソク足は伸びません。
流動性が最大化するのは次の時間帯です。
- ロンドン市場オープン前後(16:00〜18:00)
- NY市場オープン(22:00〜24:00)
- ロンドンフィックス(24:00前後)
この時間帯は、
- 指標が重なる
- 欧米勢が大量に取引する
- ヘッジ・仕掛けが入りやすい
という理由で、トレンドが出やすいとされています。
NYカット(オプションの期限)が相場を動かす理由
プロのトレーダーが必ずチェックしているイベントが、
「NYカット(オプションの満期)」です。
NYカット前後では、大口がオプション価格を守りにいくため、
- 特定の価格に吸い寄せられる
- 逆に強く弾かれてブレイクする
といった動きが起きやすくなります。
NYカットの具体的な読み方と、ブレイクとの関係は、
NYカット・バリア・オプションによる相場支配メカニズム解説
で詳しく説明されています。
トレンド加速ポイントは「市場の意思」が集中する3地点
トレンドが加速するとき、チャート上では次の3つの現象が必ず発生しています。
- ① ラインのブレイク(押し安値・戻り高値の突破)
- ② 材料ニュースが方向を後押し
- ③ 流動性のピーク時間帯で参加者が一気に増える
この3つが揃った瞬間、値動きは「滑るように伸び」ます。
そして、その伸びを素直に取りにいくのがトレンドフォローです。
実体験:材料+流動性の組み合わせを理解したら勝率が変わった
私自身、トレンドフォローが上手くいかなかった頃は、
- 材料が弱いのにブレイクを狙う
- 流動性が薄い時間に逆張りしやすい
- 大きなイベント直前にポジションを持つ
という典型的な「負けパターン」を繰り返していました。
しかし、
- 材料の種類と強さ
- 時間帯ごとの流動性
- オプションの位置
を意識するようになってから、無駄な逆張りが減り、トレンドに乗れる場面だけを選べるようになりました。
特に「材料が弱い日はそもそも戦わない」という選択ができるようになると、
メンタル負担も大幅に減ります。
このパートで挿入した内部リンク
パート5のまとめ → 次パート(6)への導線
- トレンドは「材料」+「流動性」が揃った瞬間に発生する
- 経済指標・金利・地政学はトレンド生成の三大材料
- ロンドン〜NYにかけての時間帯は特にトレンドが出やすい
- NYカット前後は大口の思惑でブレイクが起きやすい
- 材料の強弱を理解すると「今日は戦うべき日か」判断できる
次のパート6では、実際のトレンドフォローで使う「エントリー3型(押し目/ブレイク/反転確認)」を体系化して解説していきます。
ここから実戦的な内容に入るため、初心者が最も迷いやすい「どこで入るか」を明確にできます。
トレンドフォローの「エントリー3型」|押し目・ブレイク・反転確認を完全体系化
ここからは、いよいよ「どこで入るか」という実戦部分に入ります。
初心者が最も迷うポイントですが、実はトレンドフォローのエントリーは3つしか存在しません。
- ① 押し目買い(戻り売り)型:最も安定し、勝率も高い
- ② ブレイク型:トレンド発生・加速を取りにいく
- ③ 反転確認型:押し安値・戻り高値の反発確認後に入る安全型
多くの初心者は「たくさんのパターンがある」と誤解していますが、プロも使っている型はこの3つだけです。
そして、武器を増やすほど勝率は落ちます。
あなたに合う1つ〜2つだけを磨けば、十分勝てるようになります。
① 押し目買い(戻り売り)型|トレンドフォローの基本で最も安定
押し目買い(上昇時)/戻り売り(下降時)は、トレンドフォローの王道中の王道です。
● 条件
- 上位足が明確なトレンド方向
- 調整の下落(上昇トレンドの場合)が発生
- 直近の押し安値(戻り高値)を割っていない
● どこで入る?
- 中期MA(20〜25期間)にタッチしたあたり
- ライン(支持線・抵抗線)で反発のプライスアクションが出たあたり
● メリット
- 勝率が最も高い
- 損切りを置く場所が明確(押し安値・戻り高値の外側)
- 夢のある伸び方をする(トレンド本体を取れる)
● デメリット
- 調整が浅いとエントリーしにくい
- 入れるタイミングが少ない
押し目買いの具体的な判断軸は、
移動平均線の傾きと並びで環境認識するガイド
をあわせて読むと非常に分かりやすくなります。
② ブレイク型|スピード感があり、トレンド発生を狙う型
ブレイク型は、
- ① ラインの突破
- ② 材料イベントの後押し
- ③ 流動性ピーク時間
が重なったときに威力を発揮します。
● 条件
- 上位足の押し安値・戻り高値のラインを突破
- ブレイク前にエネルギー(チャートの収縮)がある
- 材料や時間帯が後押ししている
● メリット
- 伸びるときのスピードが速い
- トレンドの「起点」を取りにいける
● デメリット
- ダマシ(フェイクブレイク)が多い
- 損切り幅が広がりやすい
ブレイクの本物・偽物を見抜くには、
ブレイクの本物と偽物の見抜き方ガイド
を読んでおくと精度が極端に上がります。
③ 反転確認型|安全性が高く、初心者に最もおすすめの型
反転確認型は、「押し目買い」と「ブレイク」の中間に位置するエントリーです。
具体的には、
- ラインで反発 → 一度上昇(下降)を確認
- その小さな戻りの後にエントリー
という、安全優先のエントリーになります。
● メリット
- 転換のダマシを避けやすい
- 損切り位置が明確で、ロット調整もしやすい
- ブレイクより勝率が高い
● デメリット
- 押し目買いより遅くなるため利益幅は少し縮む
ラインでの反転確認には、ローソク足のプライスアクション(ヒゲ・包み足・ピンバー)が非常に役立ちます。
ライン戦略全般は、
ライン戦略の基礎と引き方の哲学
で体系的に学べます。
エントリーを迷わないための「時間軸フロー」
ここで、トレンドフォローのエントリー時に使う、実戦的な時間軸チェックフローを紹介します。
- ① 上位足(4時間・日足):トレンド方向を決定
- ② 中位足(1時間):押し目 or 戻りの位置をチェック
- ③ 下位足(15分・5分):エントリータイミングを決定
これにより、
- 逆張りのエントリーが激減
- タイミングのズレを最小化
- 損切り位置が明確になり、ルールが一貫する
時間軸を揃える方法は、
複数時間軸のズレをなくすMTF認識ガイド
を読むと、すぐ実戦に使えるようになります。
実体験:自分は「押し目型」しか使っていないという話
私自身、数多くの手法を試しましたが、最終的に辿り着いたのは
“押し目買い・戻り売りだけで十分”
という結論でした。
理由はシンプルで、
- 損切りの位置が明確
- 方向性がはっきり分かる(上位足が決めてくれる)
- 負け方が安定している
この3点が揃うからです。
ブレイク型は確かに伸びますが、ダマシが多く試行回数が必要になります。
反転確認型は初心者には最適ですが、押し目より遅れることもあります。
いろいろ試した結果、「押し目だけに絞る」のが最もストレスが少なく、成績も安定しました。
パート6のまとめ → 次パート(7)へ
- トレンドフォローのエントリーは「押し目・ブレイク・反転確認」の3型だけ
- 押し目が最も安定し、初心者はこの型を優先すべき
- ブレイクは材料と時間帯が揃ったときだけ狙う
- 反転確認は安全性が高く、損切りが明確
- 時間軸フロー(上位→中位→下位)で迷いがなくなる
次のパート7では、トレンドフォローの利益を最大化する「利確・分割決済・RRR(リスクリワード)」について解説します。
ここを理解すると、「勝っているのに毎回早く利確してしまう病」を脱却できます。
利確・分割決済・RRR(リスクリワード)|トレンドフォローの利益を最大化する核心
トレンドフォローで勝ち組と負け組が最も分かれるポイントが、「どこで利益を確定するか」です。
初心者の典型的な悩みとして、
- 含み益が出てもすぐ利確してしまう
- 伸びるはずの場面でビビってしまう
- 逆に伸ばしすぎて利益を吐き出す
というメンタル由来のミスがあります。
しかし、トレンドフォローには「正しい利確の型」が存在します。
これを理解すれば、感情の揺れを最小限にしながら利益を伸ばすことが可能になります。
トレンドフォローは「勝つときに大きく伸ばす」ことで収益が安定する
まず大前提として、トレンドフォローは、
勝つとき=大きく、負けるとき=小さく
という収益構造を作ることが必須です。
そのために必要なのが、
- RRR(リスクリワードレシオ)=利益幅 / 損切り幅
- 分割決済(ポジションを複数回に分けて利確する)
- 複数の利確目安(時間・価格・ボラティリティ)
という3つの軸となります。
RRR(リスクリワード)は最低でも 1 : 2 を目指す
勝ち負けを安定させる上で、最低限守りたいのが、
RRR=1:2(損切り20pipsなら利確40pips)
という考え方です。
RRRが悪いと、たとえ勝率が高くても、少しの負けで簡単に資金が削られます。
逆にRRRが高ければ、
- 勝率が50%でも利益が出る
- 勝率が40%でもトータルで勝てる
という「楽な戦い」ができます。
RRRの計算や資金管理の設計は、
リスクリワード戦略の基礎と計算例
を読んでおくと実戦で迷わなくなります。
利確ポイントは「3地点」を軸にすれば迷わない
トレンドフォローで利確を考えるとき、意識すべきポイントは3つです。
● ① 直近の高値(下降なら直近安値)
チャートが“意識”している価格。短期的な利確ポイントになる。
● ② ボラティリティ(ATR)にもとづいた値幅
現在の相場がどれだけ動く地合いなのかを定量的に判断できる。
● ③ トレンドライン・中期MA付近
トレンドの勢いが一時的に止まりやすいゾーン。
これらの位置を組み合わせると、
- どのくらい伸ばせるのか
- どこで一度逃げるべきか
が客観的に判断しやすくなります。
さらに利確の最適化に関しては、
利確戦略の最適化ガイド
が非常に参考になります。
分割決済(部分利確)でメンタル負担を大幅に減らす
トレンドフォローの最大の敵は「途中で降りてしまう恐怖」です。
そこで役立つのが、分割決済です。
例えば、0.3Lotで入ったとしたら、
- 0.1Lot:直近高値で利確
- 0.1Lot:中期MA or ATR目標で利確
- 0.1Lot:トレンドが続く限り保有(伸ばす)
というように、リスクを先に軽くしておいて、残りを伸ばす形がベストです。
こうすると、
- 「利益が消えるかもしれない」恐怖が減る
- 利確のストレスが劇的に減る
- 伸びるときにしっかり伸ばせる
というメリットがあります。
分割決済の最適な比率や組み立て方は、
ATRによるロット・損切り・利確調整ガイド
を参考にすると非常に実践的です。
トレンドフォローは「利確の誤解」を直すだけで成績が激変する
多くの初心者が抱えている誤解は、
- 「利確は上手くやらないといけない」
- 「一番高い(安い)ところで利確するべき」
というものです。
しかし現実はまったく逆で、
利確は「そこそこで良い」し、完璧を狙わなくていい
のです。
むしろ「完璧な利確」を狙うと、
- 利確遅れ → 含み益を失う
- 利確早すぎ → 伸びを取り逃す
- 迷い → 感情で決済して後悔
となり、かえって成績がブレます。
だからこそ、利確基準はルール化しておくべきなのです。
実体験:利確ルールを決めた瞬間にトレードが安定した
私自身、昔は「値動きを見ながら利確する」タイプでした。
しかし、これが最悪の選択肢で、
- 含み益があるときにビビってすぐ利確
- 伸びるときに限って途中で降りる
- トレンドが崩れてから損切り
という、完全に逆効果な立ち回りになっていました。
そこで「分割決済+RRR1:2ルール+ATR目安」の3軸を決めて運用したところ、
- 迷わなくなる
- 伸ばすときにしっかり伸ばせる
- 利確の後悔が減る
と、メンタル負荷が劇的に軽くなりました。
ルールがあるだけで、判断が感情から「手順」に変わります。
パート7のまとめ → 次パート(8)へ
- トレンドフォローは「勝つときに伸ばす」ことで収益が安定する
- RRRは最低1:2。これだけで勝率が低くても勝てる
- 利確は「直近高値」「ATR値幅」「中期MA」で判断すると迷わない
- 分割決済はメンタル負担を大幅に減らす必須技術
- 利確は完璧を狙う必要はなく“ルールで決める”のが正解
次のパート8では、損切りと撤退戦略を体系化します。
「どこに損切りを置くか」はトレンドフォローの生命線なので、ここを理解するとトレード全体の質が一段上がります。
損切りと撤退プロトコル|トレンドフォローの“生存率”を最大化する技術
トレンドフォローの成否は「どこで損切りするか」でほぼ決まります。
初心者の多くは、
- 損切りを“最後の手段”と考えてしまう
- 根拠のない「耐えれば戻る」で致命傷を負う
- 損切りの幅がバラバラで負け方が安定しない
という状態に陥ります。
しかし、プロの思考は真逆で、
「損切り=死なないための最重要ルール」
と考えています。
トレンドフォローにおける損切りは、
・逃げるためのルールであり
・次のチャンスに参加するための前提
です。
ここでは、誰でも再現できる損切り設定3型+撤退プロトコルを体系化します。
トレンドフォローの損切りは「価格構造の外側」に置くのが鉄則
損切りの位置は、次の1つだけ覚えればOKです。
「押し安値(上昇)/戻り高値(下降)の外側」
それ以外に、合理的な理由は存在しません。
● 上昇トレンドの場合
- エントリー → 直近の押し安値の“少し下”に損切り
● 下降トレンドの場合
- エントリー → 直近の戻り高値の“少し上”に損切り
理由はシンプルで、
そこを割った(抜けた)=トレンド否定の事実
だからです。
この一貫性を守るだけで、大負けパターンはほぼ消えます。
損切り設定「3つの型」|初心者でも絶対に迷わない
トレンドフォローの損切りは、次の3パターンに分類できます。
① 価格構造型(もっとも推奨)
- 押し安値/戻り高値の外側に置く
- トレンド否定の瞬間に自動で逃げられる
② ボラティリティ(ATR)型
- ATR×1.0〜1.5を基準に損切り幅を設定
- 値動きの地合いに合わせてロット調整ができる
ATRの精密な使い方は、
ATRによるロット調整・損切り設計ガイド
が非常に参考になります。
③ 時間制限(時間の損切り)型
- 「想定した時間内に伸びない → 微損で逃げる」
特にブレイク型のエントリーでは、時間の損切りは非常に有効です。
損切り→ロット→RRR は“逆算”で決める|プロ思考の必須フロー
初心者がやりがちな間違いは、
「ロットを先に決める」ことです。
正しい順番は逆で、
① 損切り幅(pips)を決める
② 資金の1〜2%以内に収まるロットを逆算
③ RRR(最低1:2)で利確の位置を決める
このフローを守るだけで、リスク管理はほぼ完成します。
損切り→ロットの逆算方法は、
1〜2%ルールによるリスク管理ガイド
にまとめています。
撤退プロトコル(安全に逃げる技術)
トレンドフォローでは、「負けを小さく、勝ちを大きく」が絶対条件です。
そのために用意しておくべき撤退技術は、次の3つです。
① トレンド否定の瞬間に撤退
- 押し安値割れ → 即撤退(上昇)
- 戻り高値超え → 即撤退(下降)
この「即撤退」が資金を守ります。
② 再度伸びない場合は“時間の撤退”
- エントリー後、一定時間経っても高値(安値)更新しない
これは市場の意思が弱く、トレンドが不発の可能性が高いサインです。
③ イベント前の強制撤退
- 大きな指標(雇用統計・FOMCなど)の直前にポジションを持たない
トレンドフォローは「材料に乗る」戦略であり、材料の直撃を受ける戦略ではありません。
この撤退プロトコルを徹底するだけで、“致命傷の負け”が完全に消えます。
実体験:撤退プロトコルを導入したら年間成績が劇的に安定した話
昔の私は、
- 損切り幅が曖昧
- ロットが気分で変動する
- 「戻るはず」でナンピン
という典型的な負けパターンでした。
しかし、損切り→ロット→RRRの逆算フローと撤退プロトコルを導入したところ、
- 1回あたりの負けが常に一定
- ドローダウンが浅くなる
- 大勝ちの後にやらかす事故がなくなる
と、成績の安定感が別物になりました。
「負け方を整える」ことで勝ち方が安定するというのは本当です。
このパートで挿入した内部リンク
パート8のまとめ → 次パート(9)へ
- 損切りは「押し安値/戻り高値の外側」が鉄則
- 損切り→ロット→RRR の逆算がプロの思考
- 撤退プロトコル(否定・時間・イベント前)で致命傷を避ける
- 損切りを整えると勝ち方が安定し、メンタルも軽くなる
次のパート9では、ここまでの内容を使って、実際のチャートをイメージしながら「リアルトレードの流れ」を再現します。
トレンドフォローの実例を追体験することで、理解が一気に深まります。
リアルトレードの流れ|トレンドフォローの実戦プロセスを“追体験”で完全理解する
ここでは、パート1〜8で積み上げてきた知識をまとめ、実際のトレンドフォローがどのように行われるのかを「疑似トレード形式」で解説します。
これは初心者が最も理解しやすい“再現型トレード”で、
実戦の動きをイメージできるようになると、勝てる場面と勝てない場面の区別が一気にハッキリします。
まず最初に前提を決める|どの通貨・どの時間軸で戦うか
今回の例は「ドル円」「上昇トレンド」を想定します。
(※実際のチャートは不要。言語化だけで理解できます)
使用する時間軸
- 上位足:日足・4時間足(大きな方向を確認)
- 中位足:1時間足(押し目位置を判断)
- 下位足:15分足(エントリーのタイミングを見る)
STEP1|上位足で「方向だけ」を決める(逆張りを排除)
まず最初に見るのは日足→4時間足の順番です。
- 日足MA(20/75)が上向き
- ローソク足がMAの上に位置
- 高値・安値の切り上げが継続中
この時点で、方向は「買いだけ」に決定します。
上位足で方向が決まっているから、
1時間や15分で多少下がっても“押し目”として冷静に見られます。
方向を決める判断軸は、
複数時間軸の整合性チェック
でさらに深掘りできます。
STEP2|中位足(1時間)で「押し目候補」を探す
次に1時間足で押し目を確認します。
- 直近の押し安値ラインを引く
- 中期MA(20)に近づいている
- ローソク足に長い下ヒゲが出ている
こうした現象が重なると、押し目の予兆が見えてきます。
ライン戦略と押し安値の判断は、
ライン戦略の基礎
で理解が進みます。
STEP3|下位足(15分)で「反転の根拠」を細かく確認
押し目候補に到達したら、エントリータイミングを15分で探します。
具体的には以下のようなサインを探します。
- 下落の勢いが弱まる(ローソク足が小さくなる)
- 小さく高値を更新する(逆V字反転)
- ライン上でピンバー・包み足が出る
この瞬間が、「反転確認型」で最も安全なエントリーポイントです。
判断の精度を上げるテクニックは、
ブレイクと反転の見極めガイド
が役立ちます。
STEP4|損切りを先に置く(=生存優先)
ここで重要なのが、エントリー前に損切りを置くことです。
今回の例なら、
「直近の押し安値の少し下」
が損切りポイントになります。
損切り基準を明確にすることで、ロットの逆算が可能になります。
この逆算の根拠は、
資金の1〜2%ルール
で詳述しています。
STEP5|エントリー(押し目型)
反転を確認したら、買いでエントリーします。
ここでは以下の原則を遵守します。
- 押し安値の外側に損切りを置く
- ロットは損切り幅から逆算
- 欲張らず、ルール通りに入る
エントリー後は「伸びるのを待つだけ」です。
STEP6|利確は“分割”で行い、安全に利益を伸ばす
エントリー後、価格は上昇し始めます。
● 利確の流れ
- ① 直近高値 → 一部利確
- ② ATRを使った値幅 → 2回目の利確
- ③ トレンドが続く限り → 最後の1/3を伸ばす
これが、“負けは小さく、勝ちは大きく”の基本構造です。
利確の精度を上げる方法は、
利確最適化ガイド
でさらに磨けます。
STEP7|トレンド否定の瞬間に即撤退(負けを小さく保つ)
下位足で反転が起き、押し安値を割るような動きが出たら、迷わず撤退します。
理由は明確で、
押し安値割れ=トレンド否定の事実
だからです。
撤退の基準は、
損切り調整と撤退設計
を参照すれば、より実戦的なルールが作れます。
STEP8|トレードを言語化して振り返る(成長が加速する)
トレード後は、次の3点を簡単に振り返ります。
- ① 良かった点(再現したい部分)
- ② 反省点(改善ポイント)
- ③ 次回に繋がる改善策
振り返りは成長スピードを加速させます。
振り返りのテンプレートは、
トレードノートの書き方ガイド
が最適です。
実体験:この“再現型トレード”を覚えた瞬間、勝つ場面がハッキリした
多くの初心者が負ける理由は、
- 入る場所が曖昧
- 損切りが曖昧
- 利確が感情まかせ
という“曖昧さ”にあります。
しかし、今回のようにプロセスが固定化されると、
- 勝つべき場面と避けるべき場面の線引きが明確
- 判断が感情ではなく「手順」になる
- 勝ちパターンが再現しやすい
という状態になります。
つまり、再現型の流れを確立することが、
“勝ち癖をつける最短ルート”です。
パート9のまとめ → 次パート(10)へ
- トレンドフォローは「手順化」すると再現性が一気に高まる
- 上位→中位→下位の順で分析すると迷いが消える
- 押し目型が最も安定し、撤退プロトコルで“致命傷ゼロ”を実現
- 分割決済で安全かつ効率よく利益を伸ばせる
- トレード後の振り返りが成長速度を爆発的に上げる
いよいよ次で最終パート10です。
ここでは、この記事全体を圧縮した“完全テンプレート”を作成し、
いつでも再現できるようにまとめます。
トレンドフォロー完全テンプレート|いつでも再現できる“最強の型”をまとめて提供
いよいよ最終パートです。
ここでは、パート1〜9のすべてを凝縮し、
「この記事さえ見れば、毎回同じ質のトレードができる」
という“永久保存版テンプレート”を完成させます。
あなたが迷ったときは、必ずこのテンプレートに戻ってきてください。
勝ちパターンが必ず再現できます。
トレンドフォローの全体構造(完全ロードマップ)
まずは全体像を整理します。
トレンドフォローは「環境認識 → エントリー → 決済 → 撤退 → 振り返り」の5工程。
- ① 環境認識:方向を決める(上位足)
- ② エントリー:3型(押し目/ブレイク/反転確認)
- ③ 利確:分割+RRR目標で伸ばす
- ④ 損切り:押し安値・戻り高値の外側
- ⑤ 撤退プロトコル:否定・時間・イベント前
- ⑥ 振り返り:手順の改善と固定化
この流れを毎回ブレずに実行するだけで、勝ち方が自動化されます。
トレンドフォローの“完全テンプレート”|これを毎回なぞるだけでOK
▼トレンドフォロー完全テンプレート(保存推奨)
【STEP1】上位足(4H・日足)で方向だけ決める
- MAの傾き(20・75)が揃っているか
- ローソク足がMAの上か下か
- 高値・安値が切り上げ/切り下げているか
結論:買い or 売り、どちらか一方向だけ戦う。
環境認識の整え方は
複数時間軸の整合性ガイド
で深掘りできます。
【STEP2】中位足(1H)で押し目・戻りの位置を決定
- 直近の押し安値/戻り高値をラインにする
- 中期MA(20)が接近している値幅を注視
- ヒゲや反発サインが出ているか
ラインの引き方は
ライン戦略の基礎
で体系化されています。
【STEP3】下位足(15分)でエントリータイミングを確認
選ぶ型は3つだけ。必ずどれかに当てはまります。
● 押し目買い/戻り売り型(最優先)
- 反転の小さな高値更新(安値更新)を確認
- 中期MAで反発
● ブレイク型(材料・時間帯が揃った時のみ)
- 押し安値/戻り高値の突破
● 反転確認型(初心者に最も安全)
- ラインで反転 → 小反発 → その戻りでIN
ブレイクの本物と偽物の判定は
ブレイク識別ガイドが必須。
【STEP4】損切りを先に置く(逆算でロットを決定)
損切りの位置=押し安値/戻り高値の外側
損切り→ロットの逆算フロー
- 損切り幅(pips)を決める
- 資金の1〜2%以内に収まるロットにする
- RRR1:2を基準に利確目標を設定
逆算の計算方法は
1〜2%ルール
で丁寧に解説しています。
【STEP5】分割決済で利益を伸ばす
利確は“1回で全部”ではなく、必ず分割。
- ① 直近高値(安値)で1/3利確
- ② ATR目標で1/3利確
- ③ トレンドが続く限り1/3を伸ばす
利確ルールの体系化は、
利確最適化ガイドが最も実用的。
【STEP6】撤退プロトコル(負けを最小限にする手順)
撤退は次の3つだけ覚えればOK。
① トレンド否定で即撤退
- 押し安値割れ → 即逃げる
② 時間の損切り
- 一定時間伸びない → 微損撤退
③ イベント前撤退(雇用統計・FOMC)
撤退の設計は
ATR損切り設計
を使うと安定します。
【STEP7】トレード後の振り返り(最強の成長エンジン)
以下の3点を必ず書き出す。
- ① よかった点(再現する)
- ② 反省点(改善する)
- ③ 次のルール(固定化する)
振り返りテンプレは
トレードノート活用術
がそのまま使えます。
トレンドフォロー“完全チェックリスト”(保存版)
- 上位足の方向(買い/売り)だけを決めたか?
- 押し目/戻りの位置を1Hで確認したか?
- エントリー型は3つのどれかに当てはまるか?
- 損切りを“先に”置いてからロットを決めているか?
- RRR1:2を満たしているか?
- 利確は分割になっているか?
- 時間・イベント前の撤退ルールに従っているか?
- 終了後に振り返りをしているか?
この記事を読んだ初心者が「最速で勝てる」ための次アクション
この記事を読んだら、必ず次のステップに進んでください。
● 行動①:まず“押し目型だけ”に絞って実戦
たくさん覚えるより、まず1つを極めた方が早く勝てます。
● 行動②:リスク管理の土台を固める
1〜2%ルールでロット計算を固定化。
● 行動③:勝ちトレードの流れをテンプレ化
複数時間軸の揃え方を必ずマスター。
この記事全体まとめ
- トレンドフォローは「方向 → 位置 → タイミング」の3段階で考える
- エントリーは3型(押し目/ブレイク/反転確認)だけで十分
- 損切りを整えると勝ち方が安定する
- 利確は分割で“伸ばせるときだけ伸ばす”
- 撤退プロトコルで致命傷ゼロを実現
- 最後はテンプレ化で再現性が完成する
これで、初心者がトレンドフォローを「最短で理解し、再現できる」状態になりました。
必要なら、このあと「全文まとめPDF化」「別記事誘導用の内部リンク表」「導入文の最適化」「スニペット対策」なども作成できます。
次どうする?


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