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さぁ、始めよう。

第1章|FX基礎講座:初心者が必ず押さえるべき出発点【保存版】

FXは「通貨と通貨の交換差益」を狙う投資です。
24時間・少額から始められる一方で、知識不足のまま参入すると高確率で資金を失います。
本章では、仕組み / コスト / レバレッジ / 注文方法 / リスク管理 / 心理 / 学習手順まで、私の体験談と失敗例も交えて徹底解説します。
読み終える頃には、次の章(FXツール解説)へスムーズに進めるだけの土台が完成します。

重要: 本記事は情報提供を目的としたもので投資助言ではありません。元本割れ・急変動・スプレッド拡大・ロスカット等のリスクを理解し、 ご自身の判断と責任で取引してください。 本章の目次

  1. FXの仕組みと市場の基本
  2. 通貨ペアの種類|ドルストレートとクロス円
  3. 価格・pips・ロットと損益の計算
  4. レバレッジ・証拠金・ロスカットの仕組み
  5. 取引コスト|スプレッド・スワップ・スリッページ
  6. 注文の種類|成行・指値・逆指値・IFD/OCO/IFDOCO
  7. ボラティリティと時間帯(東京/ロンドン/NY)
  8. リスク管理のフレームと数式
  9. テクニカル×ファンダの基礎
  10. メンタル管理と学習ループ
  11. チェックリスト・用語集・よくある質問
  12. 次のステップ(ツール解説へ)

1. FXの仕組みと市場の基本

FX(Foreign Exchange)は、常に通貨ペアで取引します(例:USD/JPY)。 片方を買い、もう片方を売ることで、為替レートの変化から利益/損失が生じます。

【図解イメージ】
ニュース・金利・需給 → 通貨の需要が変化 → 売買バランスが崩れる → レートが上がる/下がる → チャートに反映

  • OTC市場: 為替は取引所ではなく世界中の金融機関が相対で売買。土日以外は24時間稼働。
  • 流動性: 世界最大規模。メジャー通貨はスプレッドが狭く、約定しやすい。
  • イベント駆動: 経済指標・要人発言・地政学で急変動。「知らずに持つ」は危険。

私の初期の大損は「雇用統計の日に、その存在すら知らずにポジション保有」したことが原因でした。 以後は指標カレンダー確認 → 直前は新規エントリーを避けるを徹底しています。

2. 通貨ペアの種類|ドルストレートとクロス円

通貨は性格が異なります。まずは大まかな分類を把握しましょう。

分類代表例特徴初心者適性
ドルストレートEUR/USD, GBP/USD, AUD/USD米国ファンダに素直。テクニカルも効きやすい。◎(まずここから)
クロス円GBP/JPY, EUR/JPY, AUD/JPY合成(ドル円×ドルスト)。値幅が大きく急変動しやすい。△(慣れてから)
その他USD/CHF, USD/CAD, NZD/USD商品・資源価格やリスクオン/オフの影響。○(基礎ができたら)

私の経験上、最初の3か月はUSD/JPY or EUR/USDに絞るのが圧倒的に効率的でした。 クロス円はボラが魅力ですが、焦り・過信・過剰レバレッジと組み合わさると破滅します。

3. 価格・pips・ロットと損益の計算

pips(ピップス)は値動きの最小単位(概念)。USD/JPYで1pips=0.01円(1銭)、EUR/USDで1pips=0.0001。 ロットは取引数量(国内は1万通貨が基準/少額口座は1000通貨や100通貨も)。

ペア1pipsの値1万通貨の損益/1pips例(50pips動いた場合)
USD/JPY0.01円約100円約5,000円
EUR/USD0.0001約1USD(円換算必要)約$50(円換算)
# 損益の基本式(概念)
損益 =(決済レート − 約定レート)× 取引数量

# USD/JPY 145.00 → 145.50 へ上昇(ロング1万通貨)
損益 =(145.50 − 145.00)× 10,000 ≒ 5,000円(スプレッド等除く)

数学が苦手でも、1pipsの価値自分のロットだけは暗記しましょう。 これが分かれば、損切り幅から「許容リスク金額」を逆算できます。

4. レバレッジ・証拠金・ロスカットの仕組み

レバレッジは資金効率を高めますが、損失も倍率で拡大します。 ここは生存率を左右する最重要ポイントです。

用語意味ポイント
必要証拠金建玉に必要な元手(目安:取引額÷レバ)レバ25倍なら約4%の証拠金で建てられる
有効証拠金残高+評価損益含み損が大きいと低下→危険域
証拠金維持率有効証拠金÷必要証拠金×100%一定以下でロスカット
# 例)資金10万円 / USDJPY 1万通貨 / レバ25倍
取引額 ≒ 145円 × 10,000 = 145万円
必要証拠金 ≒ 145万円 ÷ 25 = 58,000円

# 含み損が増えると…
有効証拠金 = 残高(10万円) + 評価損益
証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100%
→ 維持率が基準以下で自動強制決済(ロスカット)

私は維持率を軽視して強制ロスカットを経験しました。以後は「維持率○○%以下は即カット」と紙に書いて机に貼っています。

5. 取引コスト|スプレッド・スワップ・スリッページ

  • スプレッド: 実質的な手数料。狭いほど有利。指標時は拡大に注意。
  • スワップ: 金利差調整。高金利通貨ロングで受取、逆なら支払い。
  • スリッページ: 成行や逆指値で思った値より不利に約定する現象。

三大落とし穴: 指標前後のスプレッド拡大 / 週明けギャップ / 祝日の流動性低下。 これを避けるだけでも損失はかなり減ります。

6. 注文の種類|成行・指値・逆指値・IFD/OCO/IFDOCO

成行=今すぐ約定、指値=有利な価格で待つ、逆指値=勢いに乗る/損切りに使う。 国内口座ではIFD(新規と決済の同時予約)OCO(利確/損切りの同時予約)IFDOCO(新規→OCOを自動)が便利です。

【使い分けのコツ】
・ルール派:指値+逆指値+OCOで感情排除
・突破狙い:逆指値エントリーでトレンドフォロー
・ミス防止:IFDOCOで入る時点で出口を決める

7. ボラティリティと時間帯(東京/ロンドン/NY)

時間帯(日本時間)特徴向く戦略
東京(9:00–15:00)比較的静か。指値でコツコツが機能。レンジ逆張り・小幅抜き
ロンドン(16:00–24:00)一番動く。欧州指標・初動に注意。ブレイク・トレンドフォロー
NY(22:00–翌6:00)米指標で急変。NY後半は失速しがち。指標後の押し戻り・利確

私は「ロンドン初動の逆張り」で連敗し、初動に逆らわないを戒めにしました。 まずは動く方向を確認→戻り/押しで参加、が安全です。

8. リスク管理のフレームと数式(超重要)

勝ち残るカギは「当てる」より負け方を規定すること。次のルールを紙に書いて机に貼ってください。

  1. 1回の損失=資金の2%以内(初心者は1%推奨)
  2. 全ポジ合計リスク=5%以内
  3. 損切りは機械的に執行(IFDOCO/逆指値を常にセット)
# ロット計算の定石
許容損失額 = 口座残高 × リスク%
ロット = 許容損失額 ÷(損切り幅pips × 1pips価値)

# 例)残高100,000円 / リスク2% / USDJPY 1pips=約1円/1万通貨
許容損失 = 100,000 × 0.02 = 2,000円
損切り幅 = 40pips
ロット ≒ 2,000 ÷ 40 ≒ 0.5万通貨(= 0.5ロット)

期待値(Expectancy)で戦略の良し悪しも数値化できます。

# 期待値(1回あたりの平均損益)
Expectancy = 勝率 × 平均勝ち幅 − 敗率 × 平均負け幅

# 例:勝率45% / 勝ち+60pips / 負け-30pips
E = 0.45×60 − 0.55×30 = 27 − 16.5 = +10.5pips
→ 長期的にプラス期待(= 良い戦略)

私はこの式で初めて「勝率が低くても、損小利大なら勝てる」と腹落ちしました。

9. テクニカル×ファンダの基礎

テクニカル(チャート)

  • トレンド判定: 高値安値の切り上げ/切り下げ、移動平均の傾き
  • 水平線: 直近高安・ネックライン・週足レベルの節目
  • オシレーター: RSI・MACDはダイバージェンスに注目
  • ボラ指標: ATRで損切り幅/利確幅を調整

ファンダメンタルズ(経済)

  • 金利差: 長期方向の源泉(スワップにも直結)
  • 中央銀行: 日銀/FRB/ECB/BOEの政策と発言
  • 重要指標: CPI・雇用統計・PMI・GDP・小売売上高

【実践の流れ】
① 週足・日足で方向性 → ② 4H/1Hで環境認識 → ③ 15M/5Mで具体的な押し目・戻り目を特定 → ④ 指標カレンダーで時間帯確認

10. メンタル管理と学習ループ

私の最大の敵は「取り返したい」という焦りでした。負けの後ほどロットを上げがちです。 そこで次のルールを導入しました。

  • 連敗したらロット半減、3連敗でその日は終了
  • 毎回同じ手順: チェックリスト→計画→実行→記録→振り返り
  • トレード日誌: 根拠・感情・ミス・学びを1行でも残す

【日誌テンプレ】
・日時/時間帯:
・通貨/方向:
・根拠(テク/ファンダ):
・計画(エントリ/損切/利確):
・結果(pips/金額):
・感情(入る前/後):
・改善ポイント(次は○○をやめる/徹底する):

11. 実践チェックリスト・用語集・よくある質問

実践前チェック

  • 今日の重要指標と発表時刻は把握したか?
  • 時間帯の特性(東京/ロンドン/NY)を考慮したか?
  • 1回のリスク%とロットは計算済みか?(IFDOCOで登録)
  • シナリオ(想定外の動きの対処含む)を紙で用意したか?
  • 感情が乱れていないか? 連敗ならロット半減・終了ルール遵守

ミニ用語集

pips為替の最小値動き単位の慣用表現
スプレッド売値と買値の差(実質手数料)
スワップ金利差調整額。保有で受取/支払い
IFDOCO新規→(利確と損切の)OCOを自動設定

よくある質問(抜粋)

Q. 初心者はどの通貨から始めるべき?

USD/JPY または EUR/USD でOK。流動性が高くスプレッドが狭い。まずはここで「基礎動作」を固める。Q. 損切り幅はどう決める?

水平線/直近安値高値/ATRで決定。先に損切り→ロットを合わせるが鉄則(逆はダメ)。Q. 負けが続いた時の対処は?

ロット半減→チェックリスト再確認→シミュレーション→日を改める。取り返し思考は厳禁。

12. 次のステップ(ツール解説へ)

ここまでで「仕組み・計算・ルール・心構え」の土台が整いました。 次章では実戦力を底上げするためのFXツール解説へ進み、 チャートソフト / 指標カレンダー / リスク計算 / ニュース速報 / 日誌の最適セットを構築します。

内部リンク推奨:
・まずは FX基礎講座カテゴリ の用語解説記事を一読
・同時に 安全性で選ぶFX口座比較 で口座環境を整える
・実戦前に 体験談・実録 で「落とし穴」を先回り学習 【私の失敗録まとめ】
・雇用統計の日に持ち越し→スプレッド拡大+逆行で即ロスカット
・GBP/JPYに初挑戦→50pipsの想定が150pips逆行、損切り未設定で致命傷
・連敗後にロット倍→取り返そうとしてさらに損失拡大
→ 解決策:IFDOCO徹底 / リスク2%ルール / 指標前は新規禁止 / 日誌で再発防止

第2章|FXツール解説:勝率を底上げする必須セット【実践テンプレ付き】

勝てるトレードは「勘」ではなく「仕組み」から生まれます。
その仕組みを支えるのがツール群です。チャート、指標カレンダー、リスク計算、ニュース、日誌。
本章では、初心者が迷わず導入できる最小構成から、私が実戦で行き着いた完成形セットまで段階的に提示し、具体的な操作手順・失敗回避策・運用ルールをまとめます。

前提: ツールは「増やす」ほど良いのではなく、意思決定が速く・一貫することが正義。
使い方が定まらないツールは、迷いとノイズを増やすだけです。 本章の目次

  1. 導入ロードマップ(最小→標準→完成形)
  2. チャート分析ツール:MT4/MT5/TradingViewの使い分け
  3. 最小限のインジケーター・テンプレ配置
  4. 経済指標カレンダーの活用ルール
  5. リスク管理ツール:ロット計算と期待値設計
  6. ニュース・アラート環境の作り方
  7. トレード日誌テンプレと自己レビュー術
  8. 自動化・チェックリスト化(開場前5分ルーチン)
  9. 用途別プリセット(デイトレ/スイング/長期)
  10. 次のステップ(体験談・実録へ)

1. 導入ロードマップ(最小→標準→完成形)

段階目的必須ツール到達基準(卒業条件)
最小構成迷わずエントリー/エグジットできるTradingView(無料)+ 指標カレンダー + ロット計算表損切り遵守率90%以上/月次-5%以内で収束
標準構成戦略の反復と改善サイクルの確立TradingView+MT4/MT5+ニュースアプリ+日誌アプリ期待値がプラス(E>0)/月次±3%の範囲で安定
完成形意思決定を自動化し、ブレを最小化チェックリスト自動化(タスク管理)+ アラート設計+複数画面プリセット年次で右肩上がり/ドローダウン時の回復手順が定型化

私の失敗は「最初から全部入れて混乱」。段階的に増やすのが正解でした。

2. チャート分析ツール:MT4/MT5/TradingViewの使い分け

  • TradingView: 直感的操作・マルチデバイス・共有/アラートが強力。日常の監視と下準備に最適。
  • MT4: 定番。カスタムインジ/EAが豊富。国内口座の連携/発注に相性◎。
  • MT5: 高速&多時間足/銘柄分析に強い。バックテストや板情報の拡張が魅力。

【実戦の分担例(私の現在)】
監視・設計: TradingView(週足→日足→4Hで環境認識、1H/15Mで仕掛けポイント)
発注・検証: MT4/MT5(IFDOCO、ティックでの約定確認、リプレイ/バックテスト)

3. 最小限のインジケーター・テンプレ配置

増やしすぎは逆効果。以下のミニマム5点セットで十分戦えます。

  1. 移動平均線(EMA20/EMA50/EMA200)… トレンド方向と押し戻りの目安
  2. 水平線… 直近高安・ネック・週足節目を手書きで
  3. ATR(14)… 損切り/利確幅の客観指標
  4. RSI(14)… ダイバージェンス確認用
  5. 出来高/セッション区分… ロンドン初動/NY重なりの把握

【テンプレ運用ルール】
・週足/日足:水平線とEMA200のみ(大きな流れ)
・4H/1H:EMA20/50/200+水平線で環境認識
・15M/5M:エントリー精緻化(RSI/ATRは補助。シグナルの「一致」を待つ)

4. 経済指標カレンダーの活用ルール

「知らずに巻き込まれる」をゼロにする簡単ルール。

  • ★印の高重要度(雇用統計/CPI/FOMCなど)は新規エントリー禁止
  • 発表30分前にポジションを軽くするorゼロにする
  • 発表直後は1本(5〜15分)待って方向とスプレッドの収束を確認
  • 週初のイベント・要人発言の予定を日曜に1度まとめ読み

私はこれで「指標クラッシュ」の大半を回避できるようになりました。

5. リスク管理ツール:ロット計算と期待値設計

表計算(スプレッドシート)で十分です。以下の3セルだけでも効果絶大。

項目計算式(例)目的
許容損失額= 残高 × リスク%(例0.02)負け方を先に決める
推奨ロット= 許容損失額 ÷(損切り幅pips × 1pips価値)過剰ロットを防ぐ
期待値E= 勝率×平均勝ち − 敗率×平均負け戦略の良否を数値化

この表をスマホで見られるようにしておくと、外出先でも冷静にサイズ調整できます。

6. ニュース・アラート環境の作り方

狙いは「早すぎず、遅すぎず」。過剰速報で思考を乱さないこと。

  1. 経済指標はカレンダーで事前把握(当日朝に再確認)
  2. 要人発言・緊急ニュースは2系統で通知(公式アプリ+Xのリスト)
  3. TradingViewで価格到達アラート(節目・ブレイク候補)

【注意】通知を無制限にすると「常時ソワソワ」状態に。
価格レベル・時間帯・重要度で通知を設計して、意思決定の邪魔をさせない。

7. トレード日誌テンプレと自己レビュー術

勝てない時期ほど、書くのが特効薬。完璧でなくてOK、継続がすべて。

日誌テンプレ(1トレード1分)
・日時/時間帯|通貨/方向|根拠(テク/ファンダ)
・計画(Entry/SL/TP)|結果(pips/金額)
・感情(入る前/最中/後)|再発防止メモ(次にやらない1つ)

週末は「勝ちパターン/負けパターン」を3例ずつ抜き出し、チェックリストに昇華するのがコツ。

8. 自動化・チェックリスト化(開場前5分ルーチン)

【開場前5分ルーチン】
1) 指標:本日の★イベント時間を再確認(発表30分前新規禁止)
2) 時間帯:東京/ロンドン/NYの狙いを一言で
3) 水平線:週足・日足・直近高安の価格を読み上げ確認
4) 計画:シナリオA/B(入る条件・入らない条件)
5) サイズ:リスク%→ロット表で数量決定(IFDOCO登録)

たった5分でも、ブレと事故が激減します。

9. 用途別プリセット(デイトレ/スイング/長期)

用途時間軸プリセットインジ/描画補助ツール
デイトレ1H/15M/5MEMA20/50/200、直近高安、セッション区分価格アラート、ロット計算、指標カレンダー
スイング日足/4H/1H週足水平線、EMA50/200、ATR要人発言アラート、日誌レビュー
長期週足/日足金利・スワップ、主要トレンドライン月次レポート、期待値/ドローダウン管理

10. 次のステップ(体験談・実録へ)

ツールは環境であり、使い方=習慣が成果を決めます。
続く第3章では、私の失敗談・成功談を「実録」として公開し、いま整えたツール環境をどう運用すると勝率・再現性が上がるのかを具体的に示します。

内部リンク:
・まずは FX体験談・実録記事 を読む(落とし穴を先回り)
・口座未整備なら 安全性で選ぶFX口座比較 で取引基盤を固める
・基礎の復習は FX基礎講座カテゴリ【コラム:私のツール遍歴】
①MT4だけで開始 → カスタム過多で迷子 → 勝てず
②TradingView導入 → 監視&設計が激的にラクに → 余計な指標を削除
③ニュースとカレンダーにフィルター → 「見るべき」のみ通知
④ロット計算とIFDOCO徹底 → 事故減少・心拍が下がる
⑤日誌テンプレ運用 → 勝ち/負けパターンが言語化 → ルールが自分のものに

第3章|体験談・実録:負けパターンを潰し、勝ちパターンを量産するまでの記録

勝つ方法を学ぶ前に、まず「なぜ負けたか」を解剖する必要があります。
本章は、私が実際に記録してきたトレードの“良い/悪い”サンプルを、根拠→実行→結果→反省→再発防止の流れで公開する実録パートです。
ルール化・テンプレ化・自動化に落とし込む過程まで示し、再現可能な勝ち方を読者の環境へ移植できるように設計しています。

注意: ここに記すログは、学びの共有を目的とした個人の実録です。投資判断はご自身の責任でお願いします。 本章の目次

  1. 私を破綻寸前に追い込んだ「負けパターン」5選
  2. 月次プラスを安定化させた「勝ちパターン」5選
  3. 実録ログ:良い/悪いトレード3本ずつ(計6ケース)
  4. 感情トリガーの可視化と“予測的対処”
  5. ルール化テンプレ(IFDOCO・サイズ・時間帯)
  6. 週次・月次レビューの具体手順(テンプレ付)
  7. 関連カテゴリへの導線

1. 私を破綻寸前に追い込んだ「負けパターン」5選

  1. 取り返し病(リベンジロット)
    連敗直後にロット倍。期待値ではなく感情が主導。→ 一撃退場パターン。
  2. ニュース軽視
    重要指標の直前/直後に成行で飛び乗り。スプレッド拡大&乱高下で即損切り。
  3. クロス円の“勢い”過信
    GBP/JPYの高速反転に置き去り。損切り遅れて傷口拡大。
  4. 維持率の盲点
    小さな損切り拒否→含み損が溜まりロスカット寸前まで放置。
  5. テンプレ不在
    その日の気分でインジや時間軸を変更。検証不能=学習ゼロ。

【教訓】
感情・イベント・ボラ・維持率・テンプレ。
この5つを固定化するだけで「致命傷」はほぼ消える。

2. 月次プラスを安定化させた「勝ちパターン」5選

  1. 方向確認 → 押し/戻り待ち → 逆指値エントリー
    ロンドン初動は順張り一択。飛び乗らず、押し戻りで。
  2. IFDOCOのワンセット化
    入る前に出口を決める。手動の迷いを排除。
  3. ATR基準の損切り幅
    固定pipsでなくボラ連動。早すぎ/遅すぎを防ぐ。
  4. “やらない”時間の設定
    指標30分前/直後・NY後半は原則休む。
  5. 週足水平線→日足→4H→1H→15Mのトップダウン
    上位で方向、下位でトリガー。常に同じ順番。

3. 実録ログ:良い/悪いトレード3本ずつ(計6ケース)

悪いログ①|雇用統計直後の成行飛び乗り(USD/JPY)

  • 状況: 予想上振れで初動急騰。FOMOで成行ロング。
  • 結果: スプレッド拡大+一瞬の反落で-25pips損切り。
  • 原因: 事前ルール「発表直後は1本待つ」を破った。
  • 対策: 指標日は逆指値エントリー禁止IFDOCOのみに固定。

悪いログ②|GBP/JPYの逆張りナイフキャッチ

  • 状況: ロンドン初動で下落トレンド明確。直近安値で買い指値。
  • 結果: さらに加速して-60pips。
  • 原因: トレンド転換の根拠ゼロ(ただの値頃感)。
  • 対策: ロンドン初動は順張りのみ。逆張りはNY後半のレンジで検討。

悪いログ③|損切り拒否→維持率警報

  • 状況: 想定外の連続陰線。損切り外して祈り。
  • 結果: 含み損拡大、有効証拠金減少で身動き不能。
  • 原因: 「戻るはず」思考。計画逸脱。
  • 対策: IFDOCOを外さない。メモ「外したら即退場」。

良いログ①|ロンドン初動の押し目買い(EUR/USD)

  • シナリオ: 週足・日足で上。1Hで高値更新、15Mで押し目待ち。
  • 実行: EMA20タッチ+高値切上げで逆指値Buy、IFDOCO登録。
  • 結果: +38pips、R:R≒1:1.8 で利確。
  • 所感: 方法が毎回同じだと迷わない。再現性が高い。

良いログ②|NY前の戻り売り(USD/JPY)

  • シナリオ: 日足下降、4H下降。1H戻りで売り場探索。
  • 実行: 直近戻り高値手前で指値Sell、損切りはATR×1.2。
  • 結果: NY開始で下降再開、+55pips。
  • 所感: ATR基準のSLが“早すぎる刈られ”を回避。

良いログ③|指標後の“二段目”だけを狙う(GBP/JPY)

  • シナリオ: 指標で一方向に伸びた後、半値押しからの第2波。
  • 実行: 半値〜61.8%押しで逆指値、IFDOCO、R:R=1:2設定。
  • 結果: +72pips(分割利確)。
  • 所感: 初動は捨てて“二段目に限定”が私の性格に合う。

4. 感情トリガーの可視化と“予測的対処”

負けの多くは「感情トリガー」から始まります。私のトリガーと対策を公開します。

トリガー兆候先手の対策(予防)当日の対処(発症後)
FOMO(置いていかれる恐怖)成行を押す指が震える/早口になる「押し戻りでのみ入る」と画面に貼る深呼吸3回→5分待機→逆指値だけ許可
取り返し病ロット設定をいじり始める「3連敗で終了」カードを机に固定ロット半減→1回だけ許可→その後は終了
過信(連勝後の慢心)根拠が雑、計画を省略チェックリスト読み上げ必須化一旦PC離席→水分補給→最小ロットに戻す

5. ルール化テンプレ(IFDOCO・サイズ・時間帯)

【固定ルール(壁貼り用)】
1) 1回の損失=口座残高の2%以内(初心者1%)
2) 新規はIFDOCOのみ(利確TP/損切SLを同時登録)
3) 指標30分前/直後に新規禁止(高重要度)
4) ロンドン初動は順張り限定、逆張りはNY後半のみ
5) 3連敗でその日終了、連勝後はロット据え置き

【発注テンプレ(IFDOCO)】
・Entry:逆指値(押し/戻りのトリガー) or 指値(戻り高値/押し安値)
・SL:ATR(14) × 1.2(最短の無効化ポイントの外側)
・TP:SLの1.5〜2.0倍(分割利確:1/2→建値ストップ移動)

6. 週次・月次レビューの具体手順(テンプレ付)

週次レビュー(30分)

  1. 勝ち/負けパターンを各3つスクショ保存(根拠・時間帯・サイズ)
  2. 「不要な行動」トップ3を決め、翌週のチェックリストに追記
  3. 指標・時間帯・通貨ごとの成績を集計(やる/やらないの線引き)

月次レビュー(60分)

  1. 期待値E・勝率・平均R・最大DD(ドローダウン)を算出
  2. ロット政策を再調整(増やすのは勝ちパターンに限定)
  3. テンプレ見直し(インジ削減/水平線の精度強化/アラート再設計)

【ワンポイント】
伸ばすのは「勝ちの源泉」だけ。
時間帯・通貨・セットアップで“勝ち筋”を見つけたら、他は削る。

7. 関連カテゴリへの導線(内部リンク)

総括:体験を「仕組み」に変えると、勝ちが“貯まる”

実録から見えてくるのは、負けは偶然ではなく再現性のある原因を持つこと、そして勝ちも再現可能な手順を持てることです。
感情を予測し、IFDOCOとサイズで事故を封じ、時間帯とテンプレで“いつも同じやり方”を貫く――それが私の月次プラスを支えたコアでした。
次章では、この体験記で抽出した原則を土台に、安全性で選ぶFX口座の整備へ進みます。
基盤が整えば、戦略はさらに機能します。

第4章|安全性で選ぶFX口座:規制・保全・約定・開示・運営の5軸を“数値化”して選ぶ【超実務ガイド】

取引戦略よりも先に効くのが口座の安全性です。
本章では、国内外の規制差、顧客資金の保全スキーム、約定品質の実測、リスク開示の読み解き、運営健全性の裏取りまで、実務で迷わない決め方を提示します。
チェックリスト(30項目)を拡張し、重み付けスコアの作り方、問い合わせテンプレ試験発注プロトコル障害対応プレイブックまで用意しました。

免責: ここで扱う内容は情報提供であり、特定事業者の勧誘ではありません。最新の公式情報を確認し、ご自身の判断責任でご利用ください。税務・法務は専門家にご相談ください。 本章の目次

  1. 国内/海外の規制ランドスケープと違い
  2. 顧客資金の分別管理・信託保全・補償スキーム
  3. 約定品質の“現場評価”ベンチマーク
  4. リスク開示を数値化して理解する
  5. 運営健全性とレジリエンスの裏取り
  6. 口座タイプ(DD/STP/ECN)の実務的使い分け
  7. 拡張チェックリスト(40項目)と点数化例
  8. 問い合わせテンプレ(例文)&確認ログの残し方
  9. オンボーディング&試験発注プロトコル
  10. 障害・異常時のプレイブック(利用者側)
  11. 税務・KYC/AML・セキュリティ最適化
  12. 意思決定マトリクス(重み付け)+比較デモ
  13. 関連カテゴリーへの導線

1. 国内/海外の規制ランドスケープと違い

規制は「最初のふるい」です。国内は一般に保護が厚く、レバレッジや表示義務が厳格。一方、海外は条件が多様で、メリット(ゼロカット・ECN透明性など)もあればリスク(監督や補償の差)もあります。

観点国内ブローカー海外ブローカー利用者側Tips
レバレッジ規制個人最大25倍など数百倍表示も(証拠金管理は自己責任)低レバで十分。多倍率は事故増幅要因
資金保護分別管理/信託保全が一般的国/業者で差。補償枠の明確化が鍵スキームの具体名で確認
開示・広告誇大広告の規制強め幅が広い(精査必須)“必ず勝てる”に近い文言はレッドフラグ

海外口座を使う場合は、登録番号・監督機関・補償制度・苦情窓口をテキストで保存(スクショ+URL)しておきましょう。

2. 顧客資金の分別管理・信託保全・補償スキーム

ここが“最終防波堤”。分別管理(会社資金と分離)と信託保全(信託銀行等で保全)の有無/範囲を確認。補償制度(上限/対象)も重要です。

  • 信託先の名称保全範囲(現金/含み益/スワップ等)が明記されているか
  • 入出金の手数料/日数/名義が明確か(第三者名義拒否など)
  • 不正出金対策(2FA/出金ホワイトリスト/電話確認)

【実務Tip】
口座開設後すぐに「少額入金→少額出金」をテスト。所要日数と連絡有無を記録し、将来のトラブル時に比較できるようにします。

3. 約定品質の“現場評価”ベンチマーク

“公開数値”だけでなく、自分の端末での実測が命です。下記を1〜2週間で集計。

  1. 通常時/指標時/薄商い時のスプレッド(平均・最大)
  2. 逆指値/IFDOCOの滑り幅(±pips)分布
  3. リクオート/約定拒否の件数と理由(ログ保存)
  4. 板(ECN)/気配(DD)での表示と実際の乖離
テスト条件KPI例判定目安
平常時(東京帯)平均スプレッド/約定率/滑り中央値公開値±許容範囲、滑りは小/対称
ロンドン初動成行/逆指値の滑り幅、拒否率極端な逆方向滑りが常習なら警戒
高指標直後最大スプレッド/約定拒否の扱い事前説明と整合しているか

4. リスク開示を数値化して理解する

  • 証拠金維持率: 警戒/強制の境目(%)を把握し、自分の撤退基準に反映
  • 追証 or ゼロカット(NBP): 週明けギャップ/極端変動の扱いを確認
  • 逆指値通過: どの価格で約定とみなすか(約款の文言を保存)
  • スワップ: 付与/徴収の曜日・複数日計上・公告方法
# 自分のルール化(例)
・維持率 〇〇%→全決済、△△%→縮小(1/2)
・指標30分前と週明け直後は新規禁止
・SLは必ずIFDOCO、外したらその日終了

5. 運営健全性とレジリエンスの裏取り

“平時”は差が出にくい項目。有事の透明性が生死を分けます。

  • 決算/監査の開示(概要でも可)、監査法人名
  • 稼働状況ページ(障害履歴・復旧報告・SLA)
  • サポートの応答SLA(時間・言語・窓口)
  • BCP(事業継続計画)や障害時の補償方針の明示

6. 口座タイプ(DD/STP/ECN)の実務的使い分け

タイプ向き長所留意点
DD裁量全般/スイングスプレッド狭め/約定安定内部相対の透明性は規約で確認
STP裁量〜長期外部LPへのカバーで透明性高め可変スプレッドは拡大を許容
ECNスキャル/高頻度デイ板での透明性、極小スプ+手数料小ロットは総コストが上がることも

最初は約定とコストが安定する口座を基軸に。ECNは戦略が固まってからでOK。

7. 拡張チェックリスト(40項目)と点数化例

0〜2点(0=不十分/1=標準/2=優良)×40項目=80点満点。60点以上を第一候補に。

カテゴリ例示チェック項目(抜粋)
監督・登録(8)登録番号/監督機関/苦情窓口の明示
規約/重要事項の日本語整備と更新履歴
個人情報/セキュリティ方針の詳細
広告表現の妥当性(誇大NG)
KYC/本人確認の厳格性(2FA含む)
居住/年齢/適合性ルールの明記
リスク開示がトップから辿れる
苦情対応の手順・期限の明確化
分別管理・保全(8)分別管理の明記/第三者監査の有無
信託保全/補償制度の範囲・上限・信託先名称
入出金の手数料・所要日数の明示/遵守実績
不正出金対策(2FA/出金口座ホワイトリスト等)
税務用年間報告書の提供
スワップ/配当相当の計上ルールの明確性
口座凍結/休眠時の扱い・手数料の明示
名義/第三者入金の扱い(拒否基準)
約定品質(8)約定率/スリッページ統計の公開有無
指標時スプレッド拡大の事前説明と整合性
デモとライブの乖離説明(明文化)
注文ログ/取引報告の取得容易性
サーバ障害時の補填/裁定ルールの明記
プラットフォーム(MT4/MT5/独自)安定性
固定/変動スプレッドの透明性(例外条件)
注文種別(IFDOCO等)の提供範囲
リスク開示(8)維持率/ロスカット/追証/NBPの定義と例示
ギャップ時/通過時の約定ルールの明記
週末持ち越し/祝日流動性の注意喚起
商品仕様書(スワップ/ロット上限等)の整備
メンテナンス時間の明示と告知体制
取引停止/再開基準(異常変動時等)の明記
建玉制限/マージンコールの運用実態
顧客への警告/メール配信の品質(遅延有無)
運営健全性(8)決算/監査の開示・監査法人・親会社情報
稼働/障害ステータスページの整備度
サポートSLA(時間/言語/チャネル/品質)
苦情の公開対応/再発防止策の発信
コンプライアンス教育/内部統制の説明
外部評価(格付/第三者レビュー)の有無
事業継続(BCP)・バックアップ体制
利用規約更新頻度と周知の仕方

点数化デモ(例・仮想のA社/B社)

カテゴリA社(点)B社(点)
監督・登録(8)14/1611/16
分別管理・保全(8)15/1610/16
約定品質(8)12/1613/16
リスク開示(8)13/1610/16
運営健全性(8)14/1612/16
合計68/80 → 第1候補56/80 → 見送り

数値化すると、魅力的なボーナスや派手な広告に流されにくくなります。

8. 問い合わせテンプレ(例文)&確認ログの残し方

件名:口座開設前の確認(約定品質・資金保全・リスク規程)

・登録番号/監督機関/苦情窓口URL
・顧客資金の分別管理/信託保全(信託先名称・補償上限)
・維持率/ロスカット/追証 or NBP・ギャップ時の扱い
・指標時/週明けのスプレッド拡大とスリッページ取扱
・障害時の補填ポリシー(エビデンス提出方法)
・入出金の所要日数と手数料、不正出金対策(2FA等)

※テキストでのご回答をお願いいたします。

回答はPDF化して保管。将来のトラブル時に運用実態と照合できます。

9. オンボーディング&試験発注プロトコル

  1. KYC/2FAを完了、ログイン履歴の確認方法を把握
  2. 予定運用資金の10〜20%を少額入金 → 反映時間を記録
  3. IFDOCOの試験発注(平常/ロンドン初動/指標後で各1回)
  4. 少額出金を実施(着金日数/手数料/連絡の有無を記録)
  5. 2週間、KPIが基準を満たしたら運用ロットへ段階的に拡大

【拡大条件の例】
・平常時スプレッドが公開値±許容範囲内
・滑り分布が左右対称(極端な逆方向偏りなし)
・入出金SLAが説明通り(遅延なし)

10. 障害・異常時のプレイブック(利用者側)

  1. 現象のスクショ/画面録画・時刻・通貨・注文IDを保存
  2. 約款該当箇所を引用しつつ、事実ベースでサポートへ連絡
  3. ポジションは過度に追わず、総リスク5%以内を死守
  4. 状況共有の返信は全て保存(PDF化)
  5. 復旧後に検証(ログ照合)→再発防止ToDoを日誌化

11. 税務・KYC/AML・セキュリティ最適化

  • 税務: 年間損益・手数料・スワップ等の集計を月次で更新(年末一括はミス増)。
  • KYC/AML: 名義厳格、第三者入金禁止、疑義取引は凍結リスク。
  • セキュリティ: 2FA必須、出金先ホワイトリスト、重要メールはフィルタ固定。

税務・法務は管轄や個別事情で異なるため、必ず専門家へ確認してください。

12. 意思決定マトリクス(重み付け)+比較デモ

例として、重み付け合計100%で配分:

評価軸重み(%)解説
監督・登録25基礎的保護
分別管理・保全25資金の最終防波堤
約定品質20日々のストレス
リスク開示15有事の明確性
運営健全性15長期信頼

拡張チェックリスト点 × 重みで総合評価。第一候補+バックアップ口座の二段構えが安心です。

13. 関連カテゴリーへの導線(内部リンク)

総括:安全な“土台”は、勝率より先に効く

どんな名戦略も、不透明な口座では再現できません。
本章の5軸×40項目の点数化問い合わせテンプレ試験プロトコル障害プレイブックを使い、まずは基盤を固めてください。
次章では、いよいよ戦略入門に進み、勝ち筋を「型」と「数値」で作ります。

第5章|戦略入門:4つの“型”をボラと時間帯で最適化し、IFDOCOと期待値で運用する

勝ち続ける鍵は同じ型を、同じ順序で、同じ基準値で回すこと。
本章は、実戦で磨いた4セットアップ(順張りプルバック/ブレイク&リテスト/レンジ逆張り/RSIダイバ反転)を、時間帯・通貨特性(ドルスト/クロス円)・ATRボラに合わせて最適化し、IFDOCO・R:R・期待値Eで数値運用する“完全実装書”です。

YMYL/免責: 本章は教育目的の一般情報で、特定銘柄・口座・売買を推奨しません。投資判断は自己責任。
すべての戦略はデモ/最小ロット→段階拡大で検証してから運用してください。 章の構成

  1. 戦略フレーム:時間軸×通貨特性×ATRの三位一体
  2. アラート設計(待てる仕組み)
  3. セットアップ① 順張りプルバック
  4. セットアップ② ブレイク&リテスト
  5. セットアップ③ レンジ逆張り
  6. セットアップ④ RSIダイバージェンス反転
  7. サイズ決定とリスク管理(Rベース)
  8. ポジション管理(分割利確/建値移動/時間ストップ)
  9. ボラ体制とセッション最適化(ドルスト/クロス円)
  10. 期待値E・R:R・勝率の設計
  11. 検証SOP(バックテスト→フォワード→最適化)
  12. トレード日誌テンプレ(再現の源)
  13. 失敗回避Q&A(よくある落とし穴)
  14. 関連カテゴリへの導線

1. 戦略フレーム:時間軸×通貨特性×ATRの三位一体

選択肢固定ルール(例)やらかし回避
時間軸デイ(1H/15M/5M)/スイング(D/4H/1H)週足→日足で方向、4H/1Hで設計、15M/5Mでトリガー日内で足を変えない(検証不能を防止)
通貨特性ドルスト(素直)/クロス円(合成×ボラ大)初心者=ドルスト優先。クロス円はSL広め×ロット小クロス円の急反転で粘らない(建値逃げ徹底)
ATR(ボラ)低/中/高(ATR14基準)SL=ATR×1.2〜1.8、TPはR:Rで固定(1:1.5〜2.5)固定pipsのSLを禁止(“刈られ”多発)

このフレームに4つの型をはめ、IFDOCOで“入る前に出口”まで決めます。

2. アラート設計(待てる仕組み)

「待てる人が勝つ」。価格/時間/イベントの3層でアラートを設計し、飛び乗りを物理的に禁止します。

狙い設定例
価格節目接近を通知週足/日足の水平線±数pips、ブレイクライン±ATR×0.3
時間セッション切替で集中ロンドン開始5分前、NY前30分にリマインド
イベント新規禁止の徹底重要指標の30分前→「新規禁止」ポップアップ

3. セットアップ①|順張りプルバック(押し目買い/戻り売り)

【狙い】既存トレンドの“呼吸(押し/戻り)”で参加。
【適性】ロンドン帯×ドルスト◎/クロス円はSL広め×ロット小。

判定・条件

  • 日足or4Hで高値切上げ/切下げ+EMA50/200が順傾斜
  • 1H/15MでEMA20/50回帰+直近スイングの手前で反転足
  • ATR14が“中”域(極端な低/高は除外)

IFDOCOテンプレ

Entry:押し目=Buy Stop(戻り売り=Sell Stop)を直近スイング超えに
SL   :直近スイング外+ATR×1.2
TP   :R:R=1:1.8(分割:1st=1:1.3、2nd=1:2.0)
除外 :重要指標前後30分/レンジ日

失敗回避(置換ルール)

  • 飛び乗り → 確定足+逆指値限定
  • 浅いSL → ATR倍率固定(最低×1.2)

4. セットアップ②|ブレイク&リテスト(トレンド継続)

【狙い】節目突破の“二段目”だけ取る。
【適性】ロンドン初動/NY前半。ニュース明けの収束局面。

判定・条件

  • 日足or4Hの直近高安・ネックを実体でブレイク
  • 1H/15Mでブレイクレベルに戻り→反転足(ピン/包み)
  • スプレッドが平常域へ復帰している

IFDOCOテンプレ

Entry:リテスト高値/安値越えに逆指値
SL   :リテストのヒゲ外+ATR×1.0
TP   :1st=R:R1:1.5 / 2nd=直近スイング or 1:2.0
管理 :1st利確→SLを建値へ

落とし穴

  • “なんちゃってブレイク” → 次足続伸/勢いの裏取り
  • クロス円のオーバーシュート → SL広め×ロット減

5. セットアップ③|レンジ逆張り(バウンド狙い)

【狙い】方向感の乏しい時間帯に、上限/下限の反発だけ抜く。
【適性】東京帯のドルスト/NY後半の失速帯。

判定・条件

  • 4H/1Hでレンジ(高安更新なし、EMAフラット)
  • 15Mでレンジ端タッチ+反転足
  • ATRが中立〜低め(高ボラ日は除外)

IFDOCOテンプレ

Entry:上限=売り指値 / 下限=買い指値(ヒゲ余裕)
SL   :レンジ外+ATR×0.8
TP   :中央(1st)→ 反対側の3〜7割(2nd)
撤退 :ブレイク発生=即退避(建値or小損)

注意点

  • 重要指標前はレンジ崩壊多発 → 触らない
  • クロス円は抜けたら走る → 逆指値で損失固定

6. セットアップ④|RSIダイバージェンス反転

【狙い】価格は更新するのにRSIが更新できない“勢い切れ”。
【適性】加速相場の終盤(逆張りの中では再現性高め)。

判定・条件

  • 4H/1Hの伸び切り後、価格は高値更新だがRSIは下げ(弱気ダイバ)
  • 15Mでネック割れ→戻り形成
  • イベント通過後(ノイズ減少)

IFDOCOテンプレ

Entry:ネック割れの戻り売り(買いは逆)
SL   :直近高値/安値外+ATR×1.0
TP   :直近押し/戻り → R:R=1:1.5以上で分割

フィルター

  • レンジ中の“見かけダイバ”除外(加速後限定
  • クロス円は反転の振幅が大 → ロット縮小&段階利確

7. サイズ決定とリスク管理(Rベース運用)

項目式/ルール狙い
許容損失= 残高 × 2%(初心者1%)“負け方”の固定
ロット= 許容損失 ÷ (SL pips × 1pips価値)過剰ロット防止
停止基準日次-2R / 週次-6Rで一時停止DD制御

8. ポジション管理:分割利確/建値移動/時間ストップ

  • 分割利確: 1st=R:R1:1.2〜1.5、2nd=1:2〜2.5。
  • 建値移動: 1st利確でSLを建値へ=“無料のオプション化”。
  • トレイル: EMA20や直近スイング外側へ段階移動。
  • 時間ストップ: ロンドン前半で完結/NY後半は撤退など、時間で切る

9. ボラ体制とセッション最適化(ドルスト/クロス円)

時間帯(JST)ドルスト特性クロス円特性主戦略注意
東京(9–15)素直でレンジ寄り静かだが突発ありレンジ逆張り/軽いプルバック要人発言
ロンドン(16–24)トレンド形成◎ボラ拡大・走る順張りプルバック/ブレイクRT初動誤爆回避
NY(22–翌6)二段目が出る加速→急反転ブレイクRT/ダイバ反転指標&流動性低下

10. 期待値E・R:R・勝率の設計

# 期待値E(1トレード平均pips/R)
E = 勝率 × 平均勝ち − 敗率 × 平均負け

# 例)勝率45%、平均勝ち+60、負け-30
E = 0.45×60 − 0.55×30 = +10.5 → プラス期待

# 推奨レンジ
・R:R ≒ 1:1.8(分割で平均1.6以上)
・勝率 40〜55%でもE>0は十分可能
・日次-2R / 週次-6Rで停止(DD制御)

【禁止事項】勝率を上げるためにTPを縮め、SLを広げる。短期の安心と引き換えに、期待値が死にます

11. 検証SOP(バックテスト→フォワード→最適化)

  1. 定義の固定: パターン/Entry/SL/TP/時間帯/通貨/除外条件を文章化。
  2. 静的バックテスト: 直近6〜12ヶ月、各セットアップ25本以上=計100本。
  3. フォワード: デモ/最小ロットで4週間。運用ストレスを観察。
  4. 最適化: ATR倍率、R:R、時間帯フィルターを微修正(変えるのは1つだけ)。
  5. 本運用: 2週連続でE>0&遵守率90%→ロット段階拡大。

12. トレード日誌テンプレ(再現の源)

内容入力例
No/時刻/帯連番/JST/Tokyo-London-NY#037 / 16:20 / London
通貨/方向EURUSD Long等EURUSD Long
①②③④②ブレイクRT
根拠水平線/MA/ダイバ等日足ネック実体抜け→1Hリテスト
ATR/SL/TPATR14, SL=ATR×1.4, TP=1:1.80.0065 / 0.0091 / 1:1.8
結果(pips/R)±とR換算+32 / +1.7R
感情/遵守前中後の心理/遵守率FOMO弱/遵守◯
学び次回やらない1つ初動は捨てる徹底

13. 失敗回避Q&A(よくある落とし穴)

Q1. 勝率が下がって不安…

A. 勝率より期待値E。R:R1:1.8で勝率45%でもプラス化可能。TP縮小&SL拡大は厳禁。Q2. 連敗時の対処は?

A. 日次-2R/週次-6Rで停止。ログ10本を俯瞰し「除外条件を1つ追加」。Q3. クロス円が難しい…

A. SL広め×ロット半分。②ブレイクRTの“二段目限定”から。Q4. 指標日は?

A. 新規は30分前/直後NG。狙うならスプレッド収束後の“二段目”。

14. 関連カテゴリへの導線(内部リンク)

総括:型に“数値と手順”を与えると、再現性が生まれる

4つの型をセッション/通貨/ボラで最適化し、IFDOCOとRベースで管理。
そして、紙に書ける定義→検証→最適化を回す――これが長期的な勝ち筋です。

【今週の課題】
① 1つの型に絞って10本(最小ロット)
② ATR倍率/時間帯フィルター/除外条件を1つだけ調整
③ 期待値E>0を確認できたら、翌週ロット+20%(上限2%)

第6章|戦略の組み合わせ:相関を味方にして損益曲線を“なめらか”にする【配分・同時保有・停止基準まで】

“勝てる型”を1つ持つだけでは、ドローダウン(DD)は避けられません。
本章では、4つの型(第5章)を「時間帯」「通貨群」「ボラ体制」で分散し、相関を下げることで損益曲線をスムーズにする方法を、資金配分・同時保有ルール・停止基準・モニタリング設計まで含めて実装レベルで解説します。

YMYL/免責: 本章は教育目的の一般情報であり、特定の金融商品の推奨ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。検証→小ロット→段階拡大の順に進めてください。 本章の目次

  1. なぜポートフォリオ化するのか(相関の呪い→味方)
  2. 分散の“器”を作る:時間帯×通貨群×体制のバケット化
  3. 資金配分テンプレ:固定R・等リスク・疑似リスクパリティ
  4. 同時保有ルール:最大同時R・通貨偏り・ニュース回避
  5. エクスポージャの見える化:通貨ネット/ヒート上限
  6. 停止基準と段階縮小:日次・週次・戦略単位のスイッチ
  7. レジーム判定:低/中/高ボラと方向性でのON/OFF
  8. モンテカルロと安全ケリー:過信しないサイズ決定
  9. エクイティカーブ・フィルター:右肩下がり時に止める
  10. ダッシュボード運用:KPI・週次レビュー・改善ループ
  11. 運用テンプレ集(コピペOK)
  12. 関連カテゴリーへの導線

1. なぜポートフォリオ化するのか(相関の呪い→味方)

単一戦略は勝ちの山と負けの谷が大きく、資金・メンタルに負担がかかります。
異なる特性の戦略・時間帯・通貨を束ねると、負けのタイミングがズレる=合計の損益が平滑化します。

単独運用の課題複数運用の効用実務Tip
DDが深い/回復に時間相関低下でDD縮小“勝ち方の違う”型を束ねる
機会損失(時間帯/通貨)時間&通貨のカバレッジ拡大東京/ロンドン/NYで役割分担
メンタルの偏り連敗時の心理保全“1日1勝”文化を捨てる

2. 分散の“器”を作る:時間帯×通貨群×体制のバケット化

まず“器”を定義し、各器に1つの型×条件を割り当てます(重複禁止)。

バケット時間帯(JST)通貨群主戦略(型)体制備考
B1東京(9–15)ドルスト(EURUSD, USDCHFなど)③レンジ逆張り低〜中ボラ指標接近は停止
B2ロンドン(16–24)主要(EURUSD, GBPUSD, USDJPY)①順張りプルバック/②ブレイクRT中〜高ボラ初動飛び乗り禁止
B3NY(22–翌6)クロス円(GBPJPY, EURJPY等)②ブレイクRT/④ダイバ反転高ボラSL広め×ロット小

これで“どこで何をやるか”が明確になります。同じバケットに型を2つ以上入れないのがコツです。

3. 資金配分テンプレ:固定R・等リスク・疑似リスクパリティ

各トレードに割り当てる損失許容(R)を基準に配分します。

方式考え方式/運用例向き/注意点
固定R1トレード=資金のX%例: R=1%(初心者0.5%)最もシンプル/管理しやすい
等リスクボラに応じてロット調整R一定、SL=ATR倍率第5章のATR×SLルールと相性◎
疑似リスクパリティDD貢献度が大の戦略Rを減らす戦略別DD比でRを割当ログが溜まってから実施

推奨スタート: 固定R=1%(または0.5%)+等リスクの考え方でロット算出。慣れたら疑似リスクパリティに移行。

4. 同時保有ルール:最大同時R・通貨偏り・ニュース回避

  • 最大同時R: 合計R≦3R(初心者2R)。例:1%×3ポジ=上限。
  • 通貨偏り: 同一通貨の片側偏重を禁止(例:USD買いだらけ)。
  • ニュース回避: 高重要度指標の前後30分は新規禁止、保有中は縮小
  • 重複シグナル: 同型が複数通貨で出たら、最も根拠の強い1つだけ

【判断の一貫性】シグナルの強弱は「上位足の整合/節目の明確さ/ボラ体制」の3点で点数化(後述のテンプレ参照)。

5. エクスポージャの見える化:通貨ネット/ヒート上限

各ポジションを「通貨ごとの買い/売り」に分解し、ネットエクスポージャを確認します。

通貨ネット(買-売)上限(例)備考
USD+1.5R±2R片側集中は抑制
JPY-0.5R±2Rクロス円の偏り注意
EUR+0.5R±2Rニュース時は縮小

ヒート上限: 「合計エクスポージャR≦3R」「通貨別|ネット|≦2R」などの“熱さ”制限を紙に固定。

6. 停止基準と段階縮小:日次・週次・戦略単位のスイッチ

【原則】“続ける勇気”より“止める勇気”。DDは大半がサイズの問題。

  • 日次停止: -2R到達で新規停止、既存は計画どおり管理。
  • 週次停止: -6Rで翌週まで停止、ログ10本をレビューし除外条件を1つ追加
  • 戦略停止: 型別に2週連続E<0かつ遵守率≧90%→一時停止
  • 段階縮小: 2連敗→Rを0.5倍/ 3連敗→停止。3連勝→Rを元に戻す。

7. レジーム判定:低/中/高ボラと方向性(トレンド/レンジ)でON/OFF

レジーム判定(例)主戦略ONOFF/縮小備考
低ボラ×レンジATR14≦0.7×平常、EMAフラット③レンジ逆張り①②縮小指標接近はOFF
中ボラ×トレンドATR平常、EMA傾斜&高安更新①順張り/②ブレイクRT③縮小基本形
高ボラ×加速/反転ATR≧1.3×平常、実体長/ギャップ②ブレイクRT/④ダイバ①③縮小スプレッド収束確認

レジームは日足で宣言→当日維持。日内でコロコロ変えない(検証不能回避)。

8. モンテカルロと安全ケリー:過信しないサイズ決定

過去の並び順に依存しないために、勝敗列をシャッフルしてDDの分布を把握(モンテカルロ)。

  • モンテカルロ: 勝率・R:R・本数を固定→1,000回試行→95%分位の最大DDを採用。
  • 安全ケリー: ケリー値×0.25程度(リスク過大を避ける)。
  • 現場ルール: いずれも上限R=2%(初心者1%)。超えない。

9. エクイティカーブ・フィルター:右肩下がり時に止める

戦略別の累積損益曲線を移動平均(例:10トレード)で平滑化し、下抜けで一時停止。

【例】「10トレード移動平均が20トレード移動平均を下抜け→戦略OFF。再度上抜けでON」
単純ですが、環境変化に遅れて適応できます。

10. ダッシュボード運用:KPI・週次レビュー・改善ループ

週末に15分で回すレビュー。変えるのは毎週1つだけが鉄則。

KPI目安改善アクション例
遵守率≧90%違反の“引き金”を1つ潰す
期待値E>0R:R/除外条件の再設定
最大DD想定内同時R/ヒート上限の調整
勝率/連敗連敗幅≦設計段階縮小ルールの見直し

11. 運用テンプレ集(そのまま貼れる)

11-1. シグナル強度スコア(10点満点)

項目配点基準
上位足の整合0–3週/日/4Hの方向一致
節目の明確さ0–3水平線/ネック/リテスト
ボラ体制整合0–2ATR/スプレッド
時間帯フィット0–2東京/ロンドン/NYの適性
合計0–107点未満は見送り

11-2. 配分ルール(擬似コード)

# 1トレードR(初心者0.5〜1%)
R_per_trade = 0.01

# 同時保有上限
Max_total_R = 0.03   # 合計R<=3R
Max_ccy_net = 0.02   # 通貨別|ネット|<=2R

# スコア7点以上のシグナルのみ採用
# スコアが同等なら、通貨ネットが薄い方を優先

11-3. 停止&縮小ルール(読み上げ式)

  1. 今日の損失は -2R 未満か? → NOなら新規停止
  2. 今週の損失は -6R 未満か? → NOなら翌週まで停止
  3. 連敗 = 2? → 次のトレード R=0.5×
  4. 連敗 = 3? → 停止し、ログ10本をレビュー

12. 関連カテゴリーへの導線(内部リンク)

総括:分散は“闇雲に増やす”ことではない。役割を持った器を組むこと

バケット(器)を定義し、型を1つずつ割り当て、Rベースの配分で熱さを管理。
相関を下げ、停止と縮小を仕組みに落とせば、損益曲線は驚くほどなめらかになります。
次章では、このポートフォリオを支えるツール化と自動アラート(実装テンプレ)へ進みます。

第7章|ツール&自動化:勝ち筋を支える“作業の自動化”と“失敗しにくい環境”の作り方

第5章の型(セットアップ)と、第6章の配分/相関管理を、毎日同じ品質で回すには、環境・アラート・記録・可視化が欠かせません。
本章では、TradingView/MT4・MT5/表計算/ジャーナル/テンプレ文面まで、即コピペで使える実装を提供します。

YMYL/免責: 本章は教育目的の一般情報です。実運用はデモ/少額で検証し、自己責任で実施してください。 本章の目次

  1. ツール・スタック設計(最小構成→拡張)
  2. チャート・レイアウト:時間軸と指標の標準化
  3. インジケーター基準値(ATR/EMA/RSI等)
  4. アラート実装(価格/時間/イベントの3層)
  5. IFDOCO発注テンプレ(文章→コピペ)
  6. ロット計算&R管理シート(列設計)
  7. ジャーナル運用:100トレード台帳の雛形
  8. ダッシュボード可視化(KPI・DD・相関)
  9. SOPチェックリスト(朝/前場/新規/保有/引け)
  10. テンプレ集(問い合わせ/指標日/障害時)
  11. 関連カテゴリーへの導線

1. ツール・スタック設計(最小構成→拡張)

用途最小構成拡張構成(任意)ポイント
チャート/アラートTradingView(無料〜)TV Pro/自作Pine価格/時間/イベントの3層通知
発注MT4/MT5(ブローカー)ワン・クリック/EAs(検証用)IFDOCOをテンプレ化
記録スプレッドシート/ExcelNotion/Obsidian“入力10秒”に設計
可視化シートのグラフBI(Looker/Power BI)DD/遵守率/相関を一画面

2. チャート・レイアウト:時間軸と指標の標準化

  • 上位足セット: 週足/日足(水平線・ゾーン)
  • 設計足: 4H/1H(型の組み立て)
  • トリガー: 15M/5M(エントリー/反転足)
  • パネル配置: 左=上位足、中央=設計足、右=トリガー足
  • ニュースパネル: 当日高重要度(★)だけを画面内に固定表示

3. インジケーター基準値(ATR/EMA/RSI等)

指標パラメータ役割/運用
ATR14(各足)SL倍率=×1.2〜1.8
EMA20/50/200傾斜と回帰で型判定
RSI14ダイバ判定(加速後限定)

4. アラート実装(価格/時間/イベントの3層)

4-1. 価格アラート(節目±ATR×0.3)

// TradingView(条件例・疑似Pine)
// 水平線Lに近づいたら通知
condition = abs(close - L) < atr(14) * 0.3
alertcondition(condition, title="NearLevel", message="節目接近: {{ticker}} {{interval}}")

4-2. 時間アラート(セッション前リマインド)

  • ロンドン5分前、NY30分前に“準備”通知
  • 終了15分前に“撤退/縮小”通知

4-3. イベントアラート(重要指標30分前=新規禁止)

経済カレンダーの★(高)だけをGoogleカレンダー等に同期→リマインド。

5. IFDOCO発注テンプレ(文章→コピペ)

【共通】R=残高×1%(初心者0.5%)/SL=最短無効化点の外+ATR倍率

① 順張りプルバック

Buy Stop:直近スイング高値+数pips
SL       :スイング安値外+ATR×1.2
TP       :1st=R:R1:1.3 / 2nd=1:2.0(1st後に建値)

② ブレイク&リテスト

Buy Stop:リテスト高値超え
SL       :リテストのヒゲ外+ATR×1.0
TP       :1st=1:1.5 / 2nd=直近スイング or 1:2.0

③ レンジ逆張り

Sell Limit:レンジ上限ヒゲ余裕
SL         :レンジ外+ATR×0.8
TP         :中央→反対側3〜7割(抜けたら即撤退)

④ RSIダイバ反転

Sell Stop:ネック割れ戻りの安値更新
SL        :直近高値外+ATR×1.0
TP        :直近押し/戻り、分割でR:R≥1:1.5

6. ロット計算&R管理シート(列設計)

列名例/式目的
Balance100,000口座残高
R%1%許容損失割合
RiskAmt=Balance*R%金額R
SL(pips)=ATR×倍率損切幅
PipValue通貨/ロット換算値1pipsの価値
Lot=RiskAmt/(SL×PipValue)発注ロット

7. ジャーナル運用:100トレード台帳の雛形

入力は10秒以内。列を絞り、“次に直す1つ”だけ書き残す。

内容
# / 日時 / 帯連番 / JST / Tokyo-London-NY#041 / 16:10 / London
通貨 / 方向EURUSD Long等EURUSD Long
①〜④②ブレイクRT
R / SL / TPR%=1 / ATR倍率 / R:R1 / ×1.4 / 1:1.8
結果 (pips/R)±pips / ±R+28 / +1.5R
遵守率%(SOP違反数)100%
次に直す1つ短文1行初動は捨てる徹底

8. ダッシュボード可視化(KPI・DD・相関)

  • KPI: 期待値E、遵守率、最大DD、連敗幅
  • 戦略別: ①〜④のEとDD、停止ON/OFFの履歴
  • 相関: 通貨別ネットR推移、同時R(ヒート)の折れ線

9. SOPチェックリスト(朝/前場/新規/保有/引け)

  • 朝: 週足/日足更新、レジーム宣言、重要指標確認
  • 前場: 水平線/ゾーンの更新、価格アラートセット
  • 新規: 型一致? R:R≥1:1.5? IFDOCO登録&スクショ
  • 保有: 1st利確→建値、時間ストップ、ニュース前縮小
  • 引け: ジャーナル10秒入力、KPI更新

10. テンプレ集(問い合わせ/指標日/障害時)

10-1. ブローカー問い合わせ(事前確認)

件名:口座開設前の確認(約定品質・資金保全・リスク規程)
・登録番号/監督機関/苦情窓口URL
・分別管理/信託保全の詳細(信託先名・補償上限)
・指標時/週明けのスプレッド拡大とスリッページ扱い
・障害時の補填ポリシー(証跡提出方法)
・入出金SLAと不正出金対策(2FA等)

10-2. 指標日前日チェック

□ 高重要度のみ抽出し、開始30分前に“新規禁止”アラート
□ 保有中ポジは1st利確済みか、サイズ縮小済みか
□ 指標直後はスプレッド平常化を確認してから再開

10-3. 障害時の連絡テンプレ

件名:取引障害に関する照会(注文ID: XXXXX)
・発生日時/通貨/注文ID/現象(スクショ/動画添付)
・約款の該当条文(引用)
・希望する救済(無効化/補填の根拠)
・連絡履歴(時系列)

11. 関連カテゴリーへの導線(内部リンク)

総括:上手い人は“うまくやる”のではなく、“うまくやれる環境”を先に作る

ツールと自動化で待つ/入る/守る/振り返るを仕組みに。
明日は第8章で、実録ケーススタディ(良い負け/悪い勝ちの見分け方)へ進みます。

第8章|実録ケーススタディ:現場の“判断と手順”を可視化する【良い負け/悪い勝ち/伸ばす勝ち】

戦略は紙の上では完璧でも、相場は常にノイズを含みます。本章は、私の実録から再現できる学びだけを抽出。
4つの型(第5章)を軸に、環境認識→セットアップ→発注→管理→結果→学びの順でケースを分解し、SOPと数値に落とし込みます。

YMYL/免責: 以下は教育目的の一般情報であり、特定の投資助言ではありません。実運用はデモ/小ロットでの検証を経て、自己責任で行ってください。 本章の目次

  1. Case1:順張りプルバック|“良い負け”の作り方
  2. Case2:ブレイク&リテスト|“悪い勝ち”の危険信号
  3. Case3:レンジ逆張り|“伸ばす勝ち”の分割設計
  4. Case4:RSIダイバ反転|反転は“遅れて”乗る
  5. Case5:クロス円の暴れ |SL広め×R一定で噴火に耐える
  6. 採点表:ケース→スコア→改善1つ
  7. ジャーナル埋め込みテンプレ(10秒入力)
  8. 反省録:連敗期にやめたこと・続けたこと
  9. 関連カテゴリへの導線

Case1:順張りプルバック(EURUSD・ロンドン)|“良い負け”の作り方

項目内容
環境日足:高値切上げ、EMA50上。4H:押し目候補ゾーン到達。
セットアップ1HがEMA20へ回帰→15Mで強陽線。①順張りプルバック成立。
発注(IFDOCO)Buy Stop=直近高値+2pips / SL=直近安値外+ATR×1.2 / TP=1st1:1.3, 2nd1:2.0
結果初動でヒゲに触れて-1R(損切)。直後に想定方向へ伸びた。
評価良い負け。定義通りの場所と手順、サイズもR固定。再現性を維持できる。
改善1つ“ロンドン初動の一発目は捨てる”を追加。二段目だけを採用。

負けを“整える”と、翌日の自分が救われます。定義通りの-1Rは、期待値のコストです。

Case2:ブレイク&リテスト(GBPUSD・NY前半)|“悪い勝ち”の危険信号

利益が出たのに「やってはいけないこと」をやったケースは悪い勝ち。将来の大敗に直結します。

  • 直近高値ブレイク→成行で飛び乗り(リテスト待たず)
  • SLを根拠なく縮めた(ATR無視)
  • 分割利確ルール未実施=建値移動できず

たまたま+1.0Rで勝ち。しかし、もし逆に振れていたら-2Rの想定外損失に。
対策:「ブレイクは初動捨てる」「IFDOCO以外の発注禁止」「1st到達→建値は自動」の3点をSOPに固定。

Case3:レンジ逆張り(USDCHF・東京帯)|“伸ばす勝ち”の分割設計

局面運用ポイント
エントリー上限でSell Limit(ヒゲ余裕)③レンジ逆張り
SLレンジ外+ATR×0.8固定pips禁止
利確1st=中央で50% / 2nd=反対側の5割“半分だけ夢を見る”
結果+1.9R(平均)建値移動で安心継続

レンジは“抜けたら即降りる”。だからこそ、2段利確+建値が効きます。

Case4:RSIダイバ反転(XAUUSD・NY後半)|反転は“遅れて”乗る

加速相場の天井/底を当てにいく必要はありません。ネック割れ→戻りの二段目だけで十分。

  1. 4Hの急騰→RSIは高値更新できず(弱気ダイバ)
  2. 1Hのネック割れ確認、15Mの戻りでSell Stop
  3. SL=直近高値外+ATR×1.0、1st=1:1.5で建値移動
  4. 2ndは1:2.2でクローズ → 合計+1.8R

【教訓】反転“狙い”ではなく、反転“確認”+戻りを買う/売る。

Case5:クロス円の暴れ(GBPJPY・NY序盤)|SL広め×R一定で噴火に耐える

クロス円は“抜けたら走る”。SLを狭めるほど刈られます。広いSL×小ロットでR一定を死守。

  • ②ブレイク&リテストの戻り売り
  • SL=ヒゲ外+ATR×1.6(普段より広め)
  • ロットは半分に縮小(R=1%を維持)
  • 1st=1:1.5→建値、2nd=走りに合わせてトレイル

結果は+1.4R。ロットありきではなく、Rありきで考える癖がDDを抑えます。

ケース採点表:シグナル・執行・管理を数値で振り返る

項目配点基準
上位足の整合0–3週/日/4Hの方向一致
節目・ゾーン認識0–3水平線/リテスト/ネック
執行の一貫性0–2IFDOCO/確定足/指標回避
管理(分割/建値/時間)0–21st後の建値/時間ストップ
合計0–107点未満=見送り/再検討

ジャーナル埋め込みテンプレ(10秒入力・SWELLボックス推奨)

記入例: #052 / 16:05(London) EURUSD Long / 型② / R=1% / SL=ATR×1.4 / 1st到達→建値 / +1.6R / 遵守100% / 次回「初動は捨てる」

  • # / 時刻 / 帯
  • 通貨 / 方向 / 型①〜④
  • R% / ATR倍率 / R:R
  • 結果(pips/R)
  • 遵守率(%)
  • 次に直す1つ

反省録:連敗期に“やめたこと”と“続けたこと”

やめたこと続けたこと
成行の飛び乗り / 固定pipsのSL / 指標直前の新規IFDOCO徹底 / ATR倍率SL / 分割→建値 / 時間ストップ
日内での手法変更週足→日足→4H→1Hの一貫性
勝率への執着期待値E・DD・遵守率を見る習慣

関連カテゴリーへの導線(内部リンク)

総括:勝ちも負けも“定義通り”に起こすと、改善は加速する

ケースの骨格をSOPと数値で管理すれば、感情に流されません。
次章(第9章)は「安全性で選ぶFX口座」。資金保全/約定品質/障害対応を“質問票”で可視化していきます。

第10章|戦略から実戦へ:90日移行計画で“回せる仕組み”を完成させる

ここまでで、型(第5章)ポートフォリオ/配分(第6章)ツール&自動化(第7章)ケース学習(第8章)口座安全性(第9章)を構築しました。
本章では、それらを90日間の移行計画に落とし込み、サイズ拡大・停止/再開・レビューのループで“回る運用”に仕上げます。

YMYL/免責: 学習/教育目的の一般情報です。投資判断は自己責任。まずはデモ/最小ロットで検証し、Rベース管理SOP遵守を前提に段階拡大してください。 本章の目次

  1. ロードマップ:0→14→30→60→90日の5ステージ
  2. 週次リズム:準備→運用→レビュー(15分×3本柱)
  3. サイズ拡大:安全ケリー×R上限×段階式
  4. 停止/再開SOP:DDコントロールの実務
  5. 場面別プレイブック:指標日/高ボラ/低ボラ/要人発言
  6. 品質保証:遵守率・E・DDの3 KPI管理
  7. 自動化の拡張:アラート→実行前チェックの半自動
  8. 運用セキュリティ:ログ/監査/バックアップ動線
  9. よくある質問(実戦フェーズ)
  10. 関連記事/カテゴリへの導線

1. ロードマップ:0→14→30→60→90日の5ステージ

期間主目標実行内容合格ライン
Day 0–14定義の固定&入力10秒化型①〜④の文章定義、アラート3層、IFDOCOテンプレ、ジャーナル雛形完成。
デモ運用で各型5本=計20本。
遵守率≧90% / 記録漏れ0
Day 15–30最小ロット実装&E確認固定R=0.5%(または0.25%)で20本。
レジームON/OFF/時間ストップ運用。
E>0 / 最大DD≤設計 / 連敗幅≤設計
Day 31–60配分/相関の導入(第6章)3バケット運用(東京/ロンドン/NY)。
同時R≦2〜3R、通貨ネット≦±2R。
総合E>0 / 合計DD≦設計×0.8
Day 61–90サイズ段階拡大と自動化の微増R=0.5→0.75→1.0%(週ごと)。
チェックリスト読み上げ→IFDOCOの半自動化。
遵守≧90%維持 / 口座健全性◎

原則: 勝っても負けても、次に変えるのは1つだけ。同時に2つ変えると因果が消えます。

2. 週次リズム:準備→運用→レビュー(15分×3本柱)

フェーズ所要やること成果物
週前準備(日)15分週足/日足ライン更新・レジーム宣言・指標取り込み水平線スクショ/チェックリスト
平日運用日5〜20分アラート→SOP確認→IFDOCO登録→ジャーナル10秒注文ID/スクショ/日誌
週末レビュー15分KPI更新(E/遵守/DD/連敗)→“直す1つ”を決定改善項目1つ(SOP更新)

3. サイズ拡大:安全ケリー×R上限×段階式

  • 基準: R上限=1%(初心者0.5%)。ケリー推定の1/4以下で運用。
  • 段階: 2週連続でE>0&遵守≧90%→Rを+0.25pt。逆に週次-6R→翌週停止。
  • 複利: 月次で残高更新、R%は一定。ロットのみ再計算。

【禁止】負けを取り返すための臨時サイズ増。ルール外の拡大はDDを深掘りします。

4. 停止/再開SOP:DDコントロールの実務

  1. 日次停止: -2Rで新規停止。既存は計画管理。
  2. 週次停止: -6Rで翌週まで完全停止。ログ10本をレビューし除外条件を1つ追加。
  3. 戦略単位: 同一型が2週連続E<0→その型のみOFF(第6章の相関維持)。
  4. 再開条件: テスト10本でE>0&遵守≧90%を確認→元のRに復帰。

5. 場面別プレイブック:指標日/高ボラ/低ボラ/要人発言

場面ON戦略OFF/縮小ルール(抜粋)
指標30分前〜直後無し(新規禁止)保有縮小/建値化スプレッド正常化確認→再開
高ボラ継続②ブレイクRT/④ダイバ二段目①③縮小SL=ATR×1.6〜1.8/分割厚め
低ボラ横ばい③レンジ逆張りブレイク狙い縮小SL=ATR×1.2/TP小さめ
要人発言/突発無し(待機)既存は縮小/建値方向性確認まで静観

6. 品質保証:遵守率・期待値E・最大DDの3 KPI管理

  • 遵守率(≧90%): SOP違反が1件でもあれば、Eが良くても評価は“要注意”。
  • 期待値E(>0): R:Rをいじらず、除外条件の精度で改善する。
  • 最大DD(設計内): 合計R/通貨ネット/同時Rを“熱さ”指標で常時監視。

【ダッシュボード指標】E(週/戦略別)、DD、遵守率、連敗幅、合計R、通貨ネットR、停止ON/OFF履歴。

7. 自動化の拡張:アラート→実行前チェックの半自動

“通知が来たら、SOPを音読→IFDOCOを貼る”までを型にします。

  1. TradingViewの価格/時間アラート→メッセージに型名・足・ATR倍率を含める。
  2. 受信後に読み上げSOP(第5章)を15秒で確認。
  3. IFDOCOテンプレをMT4/MT5へコピペ、スクショ保存。
  4. 1st到達→建値移動は半自動スクリプト(任意)で補助。

8. 運用セキュリティ:ログ/監査/バックアップ動線

  • ログ二重化: 注文/約定/口座履歴をクラウド+ローカル。週次でCSV保存。
  • スクショ命名: YYYYMMDD_HHMM_ticker_setup_R.png で統一。
  • 2FA+出金SLA: 第9章のルールを遵守。大型出金は分割。
  • 監査トレイル: 変更履歴(SOP/パラ)をNotion等で時系列管理。

9. よくある質問(実戦フェーズ)

Q. どの通貨から始める?

A. ドルスト(EURUSD/GBPUSDなど)から。クロス円はSL広め×ロット小で後から。Q. 勝率が下がって不安。

A. 期待値Eで評価。R:R1:1.8前後+分割/建値で、勝率40〜55%でもE>0は十分可能。Q. 連敗が続いた。

A. 日次-2R/週次-6R停止→ログ10本→除外条件を1つ追加。サイズは段階縮小。Q. 忙しくて見られない。

A. 価格/時間アラート(3層)とIFDOCOで“待てる仕組み”。時間ストップを採用。

10. 関連カテゴリへの導線(内部リンク)

総括:戦略を“上手くやる”のではなく、“上手く回る”ように作る

90日移行計画を回し、サイズは証拠(E/遵守/DD)でのみ上げる。
型×配分×ツール×口座×SOPが繋がれば、ブレない自分の戦い方が完成します。
あとは日々、“次に直す1つ”を更新するだけです。